昨年から話題に上っていることが多い「メタバース」。
しかし最先端の技術で何をどうしたら始められるか分からないと、とっつきにくく感じている人いませんか。
今日はメタバースを始めるために必要なものについて簡単に解説いたします。
メタバースについて簡単におさらい
いまいちメタバースが何なのか分からないという人のために説明すると、メタバースとは「バーチャル上に作られた空間を不特定多数のユーザーで同時に利用できる技術」です。
2020年に大ヒットを飛ばした「あつまれ どうぶつの森」などもメタバースの技術を取り入れた作品です。
ブルームバーグの予測によるとメタバースの経済規模は今後8000億ドル(約92兆円)まで膨らむといわれ、うまく企業活動に活用すれば費用をおさえてブランドイメージを世界中に広められるチャンスがあります。[注1]
メタバースに関してはこちらの記事もご覧ください。
メタバースを使うために準備したいもの
メタバースをたっぷり使いこなすには以下のものを準備しておきましょう。
- VRヘッドセット
- 処理能力の高いパソコン
必要なもの1:VRヘッドセット
VRとはそもそもバーチャル空間を現実世界と同じように体験するための技術。
そのため、実際のユーザーの動きを読み取ってアバターと呼ばれる操作キャラに反映させるトラッキング機能のついたVRヘッドセットが必要です。
VRヘッドセットは基本的に視線や顔の向きを読み取るVRゴーグルと、両手の動きを読み取る付属のコントローラの2点が含まれています。
この他にも腰に装着することで下半身の動きを読み取れるデバイスなども組み合わせて使うことで、より全身の動きを滑らかにアバターに反映できるようになっています。
VRヘッドセットにはスマホアプリと組み合わせて使うもの、単体で利用できるもの、PCに接続して使うものの3つのタイプがあり、価格と性能でおおざっぱに比較すると以下のような感じになります。
VRヘッドセット | 価格帯 | 解像度 |
---|---|---|
スマホと組み合わせて使うタイプ | 安 (~5千円) | 低 (~1488×2266) |
単体で利用するタイプ PCと接続して使うタイプ | 高 (1~15万円) | 高 (2560×1440~4896×2448) |
なお、今回は価格.comさんで実際に売られているVRヘッドセットの商品情報を参考に比較しています。[注2]
高価なVRヘッドセットになると、画質面だけでなく音声面の性能もより高くなっていきます。
しかしまずは手頃なスマホと組み合わせるタイプのものを準備して、どのようなものか体験することで、より本格的にメタバース参入に着手すべきかどうか考えるのがおすすめです。
また左右のレンズの間隔や目と表示画面との間隔がうまく調節できていない状態で長時間メタバースを利用すると、眼精疲労になるリスクが高くなります。
購入した後は左右の目に負担なくバーチャル空間を利用できるように、一通り間隔を調節しておきましょう。
必要なもの2:処理能力の高いパソコン
大人数が使っているプラットフォーム(メタバース上のバーチャル空間の総称)の場合、処理する情報も増えてその分、デバイスの処理も重くなってしまいます。
初心者でも利用しやすい「VR Chat」や「The Sandbox」などのプラットフォームの場合、ある程度操作する程度なら標準的な性能のPCでも問題ありません。
しかし「Game Maker」(The Sandboxの中でゲームコンテンツを制作して共有できる機能)などより高度な機能を使うには、3DCGの処理能力が高いPCを導入しておくのもおすすめです。
たとえばハイエンドモデルのVRヘッドセットで、メタバース上でのSNS「VRchat」を利用したい場合、以下の性能のパソコンを用意することが推奨されています。 [注3]
PCパーツ | 性能 |
---|---|
CPU | Core i7-9700K(3.60GHz) |
GPU(グラフィックボード) | GeForce RTX 2070 Super |
メモリ | 32GB RAM |
電源ユニット | 750W~ |
それぞれのパーツの意味は以下の通りです。
CPU
計算や画面表示などPCにおけるあらゆる命令を処理して実行するパーツです。
CPUはマザーボードという基板上に設置されており、後からより性能のいいものに自分で取り換えることも可能です。
CPUが命令を処理する際、クロックと呼ばれる電気信号をマザーボード内で定期的に送受信します。
クロックを送受信する速度を「クロック周波数(単位:GHz)」といい、この数値が高いほど命令を素早く処理できて、よりPCの動作も軽くなります。
GPU(グラフィックボード)
画像・映像をデータとして処理して入出力する機能を持つパーツです。
CPUやマザーボードに最初から入っているのですが、メタバースのようにリアルタイムに3D映像を高品質で処理するには、拡張パーツとしてのGPUを用意して取り付ける必要があります。
メモリ
PCが処理するデータを一定時間保持するための保存領域となるパーツです。
メモリが一度に保持できるデータ容量は「~~GB RAM」という形で表示されます。
電源ユニット
外部から供給された電力を変換して、各パーツに給電するためのパーツです。
出力できる電力量だけでなく、停電になった際に急にパーツへの給電を途絶えないようにするUPS(無停電電源装置)を搭載しているかも確認ポイントです。
PCパーツの性能を確認する方法
Windows PCの場合、電源ユニット以外の各パーツの性能を以下の手順で確認できます。
- スタートバーから「タスク マネージャー」を開く
- 「パフォーマンス」タブを開く
実際に今、記事を書くのに使っているPCのパーツはこのようになっています。
ちなみにこのPCとVRchatが推奨するPCでは、GPUの性能差は13倍にもなるようです。
やはり最先端の技術だけあって、メタバースを使いこなすにはある程度の性能を持ったPCが必要になるんですね。
このほかにも、プラットフォームによっては利用前にアカウントを作成したりメタバース内でやりとりできる仮想通貨用の口座を作成したりする必要があります。
基本的には公式ページに利用前に準備しておくものが明記されているため、必ず事前にチェックしておきましょう。
まずはお手頃なモデルをそろえて試してみよう
メタバースを利用するためのアイテムは、価格帯や性能がものによって大きく異なります。
初めて使う場合、最初から高い機材をそろえる必要はありません。
まずはメタバースがどのようなものか体験するため、スマホ連動型のVRヘッドセットなど安くそろえられるものから始めてみましょう。
VR技術やメタバースの世界は日進月歩の速さで進化しています。
VRヘッドセットなどをそろえた後は、積極的に新しい情報を集めてメタバースをマーケティングやビジネスに何かしらの形で応用できるのか考えてみましょう。
メタバースについては、こちらのサイトも参考にしてみてください!
・関連資料のリンク
[注1] Bloomberg :“Metaverse may be $800 billion market, next tech platform“
[注2] 価格.com:VRゴーグル・VRヘッドセット 人気売れ筋ランキング 2022年4月
[注3] VRChat初心者向けガイド:「VRChatが動くパソコンスペックは?」
・関連資料のダウンロード
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