少し前に、「地味にスゴイ!校閲ガール」というドラマの中で石原さとみさんが校閲担当者の役を演じていました。
その時もそうですが、校閲というと赤ペンを持って原稿用紙にビシバシ修正を入れてくというイメージがありますよね。
ですが、現在「オンライン校正」という新たな校正のシステムが普及しつつあります。
今回は紙の校正と比べたオンライン校正の特徴を中心に紹介していきます。
校正とは「原稿の修正部分を指摘してあげる作業」
校正とは、原稿の文章やデザインに誤りがないか確認し、訂正を入れる作業のこと。
間違いや修正が必要なところを発見したら、校正記号を入れてライターやデザイナーに送り返します。
校正記号の種類は日本工業規格(JIS)で定められているので、誰が見てもきちんと修正内容がわかるようになっています。[注1]
校正記号に関してはこちらの記事も見てくださいね。
一般的に最初に行った校正は「初校」と呼ばれ、それから校正の回数を重ねるごとに「2校」「3校」と呼ばれています。
オンライン校正ならクラウド上で共有・操作が可能
オンライン校正では、原稿をPDFやPNGなどのデジタルファイルで保存して、オンライン上で共有して複数名で校正を行います。
GoogleやYoutubeなどのサービスと同じように、パソコンとネットに接続できる環境さえあれば、ログインするだけで校正を始められる手軽さが最大の魅力です。
特徴 ①:場所を問わず利用できる
オンライン校正最大の特徴は、インターネット環境とパソコンさえあれば、どこにいても校正の作業ができる点です。
オンライン校正なら、自宅や出張先からでも、通勤等の移動中でも、時と場所を選ばずにサクッとチェックできます。
また特定のソフトウェアのインストールが不要なので、自宅のPCなどからでもログインするだけで使えます。
機材をオフィス外に持ち運びたくないという方にもぴったりですね。
特徴 ②:複数のアカウントで同時にログインできる
複数のアカウントで同時にオンライン校正のシステムにログインすることで、離れた場所にいる複数の担当者が同時に校正できます。
またコメント機能などを利用して、複数の担当者がリアルタイムで指示出しできるほか、誰がどの指示を出したかも明確化できるので、校正の指示内容が多くなっても安心ですね。
特徴 ③:パソコンの操作が苦手でも扱いやすい
オンライン校正のシステムはビジュアルベース、校正の進捗状況などカレンダーを分かりやすく表示するなど、視覚的に情報を把握しやすく、パソコンの操作が苦手な方でも直感的に操作できます。
また校正ファイルの送信や完了報告などの手順を自動化できる機能もあり、操作に慣れない方でも作業ミスする危険性を低くおさえられます。
特徴 ④:校正の作業効率をぐっと上げられる
オンライン校正はネットを通じて素早いデータのやり取りが可能です。
データを入稿して校正を依頼した時点で、すぐにチェックできます。
さらに校正の内容をオンラインで直接確認して素早く修正に取り掛かれるので、原稿の作成にかかる全体の待機時間を大幅に削減できます。
また修正後の変更点なども検版機能で楽に確認できるので、修正漏れや確認の見落としが起こる危険性も大幅に減らせます。
特徴 ⑤:過去の校正履歴がすぐに確認できる
オンライン校正なら、データ入稿、担当者間のメールのやり取り、進捗状態、スケジュールなどの業務情報を一括管理できます。
誰がいつどの作業を行ったのかも細かくチェックできるため、制作や営業などの作業負担も軽減しやすくなります。
校正したファイルはクラウド上に保存されるため、管理の手間も省けますよ。
他にもオンライン校正のシステムの中には、プリフライト処理という機能が搭載されているものもあります。
これは印刷に適したデータかチェックしてくれる機能です。
オンライン校正なら効率よく作業が進められる!
コロナが収束したとしても、今後テレワークを引き続き実施する企業は多いといわれています。
だからこそ、出版社や印刷会社などにとっては自宅でも外出先でも校正に携われるオンライン校正のシステムはぴったりですね。
校正作業自体もスムーズに進められるため、残業や長時間労働も減らせて労働環境の改善にも役立てそうです。
・関連資料のリンク
[注1] JIS Z 8208:2007 改正 印刷校正記号一覧
[注2] SCREEN社:EQUIOS Online
・関連サービス:オンライン校正システム