こんにちは、ようちゃんです。
突然ですが印刷にもラジオのようにAM/FMの違いがあるのってご存知ですか?
どちらのやり方を使うかで、印刷したときの仕上がりも変わります。
印刷のAM/FMもラジオのものに仕組みが似ていることから名づけられたのですが、そもそもラジオのAM/FMの違いも分からないって人も多いんじゃないでしょうか。
そこで今回はAMとFMの違いから印刷の仕上がりにどう差が出るのか解説いたします!
AM/FMの違いは「波の伝え方」
AM/FMの説明に行く前に、まずは簡単にラジオの仕組みをまとめます。
ラジオは音声を電気信号、さらに電波の形に変換して中継して流します。
ただし音声を搬送波という電波として送信するにはある程度高い周波数が必要なので、電気信号を高い周波数に変調してあげないといけません。
この変調の一般的な方法がAMとFMです。
AMは振幅変調(Amplitude Modulation)の略で、搬送波の強弱(振れ幅)を調節させて音声信号を変調させる方法です。
搬送波の密度(周波数)は常に一定になります。
一方、FMは周波数変調(Frequency Modulation)の略で、搬送波の疎密(周波数)を調節させて音声信号を変調させる方法です。
搬送波の強弱(振れ幅)は変わりません。
印刷のAM/FMの仕組みは、ラジオのAM/FMの変調方法に似ていることから名づけられました。
印刷のAM/FMの違いは「網点」
印刷にはAMスクリーンとFMスクリーンというものがあります。
両者の違いは網点という色調や濃淡をあらわすインキの小さな点の並べ方です。
AMスクリーンによる印刷では、規則的に並んだ網点の大小で色調や濃淡を調整して表現しています。
一方、FMスクリーンによる印刷は、同じ大きさの網点は不規則に配置されて配置の密度により色調や濃淡を表現しています。
それぞれ印刷したときの仕上がりや見た目の印象が異なるため、用途にあわせて2つの印刷方法が使い分けられています。
AMスクリーン印刷は「くっきりした仕上がりになる」
AMスクリーン印刷は色のメリハリをはっきり出せるため、印刷物が遠くからでも認識しやすく鮮やかに見えるのが特徴です。
そのためビジュアルでのインパクトが必要な看板やポスターなどの印刷に用いられます。
また網点の配置がシンプルな分、印刷環境で仕上がりに差が出にくいのも特徴です。
ただし規則的に網点がおかれるため、見る角度によっては錯覚でモアレと呼ばれる縞模様が出てしまいます。
FMスクリーン印刷は「なめらかな仕上がりになる」
FMスクリーン印刷はなめらかで自然なグラデーションを表現できるので、より臨場感の出る印刷ができるのが特徴です。
そのため至近距離でじっくり読まれる書籍やパンフレットなどの印刷に用いられます。
またどの角度でもモアレやロゼッタが発生しないのも特徴です。
ただし網点がランダムに配置されるため、初回と2回目の印刷時で色が微妙に違って見えるなど場合によって色の濃淡にムラが出てしまいます。
はっきり見せるなら「AMスクリーン」リアルに見せるなら「FMスクリーン」
印刷のAMスクリーンとFMスクリーンの違いをざっとまとめると以下の通りです。
特徴 | 利用対象 | |
---|---|---|
AMスクリーン | ・色調や濃淡が鮮やかに表示される ・色の再現性が高い | ・看板やポスターなど ・複数回印刷される予定のあるもの |
FMスクリーン | ・色調や濃淡が滑らかに表示される ・色の再現性が低い | ・書籍やパンフレットなど ・再販される可能性の低いもの |
どちらの方法を用いればよいかは、印刷物の種類やターゲットによって変わります。
東洋美術印刷では、両者の強みを活かしてニーズにかなう印刷サービスを提供しています。
印刷を発注するときに、検討してみてくださいね。
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