日本は何十年、何百年と続く老舗会社が世界一多い国といわれています。
先行きの見えない世の中で会社を長年経営し続けるのは計り知れない努力や苦労のたまもの、10年目や20年目といった節目となる年にはこれまで頑張ってきた歩みを振り返りながらしっかりとお祝いしたいもの。
誕生日を祝うように何か特別なことができれば、人々の記憶に残る素晴らしい周年記念となるでしょう。
一方でコロナ禍や育休の定着によりリモートワークが普及したことなどが影響して、従業員同士の社内コミュニケーションはどんどん薄くなってきているといわれています。
インナーコミュニケーションを活発にして社内の人間関係を良好にすることは、従業員の流出防止や作業の効率化などにいい影響が出るかもしれないので軽視できません。
そんなインナーコミュニケーションを強化する施策として会社の周年記念を活用する方法について、手段の一つである周年記念誌を中心にお伝えいたします。
周年記念誌の「本」ならではの利点
アルバムや写真集のように書籍として出す周年記念誌には、紙媒体ならではのメリットが複数あります。
① 体感を通じて情報を認知してもらえる
実際の書籍を持ってページをめくりながら読むことで、読者は周年誌の内容を手触りや重みなどの体感とともに認知します。
WEBコンテンツの閲覧に比べて読書は、より手や指を使って読むことで情報が入りやすいともいわれています。
2019年に昭和大学が行った実験では、電子端末に比べて紙媒体の本のほうが記憶が定着しやすいことがうかがえます。
実験の内容は34名の学生にある小説を紙媒体かスマートフォンで読んでもらい、その後小説の描写について10問質問するというもので、紙の本で読んだグループはスマホで読んだグループよりも平均点数が1.5点ほど高い結果となりました。
またスマホやPCで見る時のように、メールなどの通知が入り込んで閲覧がさえぎられることもなく、じっくり集中して読んでもらえるのも書籍のメリットといえるでしょう。
② 会社の歴史資料として長い間保管できる
これまでの歴史を周年誌として書籍にまとめることは、会社のあらゆることをすぐに調べられる資料をつくることといえます。
周年誌を手元においておけば、昔の会社について知りたくなったときにネットで検索するよりもすぐに深く調べられて利便性も高いです。
こうした資料をずっと保管しておくことで業界全体にとっても財産となり、会社の持つ技術や製品の伝統性も上がりやすくなります。
またWEBコンテンツのように長期間更新していないことなどで中身が削除されることはないですし、WEBページの乗っ取りや内容の改ざんなどのセキュリティ上でのリスクもありません。
こうした特徴から紙媒体とWEBコンテンツを両方導入して、一つの資料を互いにバックアップしあうようにして保管するといった仕組みも可能です。
③ 社外関係者に会社の情報や考えを共有できる
周年誌は普段、知ってもらう機会の少ない会社のことを伝えられる有益なツールといえます。
そのため、会社の関係者に日頃の感謝を表す記念品として周年誌を贈るのも効果的です。
周年誌を通じて社内外に会社の歴史を紹介することで、創業の古い会社ほど伝統や格式を読者に印象付けてブランドイメージを向上させられます。
また、会社の歩んだ歴史を物語のように紹介することで、読者の共感を得やすく会社自身の好感度にも良い影響が出やすいです。
その他にも、これからの会社のビジョンについて触れることで読者に企業の将来性を感じてもらえれば、ESG投資などへとつなげる効果も期待できます。
読まれる周年記念誌を制作するポイント
記念周年誌について制作する際に何に気を付ければよいか、いくつかポイントをまとめてみたいと思います。
① 写真やイラストを積極的に見やすく掲載する
読者の知らない情報は文章だけではどうしても伝わりにくいものです。
よほど表現力に長けている方でない限り、言葉だけで状況や感情をそのまま伝えるのはかなり難しいことです。
過去作られた社史などの資料から写真素材をそのまま借用できそうなら、積極的に掲載してみましょう。
社内の人もほとんど知らない会社の姿が共有されれば、より読者の関心をひきつけられる周年誌となるでしょう。
周年誌の全体的にコンセプトがある場合には、写真やイラストも逸脱しないよう利用する素材には一貫性を持たせるのもよいかもしれません。
またただ画像を掲載するだけでなく、読みやすさや見やすさを意識したレイアウトを遵守することも重要です。
読者が目を通すときの視線の動きを考慮しながら画像を配置してみましょう。
② あらゆる方向にアンテナを張って情報を集める
会社の歴史について調べるときは、社内の資料だけでなく新聞や雑誌など外部のメディアを駆使してあらゆる方向から情報を集めることが重要です。
創業の古い会社であれば、地元の図書館や公共施設にすでに社史などの蔵書がある可能性もあります。
また社長やプロジェクトリーダーなどが出ているインタビュー記事なども情報源として大いに活用できます。
とはいえすでに廃刊になっている書籍なども多く、すぐにいい感じの資料が見当たらないこともあるかと思います。
この場合には国立国会図書館もしくはそのデジタルライブラリーで自社に関する内容の資料がないか検索してみるのもおすすめです。
検索結果によっては戦前のニュース映像など貴重な情報源も引っかかるかもしれません。
③ 未来への目標やビジョンも具体的に記述する
周年誌で大事なのは過去の話だけではありません。
これまでの略歴を受けて会社がこの先、どう活動していきたいか明記することで、より会社の力強さや将来性をアピールできるでしょう。
社内で周年誌を通じて会社のビジョンが共有されれば、従業員の業務に関する共通認識が強まり、作業をもっとスムーズにできるかもしれません。
過去の会社の業績や企業努力を根拠にして、将来再び尽力すれば目標を達成できるというような書き方ならば違和感なく会社の歴史を振り返りながら、将来に向けて進む会社の姿を自然に伝えられるでしょう。
会社の連帯感やブランド力のアップにつながる周年記念誌
企業が10周年、20周年などと〇〇周年をむかえた際には、ぜひとも記念で何か特別なことをしたいもの。
特に会社の情報を末永く記録として残せる点や、社内外に会社の深い情報を共有できる点などから周年記念誌をおすすめします。
もし実際に周年記念誌を作成するという場合は、以下の点が重要です。
- 写真やイラストなどの画像は見やすさ重視で積極的に掲載する
- 周年誌に記載する内容は社外の資料も活用して幅広く集める
- 会社の将来の目標やビジョンを具体的に記述する
しかし情報を深く調べていったり、原稿や画像などの素材を準備したり、デザインやレイアウトを決めたりと周年誌の制作は作業量が多くなってしまい、通常の業務と兼任して進めるには負担がかなりかかってしまいます。
そこでプロの製作チームなどにお願いして、一緒に制作作業を進めていくのも手です。
弊社では周年誌の制作に関して、企画や写真撮影などの作業をまとめて引き受けてお客様とともにつくるサービスも承っています。
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