これまで当サイトでは保険や教育など、あらゆる業界のマーケティング手法について様々な記事で解説いたしました。
今回は家電製品や輸送機器などの製造業における、3DCGを活用したプロモーションについてご紹介します。
3DCGのクオリティは日々進歩していて、もはや現実世界と見分けがつかないほどリアルなものも少なくありません。
メリットや実際の導入事例を中心に、3DCGがどのようなものか見ていきましょう。
3DCGをプロモーションに使うメリット
製造業のプロモーションに3DCGを用いるメリットを6つ紹介します。
① 実物を持つリアルな質感を表現できる
3DCGで製品のモデルを作成することで、本物以上に美しくリアリティのあふれる質感を表現できます。
アニメーションにすることで製品が動く様子を見せられるため、躍動感や機敏性など言葉では伝えにくいものも容易に説明できます。
また空間や天候などの制約を受けず、製品の魅力が一番伝わりやすいシチュエーションで3DCGを描写できるのも大きな特徴です。
② 仕様変更にあわせて柔軟に修正できる
製品の機能やデザインが頻繁に変わるような場合も、3DCGならすでに公開しているものでもすぐに修正して再掲載できます。
また製品のモデルを別のシチュエーションで紹介したいという場合も、3DCGなら場所を変えて何度も撮影する手間がかかりません。
そのため、一時的にキャンペーンやイベントにあわせた内容のプロモーションを作りたいという時にも3DCGは利便性が高いといえます。
③ 使っているイメージを連想させられる
写真や映像と違って3DCGの製品モデルは実物のように動かしたり使ったりできるため、顧客は製品を実際に利用している様子を想起しやすくなります。
製品に対するイメージがよりリアルなものになるため、実物を使用した時の外観や性能などの認識のズレが起こりにくくなります。
そのため製品に対する認識の違いから来る顧客の不満が生まれにくく、クレームや返品の発生もおさえられる可能性があります。
④ プロセスや内部構造を見せられる
3DCGなら製品が作動する複雑なプロセスを説明したり、普段は見せられない精密機器の内部構造を見せたりすることも可能です。
製品の性能や仕組みについて視覚的にわかりやすくなり、製品に対する顧客の興味関心が高まりやすくなります。
またこうした3DCGによるプロセスや内部の再現は、取り扱いマニュアルやトラブルシューティング用の冊子などにも応用できます。
⑤ ARやVRのコンテンツと連携できる
3DCGをVRやARなどのコンテンツと組み合わせることで、仮想上でよりリアルな製品体験の機会を顧客に与えられます。
VRなら実際の光景を模した仮想空間に、ARならスマホなどの画面に写る空間に3DCGの製品モデルを好きなように疑似的に設置できます。
実際に製品を使っている様子がリアルに体験できるため、顧客の製品への興味も自然に沸きやすくなります。
⑥ 準備のコストや時間をおさえられる
商品のプロモーション用に写真撮影しようとすると撮影スタジオ、カメラマン、照明機材などを準備しないといけません。
コストだけでなく実物を含めすべて用意してからでないと動けないため、準備のための時間もかかります。
一方で3DCGならパソコン一つで制作できるため、製品モデルにかけるコストもおさえられ、素早く素材を準備できるというメリットもあります。
3DCGのプロモーションを効果的に行っている業界
製造業を中心に様々な業界で3DCGを活かしたプロモーションが行われています。
① 自動車製造業界でのプロモーション
新しい車種が完成するのを待たず製品モデルの素材を活用できるため、自動車メーカーのプロモーションにとって3DCGはかかせないものといえます。
3DCGでなら車体の外装や内装のカラーデザインを色々変更しながらプレビューを表示させることができて、その車種への興味を持ってもらいやすくなります。
さらに大自然の一本道や夜の都市高速など車種の雰囲気にあうようシチュエーションを設定することで、見る人に製品の印象をより強く与えることができます。
② 医療機器製造業界でのプロモーション
治療や手術で使われる医療機器において、3DCGは医療従事者と患者のいわばコミュニケーションツールに近い役割を持っています。
難解な専門用語も多い医療のことを視覚的に認知できるため、医療従事者にとっては説明の負担が減り、患者にとっては治療や手術についてより納得して受けられるメリットがあります。
③ 建設・設計業界でのプロモーション
建設会社や設計事務所では、クライアントや建物を利用してくれそうな人に建物の完成予定の姿をアピールするのに3DCGが使われています。
平面図では伝わりづらい空間的・立体的な情報を共有しやすくなるだけでなく、周囲の風景との合成等でより実際に近い形で建物の建つ様子をイメージしてもらうことも可能です。
④ 宝石加工業界でのプロモーション
宝石加工のプロモーションでも複雑なカットや独特の輝きを伝えるために、3DCGを用いることは多いです。
商品カタログだけでなくオーダーメイドの物を発注する際のデザイン作成用のシミュレーターなどで3DCGが使われています。
3DCGを作成する時の3つの注意点
美しく仕上がった3DCGは見る人の印象に残りやすいですが、ある程度のクオリティを実現させるには注意点も多いです。
① イラストと3DCGを混合しない
技術が十分でないのに無理に3DCGを作成しようとすると、結果として2Dのイラストよりはるかに見栄えの劣るものが出来上がることはよくあります。
人の動きや洋服の揺れ方などを2Dアニメのように表現しようとすると、デフォルメが入ってしまい不自然な見た目になりやすいです。
リアルさを追求しようとしても、一部の仕上がりが不十分だと全体を見ても現実味がなく見えてしまうのが3DCGの難しさといえるでしょう。
② 光と影の入れ方に注意する
ライティングやシェイディングといわれる3Dモデルへの光の当て方や影の作り方は、3DCGを作るうえで大きな難関の一つです。
例えば光沢のある新車のモデルを作ろうとしても、反射設定がうまくいかなければテカりがきつい車体に仕上がってしまいます。
3DCGの制作ツールはどの種類の光をどこから当てるか自由に設定できるのですが、初心者にとってはかえって3DCGが難しく感じる要因となります。
③ 流体の表現が難しい
機械や建築物など人工的なものを表現するには3DCGは適していますが、波や水しぶきなどといった流体の動きを表現するのは3DCGにとって最も苦手な分野だといわれています。
ものによっては途方もなく複雑で細かな動きとなるため、水や空気の流れを描いた数秒間の動画でも、よりリアルに仕上げようとするとかなりの制作期間を要することとなります。
また流体のシミュレーションを3DCGに取り入れると容量が大きくなりやすく、処理が重くなる点も考慮しないといけません。
3Dコンテンツはメリットが多いがハードルもある
3DCGをプロモーションに活用することで、製品をリアルな姿で再現できるだけでなく、製品の構造やプロセスを見せられたりVRなどのコンテンツと連携できたりといった様々なメリットが期待できます。
実際に自動車製造など製造業や加工業の場では、様々な理由から3DCGがプロモーションのツールとして使われています。
しかし3DCGは制作環境を整えたり十分な人材を用意したりするのが大変で、その後もリアルさを追及しようとしたらかなりの技術をスタッフに求めることになります。
弊社ではプロのスタッフによる3DCG制作事業を行っています。
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