【事例記事】デジタル印刷による「白書」のカラー化により、コンテンツの価値を向上

【事例記事】デジタル印刷による「白書」のカラー化により、コンテンツの価値を向上事例紹介

事例の概要

導入前の課題
デジタルメディアに合わせ、モノクロ印刷の白書もカラー化が必要だった。
導入後の効果
1. デジタルメディア同様に図やグラフがカラーで分かりやすくなった。
2. CMYK+RGBの混在入稿による、デジタルファーストの考えを印刷に反映できた。

 

Q JAGATについて

JAGATは公益社団法人日本印刷技術協会(略称・JAGAT、ジャガット:Japan Association of Graphic Arts Technology)の略称です。
 
二代目会長の塚田益男氏が創設しました(初代会長は新村氏)。当時アメリカにはGATF(ガトフ)という印刷の研究開発の機関があり、そこを意識して、日本でもそういう組織を創りたかった。単なる組合ではなく技術的な研究や教育機関としてJAGATを創設しました。
 
啓蒙教育をかねて書籍出版や定期購読雑誌、印刷白書を発行するようになり、現在はほとんどの出版物をカラー化してデジタル印刷で製作しています。

 

Q 「印刷白書」について

印刷白書の創刊は1994年2月です。それまでは印刷関係の数字、統計数字をまとめてある書物はどこにもありませんでした。
 
JAGATはもともと3つの研究会がありましたが、そのうちの一つが印刷マーケティング研究会で、そこが印刷市場の研究結果とその成果を客観的なデータに基づいて業界の展望を明らかにしようという目的でこの白書を作りました。
 
初代の印刷白書はまだバインダー形式で、まさに手作りのものでした。その後書籍化し、年一回発刊しています。他にない資料でしたので、経済産業省も市場動向を図るにあたり白書を頼りにしているようです。JAGATが印刷業界唯一の研究機関であり、その役目としてまとめた資料が印刷白書です。今は業界の皆様や経済産業省に使用いただいています。
専務理事 郡司 秀明様

専務理事 郡司 秀明様

 

Q 「印刷白書」をカラー化・デジタル印刷化した理由

これまで抱えていた課題、認識

これまでの課題として、今まで印刷はモノクロでオフセット印刷でした。なぜなら他の選択肢がなかったからです。しかしJAGAT info(会員紙)を本格的にデジタル化できないか、と検討を始めていました。
 
入稿がJapan Colorにそろえるのが印刷業界では当たり前でしたが、RGB入稿でやってみたいという思いがありました。色合わせは実物の本誌と合わせるのが普通でしたが、今やデジタルの時代です。スマートフォン、PC、タブレットなどのデジタルと色を合わせるためにRGBにしよう、これからはRGB+CMYK混在入稿が一番いいのでは、と思って5社ほど相談、見積を取りました。
 
その際にどのような事がこれからできるかもあわせて相談しました。その中で、東洋美術印刷さんは「一緒になって苦労していきましょう」と答えてくれた。その第一弾としてRGB+CMYK混在入稿を去年一年間やってみました。最初なので、トラブルはもちろんありましたが。(笑)

 

カラー化・デジタル化により確立したかったこと

印刷白書のWEBで見るpdfデータはカラーなのに、印刷された白書がモノクロなのは恰好がつきません。ましてやグラフや図版があるものがカラーでないのは今時ではありません。そういった意味では印刷白書は現在、カラー対応し見やすくなったかと思います。先に申し上げました通り、印刷白書は業界の方や経済産業省の方も確認いただいている資料ですので、カラー化対応することで少しでもわかりやすく、見やすい資料として使用していただけるのではないかと思います。
 
カラー化、デジタル化によって確立したかったことは、デジタルファーストの考え方とCMYK+RGBの混在入稿です。今はスマホ、PC、タブレットなどのデジタルメディアでの情報取得や情報認識が圧倒的です。印刷物もそちらにあわせていくのが世の流れだと思います。その中で、CMYK+RGB混在入稿を目指していきたいです。Japan Colorは尊重しつつ、新しい時代の印刷の姿を模索していきたい。
 
デジタル印刷とアナログ印刷どちらが取り回しがしやすいか、と言われるとハンドリングしやすいのはデジタルです。デジタルでいつでも印刷できる、変更や訂正も臨機応変にできる。白書ではそういうことが大事だと思いました。間違えがあればすぐに直せばいいし、必要部数だけ刷ればいいので。デジタル印刷でも、アナログ印刷でも、一番いいのは少部数でカラーが出せるものです。そうなるとデジタル印刷で自由自在に必要部数を出すことが一番理にかなった方法だと思います。
白黒印刷で出力された図表フルカラー印刷で出力された図表
白黒印刷で出力されたグラフフルカラー印刷で出力されたグラフ

図:モノクロ版「印刷白書2022」とカラー版「印刷白書2023」の比較

 

Q 「印刷白書」のカラー化にあたり、東洋美術印刷に感じたこと

初めてのことにチャレンジする際は、お互いのコミュニケーションを密にすることが大事です。印刷白書のカラー化は今回初めての試みでしたが、色の部分はこちらの思い描くものと東洋さんにご提案いただいたものとでかなりディスカッションを繰り返しましたね。その中でも表紙に関してはたいへん満足しています。
 
以前はこちらの理想とするものがなかなか出てこずに苦労しましたが、今回はデザイン的にもかなりよいと自負しております。東洋さんと制作過程から一緒にできたからこそだと思います。

 

Q 今後の展望とパートナーに期待すること

これからは品質アップにも取り組んでいきたいです。Photoshopのスマートシャープネスで画像の品質を上げたいし、それに挑戦したいです。他にもやりたいことはたくさんあります。
 
JAGATは印刷の未来を考えていきたいです。RGB+CMYKでの印刷方法を模索、ケースバイケースで向いている方式で対応、印刷で楽な指定は何か。全部がRGBでなくてもよくて、例えば色文字はCMYK、絵はRGBで両方いけるなど。印刷白書の入稿データは今後はillustrator、PowerPointなど混在していくはずです。今までは印刷とデジタルが線引きされた世界でしたが、今はその境界線がまじりあってくる。その時にどこがハンドリングできるのか?東洋さんとJAGATで連携してこういう設定がベストだと模索、共有していきたいです。
 
新しい時代、RGB時代の中で印刷をどう活かしていくのか、ということをこだわっていきたいです。東洋さんには、一緒にワークフローをやって、まずはRGB入稿、次は品質アップにトライしていきましょう。

 

(左から) 東洋美術印刷株式会社 藤城 滉朗 公益社団法人 日本印刷技術協会 郡司 秀明

                     (左から)
               東洋美術印刷株式会社 藤城 滉朗
               公益社団法人 日本印刷技術協会 郡司 秀明 様

 

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