国内最大のアートブックフェア、東京都現代美術館で数年ぶりの通常開催。
去る11/23(木・祝)〜26日(日)に東京都現代美術館にて開催されましたTABF(TOKYO ART BOOK FAIR)2023に行ってきました。
毎年開催される国内最大規模のアートブックフェア、入場規制も緩和され、海外出展者も入場者も国際色豊か、会場内では外国語の会話が目立つ瞬間もあり、とても文化的で大盛況。
本気のTABFとはこういうモノなんだと実感しました。
TABFは「写真集、詩集、作品集などあらゆる冊子表現の坩堝」
本気で開催の今会期、前年までのコミカルな表現や雑貨系の出展が大幅に減っています。
凝った形態・表現の冊子を真剣に発信していきたいという出展者の気概を感じます。
また時勢を意識してLGBTQ関連出版のブースも多数あり、マイノリティとしての主張を出版を通じて真面目に発信している姿勢が感じられました。
そして特集地域が「北欧の出版表現」ということでムーミンの国発、普段あまりなじみのない「北欧のマイクロ出版」エリアが熱かったです。
中でも森の中の一本の木を銀盤写真で定点撮影した写真集が秀逸で、乾板を入れるホルダーを模したケースにフチ銀箔加工をした写真集が納まる仕様のアートブックが素晴らしかったです。
厚紙の本、円形の冊子、驚いた鞄型アートブック!
私たち美術印刷のチームは毎年TABFに何かヒントを求めて視察に行っています。
今年も厚紙だけの冊子や円形の本、1点モノの鞄型アートブックなど「これも本、作品集なんだ!」という表現に出会いました。
どれも「その形態、その表現、この色合い、この素材」が表現にとって最適であるとの見立てで実体化した本達です。
作り手としては、そのバックのストーリーや実現性へのせめぎ合いがイメージされます。
アートと表現。その具現化をサポートする。
毎年、本物のアートの企画展もあるTABF。
本年はホンマタカシのキノコの写真作品、そして清里現代美術館コレクションからのフルクサスとヨーゼフ・ボイスのポスターやエフェメラが展示されていました。
思いがけず出逢ったフルクサスとボイス。
メディアアートや社会・環境アート的なコンセプトを50年ほど前から展開していた先駆性に改めて気付きを得ました。
過去から現在まで、アート表現をサポートする為に印刷・出版・製本の技術は欠かせません。
私達も「美巧彩」という美術印刷ブランドで、図録・作品集、デジタル小ロットZINE印刷、ジークレー複製画をサポートしています。
セッションを重ね共に制作し、アーティストの想いを表現した特別な1冊を世の中に送り出しています。
まずはお気軽に問い合わせ頂ければと思います。
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