インターネットを使った販促手法が広がりをみせる中、有効な販促手法として根強い人気を持つダイレクトメール。
ダイレクトメールにはターゲットの属性に合わせて柔軟かつ直接的に情報発信ができるだけではなく、効果検証もしやすいというメリットがあります。
今回は、そんなダイレクトメールの作り方や、ダイレクトメールに記載すべき項目、ダイレクトメールの効果を高めるコツなどを解説します。
ダイレクトメールの作成時にぜひご参考にしてください。
ダイレクトメールの作り方を5ステップで解説
ダイレクトメールは場合によってはターゲットに読まれることなく捨てられてしまう可能性もあります。
ターゲットに読まれ、なおかつターゲットの心を動かすダイレクトメールにするためには、次の5つのステップに分けて丁寧に作成することが大切です。
作り方のステップ1:送る目的を明確にする
まずはダイレクトメールを送る目的を明確にしましょう。ダイレクトメールを送る目的としては「休眠顧客の掘り起こし」や「新サービスの案内」「キャンペーンの告知」などが挙げられます。
伝えたい情報が複数ある場合でも、1通のダイレクトメールには1つの目的というように心がけましょう。
盛り込む情報が多くなると内容が複雑になり、ターゲットの注意を散漫にし、かえって情報が伝わりにくくなってしまいます。
作り方のステップ2:ターゲットを設定する
目的が明確になったら、ダイレクトメールを送るターゲットを設定します。ターゲットを設定することで、アピールすべきポイントや伝えるべき内容が考えやすくなります。
ターゲットの年齢層や性別、居住地、年収などはできるだけ具体的にイメージしましょう。顧客情報から顧客の傾向を分析することも有効です。
作り方のステップ3:記載する内容を考える
目的とターゲットが明確になったら、実際にダイレクトメールに記載する文章を考えます。文章を考える際は、顧客全体ではなく、ターゲット一人に向けて書くことを意識しましょう。
たとえば「お客様各位」と書くよりも「〇〇をご利用いただいたお客様へ」「△△をお考え中の方へ」といった表現のほうがターゲットに特別感を与えることができます。
また、売り込む姿勢を前面に出し、商品やサービスの情報だけをアピールするのではなく、商品の購入やサービスを利用することで得られるメリットも記載します。
デメリットと捉えられる内容を記載することでかえって信頼感が得られる可能性もあります。
作り方のステップ4:レイアウトを考える
レイアウトはダイレクトメールの第一印象を大きく左右するものです。一目見て興味を引くように、メインとなる写真はできるだけ大きく配置します。
たとえば化粧品であればパッケージではなくモデルの素肌をクローズアップするなど、写真は商品やサービスそのものでなくても構いません。
多すぎる文章量はターゲットを疲れさせてしまいます。文章はキャッチコピーを含め全体の3分の1程度 にレイアウトするとよいでしょう。
また、人の視線は横書きの場合はアルファベットの「Z」、縦書きの場合は「N」 の字を描くように上から下へと移動するといわれています。
重要度が高い順に上から情報を配置することを意識してみましょう。
作り方のステップ5:発送後に効果検証をする
ダイレクトメールは効果検証がしやすい販促手法です。発送をしてただ反応を待つのではなく、そのダイレクトメールでどれだけ効果を得られたかを検証しましょう。
ダイレクトメールの発送後にターゲットが行動を起こす割合を「反応率」と呼び、反応率は「反応があった件数÷発送したダイレクトメールの総数×100 」で算出することができます。
効果検証のための計算方法には、このほかにも「コンバージョン率(成果を導いた件数÷発送したダイレクトメールの総数×100)」や「CPR(ダイレクトメール発送にかかった総費用÷反応があった件数)」などがあります。
ダイレクトメールに記載すべき項目
ダイレクトメールには以下の6つの項目 を記載することが一般的です。
- キャッチコピー
- あいさつ文
- 商品やサービスの紹介文
- ベネフィット
- オファー
