テレワークやリモートワークが普及したことで仕事と家事育児の両立が容易になったといったメリットがある一方、社内のコミュニケーションが疎遠になって業務の連携などに支障が出るなどのデメリットも見られます。
こうした社員同士の情報連携を行う上でヘルプツールとして役立つのが、自社社員に対し企業のブランド価値を発信していく「インナーブランディング」です。
この記事ではクレドカードやサンクスカード、社内報、社内SNSなどの実例を交えながら、インナーブランディングの目的や効果を説明いたします。
インナーブランディングとは?自社社員を対象として企業価値を浸透させる試みのこと
インナーブランディングは「インナーブランディング」や「インナーマーケティング」とも呼ばれ、社員に企業価値や企業理念を浸透させる取り組みを意味します。
マーケティングにおけるブランディングが、自社の製品・サービスや社会的貢献を消費者にアピールする活動であるのに対し、インナーブランディングは自社社員を対象としているのが特徴です。
インナーブランディングの目的は、会社を内側から変革する点にあります。
社員全員で会社の目指すべき方向や価値を共有し、組織風土や企業文化を育て、組織力を向上させるのがインナーブランディングの目的です。
特に社員が消費者と直接関わる観光業・宿泊業・飲食業などの業界では、サービス品質の向上や、コンプライアンスの徹底を目的として、インナーブランディングが積極的に取り入れられています。
インナーブランディングの3つの効果
インナーブランディングには3つの効果があります。
インナーブランディングに用いられる具体的な施策と関連付けつつ、3つのメリットを説明していきます。
① 企業活動の指針となる「クレド」を浸透させる
クレド(Credo)とは企業の目指すべき方向や価値を具体化し、行動指針としてまとめたものを指します。
インナーブランディングを実施することで、社員1人ひとりにクレドを周知して会社組織の一員としてあるべき姿を根付かせられます。
代表的な施策として、クレドを印刷した「クレドカード」が挙げられます。
クレドカードを全社員に配布していつでも見れる状態にすることで、会社の核となる価値やビジョンを浸透させられます。
クレドカードを作成するときは、社員にとって読みやすく共感できるようなメッセージを考案するのが大切です。
② 社員同士の連帯感を高める
インナーブランディングには、まとまりのある会社組織を生み出す効果があります。
企業のブランド価値を全社員が共有することで、社員同士の一体感や連帯感を高められます。
結果として、離職率の低下や優秀な人材の引き止め、社員のやる気やモチベーションの向上といった効果が得られます。
社員の連帯感を高めるインナーブランディングの事例として、「サンクスカード」があります。
サンクスカードとは、日頃面と向かって言いにくい感謝の気持ちをカードに記入し、職場の同僚や上司に手渡す取り組みです。
ポジティブな気持ちを伝え合うことで、お互いの個を尊重する組織風土の醸成につながります。
③ 社内の情報交換やコミュニケーションを促進する
社内コミュニケーションがあまり機能していない場合は、インナーブランディングが解決策です。
インナーブランディングの大切な役割として、社内の情報交換を促進してコミュニケーションを活発化させることが挙げられます。
例えばインナーブランディングの種類に「社内報」「社内SNS」といった手法があります。
社内報とはWebページや紙面といった媒体を通じて、会社の業績や取り組み、経営者の想いなどを発信するツールです。
社内報を作成することで、会社として伝えたいメッセージを社員全員に直接伝達できます。
また、「社内SNS」の導入企業も増えています。
多くの企業でリモートワークが定着したことで、社員同士のオンラインでのコミュニケーションも増えました。
社内SNSを通じ、社員同士がいつでもやりとりできる環境をつくることで、社内コミュニケーションを活発化させられます。
インナーブランディングを実施し、企業価値や企業理念の浸透を
インナーブランディングには、企業価値や企業理念を従業員1人ひとりに浸透させ、組織のまとまりを高める効果があります。
社内の情報交換やコミュニケーションを促進するうえでも、インナーブランディングは効果的です。
社内SNSや社内報の作成、クレドカードやサンクスカードの導入など、インナーブランディングの手法を取り入れましょう。
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