「無理なく脱炭素化に取り組めるメソッド」
ESG経営の概念も一般化してきた現在、企業のサステナビリティ向上に向けた取り組みはブランドイメージにつながる無視できないものとなっています。
特に脱炭素化に関してクリーンエネルギーを使った製品の開発や、生産拠点の省エネ化など世界中で様々な取り組みがみられています。
そのような大がかりなことはできないものの、少しでも「環境にやさしい企業」であることをアピールしたい…そんな方におすすめなのが「カーボンオフセット」です。
「カーボンオフセット」ならではの特徴
カーボンオフセットとは、日常生活や経済活動でどうしても発生してしまうCO2を出した分だけのクレジットと呼ばれる排出権を購入して相殺することです。
クレジット購入に支払われた金額は植林活動や省エネ設備の導入など脱炭素化に対する取り組みに活用されます。
CO2削減の取り組みは世界各国で行われていますが、私たちの暮らしを持続させるには電力や工業製品の大量生産は必要不可欠です。
印刷業は日本各地で数多くの工場が稼働していることから、比較的CO2の排出量の高い業種といえます。
本を印刷する場合には用紙の大きさやページ数にもよりますが、目安としてA4サイズで64ページの書籍では1部あたり1kg以上のCO2が発生するといわれています。
世界中の印刷工場で一日に数えきれないほどの印刷物が製造されていると考えると、それだけCO2の排出量も多くなることは容易に想像できますね。
印刷業界でも脱炭素化の取り組みは前々から行われており、一般社団法人 日本印刷産業連合会では業界全体のCO2排出量を2013年度比で55.7%削減して、65.0万トンまでおさえることを2030年度までの目標としています。
この脱炭素化に関する取り組みの一環として、印刷業界でも一般社団法人 日本水なし印刷協会(日本WPA)によるJ-クレジットの取引が行われています。
J-クレジットは2013年に経済産業省・環境省・農林水産省の三者により運用をはじめたクレジット制度で、全国の400以上の企業や団体などの活動を支援するのに活用されています。
カーボンオフセットを利用するにはまず現在、印刷物を発注するのにどれだけCO2を排出しそうか見積もってクレジットの購入予算を算出します。
日本WPAではPGG(Printing Goes Green)というソフトウェアを使って、Scope3(製品の製造において自社が関わった部分以外の工程で発生したCO2の発生量)も含めた印刷物のサプライチェーン全体でのCO2排出量を割り出しています。
そのため印刷や製本などの作業だけでなく、印刷資材(用紙・インキ・版など)の製造から完成した印刷物の運搬、最終的な廃棄処分まで印刷物に関わっている全てのCO2排出量を算出できます。
CO2排出量をもとに日本WPAを通じてカーボンオフセットを購入、カーボンオフセット証明書を発行いたします。
「カーボンオフセット」ならではの3つの強み
① コストをおさえて森林保全に貢献できる
カーボンオフセットは環境のための取り組みが実施しづらい中小企業でも、クレジットの購入で気軽に脱炭素化を支援できるのが特徴です。
省エネ性の高い機材や設備を導入しようとすると莫大な費用がかかってしまい、CO2削減のために工場などの稼働を縮小すれば会社の利益が損なわれてしまいます。
カーボンオフセットなら1トン単位でクレジットを購入できるうえ、1トンあたりのクレジットも数千円程度なので金銭的な負担もおさえられやすいです。
② 地方の活性化や復興に貢献できる
J-クレジットには地方の企業や自治体が発行するものも多く、中には地域の活性化につなげられるものもあります。
全国の様々な市町村でJ-クレジットが創出されているため、企業にゆかりのある地域のクレジットを購入することも可能です。
また災害で大きな被害が出た自治体のクレジットを購入することで、復興支援することも可能です。
例えば宮城県の複数の自治体では、カーボンクレジットの収益により山林の復旧を実施しており、持続可能な林業の促進や木材の地産地消による市街地の復興へとつなげています。
③ 環境に優しい企業の姿をアピールできる
カーボンオフセットの導入はISO 14064-1(組織における温室効果ガス算定のルール)の国際規格に適合するため、国内外に脱炭素化に取り組んでいる自然環境に優しい企業であるとアピールできます。
またJ-クレジットは省エネ法や地球温暖化対策推進法といった国内の規制法だけでなく、CDP・SBT・RE100といった国際的なイニシアチブに向けた報告内容として活用できます。
そのためカーボンオフセットを導入することは、国内外の投資家達にESG投資を促せる効果も期待できます。
2023年10月には東京証券取引所の公式サイトにクレジットの取引専用のプラットフォームが開設されたほか、同年には世界中のカーボンオフセット市場の規模が1兆ドルを超えるなど、実際に投資家達のカーボンオフセットへの注目度は年々高まっているといえるでしょう。
「カーボンオフセット」で実現できるこんなこと
「環境に配慮した証明を印刷物に明示したい」
カーボンオフセット制度を活用して印刷発注を行った会社には証明書が贈られるだけでなく、印刷物に自治体などが発行するカーボンオフセットバタフライロゴを記載できるようになります。
このロゴには印刷物一部あたりのカーボンオフセットによるCO2削減量が明記されており、脱炭素化にどれだけ寄与した印刷物であるか一目でわかるようになっています。
「地方活性化をなんらかの形で支援してみたい」
地方の企業や自治体が創出しているJ-クレジットを購入することで、環境保護だけでなく林業の活性化や復興の支援など様々な形で地域振興に協力できます。
実際にJ-クレジットの内容には工業地域への省エネ設備の導入やバイオマス燃料を利用した温泉開発など産業インフラにかかわるものも少なくありません。
どこでどんなJ-クレジットが創出されているかは環境省や各自治体の公式サイトでチェックできますよ。
「カーボンオフセット」なら負担なく社会貢献に携われる
カーボンオフセットは、印刷事業などでどうしても削減できないCO2の排出量をクレジットの購入により相殺(オフセット)する制度です。
日本では環境省などが運用しているJ-クレジットが主なものとしてあり、森林保全だけでなく省エネ導入や被災地復興の支援など社会的な取り組みに関するものもあります。
印刷業界では日本WPAによるカーボンオフセットの取引が行われており、1トン単位で売買できることから少ない費用からでも始められます。
カーボンオフセットの証明は国内外の環境基準を満たせるため、サステナビリティに配慮した企業の姿を社外に見せるのにちょうど良いといえます。
東洋美術印刷のカーボンオフセットに関するサービスについては、本社サイトの関連サービスもご覧ください。
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【PDF】 カーボンオフセット価格表 カーボンオフセットをおこなった印刷にはいくらかかるのか価格の目安をまとめました。 | |