- 問い合わせ先
ここからはそれぞれの項目について解説します。
キャッチコピー
キャッチコピーはターゲットに興味や関心を抱かせる一言である必要があります。
目的に合わせて次のような短い言葉を考えましょう。
- 「今だけ!〇%OFF!!」
- 「先着〇名様限定!特別価格△△円でご提供」
- 「1日わずか〇分で~」
- 「お客様満足度◯◯%」
- 「ご要望にお応えして、ついに△△が登場! 」
このように、ターゲットの利益につながるような言葉であることが大切です。
あいさつ文
あいさつ文は、本文の冒頭に来る一文です。
「〇〇のご案内」「突然のご案内失礼いたします」といった形式的なものよりも、「〇〇にお悩みではありませんか?」「△△様限定のプランをご用意しました」など、ターゲットに語り掛けるような表現のほうが興味や関心が抱かれやすくなります。
商品やサービスの紹介文
商品やサービスの紹介文は、ただ淡々と説明をするのではなく、商品の発売に至った背景や、サービスが誕生したきっかけなどを交えましょう。
ストーリー性のある文章のほうが、ターゲットが親しみを持ったり感情移入しやすくなったりします。
ベネフィット
商品やサービスを手にすることによって、ターゲットにどのようなベネフィット(利益)がもたらされるかを説明します。
「(商品を購入することで)〇〇代を△%節約」「(サービスを利用することで)〇〇のストレスから解放!」など、ターゲットが得られるベネフィットがイメージしやすい表現を考えてみましょう。
オファー
オファーとは、ダイレクトメールを受け取ったターゲットが「買ってみよう」「利用してみよう」と行動に移すための後押しとなるものです。
ダイレクトメールでは「割引」「プレゼント」「キャッシュバック」「返金保証」などのオファーが多く使われています。
問い合わせ先
たとえキャッチコピーからオファーまでの内容が魅力的であっても、問い合わせ先がはっきりと記載されていなければ効果は半減してしまいます。
全体を見たときにすぐに問い合わせ先とわかるよう、はっきりと目立つように問い合わせ先を記載することが大切です。
ダイレクトメールの効果を高めるコツ
ダイレクトメールはちょっとした工夫でその効果を大幅に高めることが可能です。
ダイレクトメールの効果をより高めるために、次の3つのポイントも意識しましょう。
一文をシンプルにする
ダイレクトメールは、3秒以内 に内容がわからなければ読まれないともいわれています。
長い文や難しい言い回し、同じ言葉の繰り返しは避け、できるだけシンプルな一文を心がけましょう。
数字を交えた具体的な内容にする
「前代未聞」「史上最大」など、大げさで曖昧な表現は信頼性を損ねてしまいがちです。
「〇%のお客様が」「△△名が合格」など、できるだけ数字を交えた具体的な表現を用いましょう。
「レタス○個分の食物繊維」「〇〇の3人に1人が」のような、ターゲットがイメージしやすい表現も効果的です。
発送のタイミングに注意する
ダイレクトメールを発送するタイミング は開封率を大きく左右します。
- 新生活が始まる1月・4月・9月
- ボーナス前の5月後半・11月中旬
- 週の始まりの月曜日
- 時間に余裕が持てる週末
このように、ターゲットが興味を持ちやすい時期や読まれやすい時期をイメージして発送してみましょう。
ターゲットを意識した効果的なダイレクトメールを
Webマーケティングに力を入れる企業が増える中、ダイレクトメールという販促手法は一見アナログな手法に思えるかもしれません。
しかし、今回ご紹介したようにターゲットをきちんと設定し、計算されたダイレクトメールには集客や売り上げに高い効果をもたらす可能性があります。
効果的なダイレクトメールには、経験に裏付けられたさまざまなテクニックがちりばめられているものです。
一度だけの作成・発送だけで判断せず、効果検証を繰り返しながら、効率的かつ効果的なダイレクトメールの作成を目指していきましょう。
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