未来のものづくりのカギ「デジタルツイン」

未来のものづくりのカギ「デジタルツイン」プロモーション

昨年からいろいろな業種の企業がDXを積極的に進めています。

DXの重要ワードの1つに「デジタルツイン」というものがあるのですが、デザインツインはリアル世界とバーチャル世界を結びつける最先端技術として現在、あらゆる場面で活用されています。

今回はDX化された社会になくてはならないデジタルツインについて紹介します。

デジタルツインは「仮想空間にコピーされた現実」

デジタルツインとは、最先端のデジタル技術を駆使して現実世界のものごとをそのまま仮想上に複製する技術です。

実際のものを双子のようにそっくり再現するため”デジタルツイン”と呼ばれています。

デジタルツインの概念が生まれたのは、NASAのアポロ計画で使われたペアリング技術がきっかけでした。

アポロ13号の酸素タンクにて爆発事故が起きた際、NASAはデジタルツインを使って安全な避難方法をシミュレートしています。

これによりアポロ13号は無事地球に帰還することに成功しました。[注1]

デジタルツインは社会実験のシミュレーションや大型機械や建造物のモデル発表など、現実の場でできないことを仮想上で実施できるため、多くの場面で活用されています。

身近なところでは数年前からニュースなどでよく見かける、コロナウイルスの飛沫シミュレーションもデジタルツインの活用例です。

デジタルツインは空気の流れや交通渋滞なども再現できるため、将来はよりあらゆる分野で活用されそうですね。

 

デジタルツインとシミュレーションの違い

デジタルツインが従来の3Dモデリングによるシミュレーションよりも優れているのは、現実世界の状況をシミュレーションに反映させられる点です。

これはビッグデータをIoTでリアルタイムで送受信して、AI技術が瞬時に分析処理することで、現実世界上の変化を即座に表現できるためで、災害や気候変動などの大規模なシミュレートもかなり具体的にできるようになりました。

2021年11月にはオーストラリアのスタートアップ企業が、地球規模のデジタルツインの開発に約22億円もの資金を調達したと発表しています。[注2]

さすがに日本にはこれほどのものはありませんが、風力発電所や大型機械のエンジンなどの完成モデルをデジタルツインで作成している事例も多数あります。

 

デジタルツインが持つ4つのメリット

① トラブルを未然に防ぎやすくなる

デジタルツインは現地の環境に近い状況で製品テストができるため、起こりうるあらゆる現象を仮想上で再現できます。

そのため従来のシミュレーションよりも問題のある箇所などを事前に発見しやすく、トラブルを未然に防げる可能性が高まります。

 

② 開発コストを減らしやすくなる

仮想空間上で物体をモデリングして試験すれば、実際に物体を用意する手間暇が省けて開発コストの削減につながります。

また複数回試験したい場合にも、デジタルツインなら簡単に複製できるため、さらなるコスト削減も目指せます。

 

③ 宣伝効果が上がりやすくなる

仮想空間上でなら全世界に試験や試作品の様子を共有できるため、同時により多くのユーザーに自社の製品をアピールできます。

海外や遠隔地に直接行かなくても現地の方とのタッチポイントをつくれるので、手軽にマーケティング効果を期待できますね。

 

④ リリース後の運用がしやすくなる

製品をリリースした後に何かトラブルが起こっても、デジタルツインがあれば製品を回収し始める前からすぐ原因を調査できます。

他にもユーザーからの問い合わせに対応する際もデジタルツインがあれば、即座により明確な解決案を提供しやすくなります。

 

デジタルツインが今後活躍する場所とは

今後、様々な業界での活躍が期待されているデジタルツイン。

特に以下の分野では、すでに利用され始めています。

  • 機械や自動車の製造
  • 医療業界
  • まちづくり(防災・スマートシティ化)

実際にまちづくりの現場では、2020年より国土交通省がデジタルツインを駆使した「PLATEAU」というプロジェクトを開始しており、2021年には全国の主要56都市を3Dモデル化したオープンデータを作成して、DXをはかる企業に提供しています。[注3]

こうしたPLATEAUのデータは、実際に三越伊勢丹グループなどがVR空間の作成のために活用されています。[注4]

 

デジタルツインでよりリアルな仮想空間を実現できる

「VR」や「メタバース」など仮想空間をあらわす単語もすっかり世間に浸透して、人々が普通に現実世界のように仮想空間で活動するのも当たり前の時代になりました。

しかし、だからこそ現実とバーチャルの違いはどこか気になるもの。

デジタルツインが今後もっと発達すれば、本当に「現実世界の生き写し」を作成できるようになり、ビジネスにエンターテインメントに存分に活用できる時代がくるかもしれません。

弊社ではVRを使ったサービスも提供しています。

VRでどんなことができるのか気になった方は、ぜひ関連サービスのページもご覧ください。

 

・関連資料のリンク

[注1] NASA Technical Reports Server : Digital Twins and Living Models at NASA
[注2] Asset Management Council : Digital Twin for Earth
[注3]国土交通省:PLATEAU [プラトー]
[注4]国土交通省:バーチャル都市空間における「まちあるき・購買体験」

 

・関連サービス 

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