デジタルブックとは、書籍や冊子をデータ化してオンライン上で自由に閲覧できるようにするサービスです。
近年ではIoTやDXといった社会全体のデジタル化の流れを受け、デジタルブックを導入する企業や団体も少なくありません。
製造業、観光業、金融業などさまざまな業種の大手企業で使われてきているデジタルブック。
今回はデジタルブックが普及している背景とともに、いろいろな形で使われているデジタルブックの導入事例を紹介します。
デジタルブックについて簡単におさらい
デジタルブックと聞くとKindleやKoboといった電子書籍を思い浮かべる方もいるかもしれませんが、使い方や特徴が大きく異なります。
電子書籍の場合、アプリやビューアーを通じて有料のデータをダウンロードして閲覧するというものが一般的です。
これに対してデジタルブックはHTML5形式を用いてWEBコンテンツの一つとして提供しており、アプリやビューアーをインストールしなくても自由に閲覧できます。
誰でも気軽にアクセスできる点から、デジタルブックはフリーペーパーやマニュアルなど不特定多数の人が読むような冊子のデジタル化に向いています。
また見開きの形でページを表示できるため、地図やフローチャートなど2ページ使って表したものも見やすくなります。
さらにページをめくりながら進んだり戻ったりするエフェクトもつけられることで、はじめての方でも感覚的に操作しやすいことも特徴です。
従来のPDFに比べて速く読み込みやすい点や外部サイトなどへのリンクが貼れる点などから、近年ではデジタルブックをWEBコンテンツとして導入するサイトも増えてきています。
ここからは、実際の導入事例を10個紹介いたします。
デジタルブックを導入した10個の事例
事例その1:東リオンライン
東リはカーペットや壁紙などといった建材を製造している企業で、直営店やショールームだけでなく公式サイトでのネット販売も行っています。
東リオンラインではサイト上で閲覧できる56種類の製品カタログのうち、総合カタログをはじめとした37種類がデジタルブックの閲覧に対応しています。
デジタルブックでは後で再び見直したいところがあれば、しおり機能を付けられるようになっており、一度に複数のカタログを見て比較検討しやすいようになっています。
事例その2:北海道銀行
北海道の地方銀行である北海道銀行は、ネット上で各種振り込みや地方税納付などのサービスを受けられる「道銀ビジネスWEBサービス」を運用しています。
このWEBサービスの利用方法やQ&AなどをまとめたWEBマニュアルを、北海道銀行ではデジタルブック形式で公開しています。
もちろんワードの検索機能も搭載しているため、84ページもあるWEBマニュアルのどこに自分が知りたいことが載っているかすぐに調べられます。
事例その3:京都市役所
京都市の公式サイトでは、市政報告書やデータブック、市民向けの防災・防犯の案内、子育てに関するフリーペーパーなど様々な分野の公報をデジタルブックとして掲載しています。
特に市民向けに毎月発行している「京都市民しんぶん」に関しては、各区ごとのバージョンもふくめて膨大な数のバックナンバーを誰でも見られるようになっています。
文章のコピーもできるようになっており、ごみ出しのルールや防災の心得など普段の生活に関する情報をメモしやすくなっています。
事例その4:壱岐観光協会
長崎県壱岐市は市域がすべて国定公園に指定されており、風光明媚な情景と離島ならではの独自の文化が特徴的な観光資源に富んだ街です。
壱岐観光協会の公式サイトでは観光マップのほかに、バリアフリーに対応したスポットの案内、壱岐の歴史をまとめたパンフレットなどをデジタルブックで配信しています。
デジタルブックはテキストを書き込んだり付箋でメモを残せたりできるため、バーチャル上ながらアナログの冊子を使うような感覚で旅行計画を立てられます。
事例その5:京阪電鉄
大阪と京都をつなぐ大手私鉄会社の京阪電鉄は、沿線のイベントやショッピング、グルメなどの情報を掲載した沿線情報誌「K PRESS」を毎月出しています。
京阪電鉄の公式サイトでは、K PRESSの最新号や過去1年間のバックナンバーを誰でも無料でデジタルブックとして閲覧することができます。
こちらも文章がコピーできる機能があるため、気になったお店や観光スポット、イベントなどの情報をぱっとまとめられるようになっています。
事例その6:東急ハーヴェストクラブ
東急ハーヴェストクラブは東急不動産グループが手がけている会員制リゾートホテルで、会員向けに施設の最新情報などをまとめた「ハーヴェストタイムズ」を毎月発行しています。
東急ハーヴェストクラブの公式サイトでは、2016年1月の創刊号から最新号までハーヴェストタイムズのバックナンバーをデジタルブックで閲覧できます。
デジタルブックとしては珍しい共有機能があるのが特徴的で、ページごとにURLが発行されることで手軽に冊子の見せたい部分へのリンクを共有できるようになっています。
事例その7:立命館大学
京都の名門大学・立命館大学では、校友会の会員向けに大学出身者のインタビュー記事などをまとめた季刊誌「りつめい」を発行しています。
立命館大学校友会の公式サイトでは、2021年1月に発行された283号以降のりつめいのバックナンバーをデジタルブックで閲覧できるようになっています。
ちなみに202号以前のバックナンバーはpdf形式で公開されていて、2ページごとに見開きの状態をpdfにして読み進めるような形になっています。
事例その8:日本政策投資銀行
日本政策投資銀行(DBJ)は経済成長や産業振興を目的として法人や事業主などを相手に融資をおこなう財務省所管の金融機関です。
公式サイトではDBJがこれまで集計してきた日本各地、世界各国の膨大なデータ資料のハンドブックをデジタルブックの形で公開しています。
グラフや表が100ページ以上にわたり細かくびっちり書かれた資料が多いものの、検索機能を使ってどこに知りたい情報があるのかがすぐわかるようになっています。
事例その9:日本中央競馬会
日本中央競馬会(JRA)では、競馬の魅力をより多くの人に広めるためのコンテンツとして競馬場のガイドブックなどの冊子を数多く発行しています。
JRAの公式サイトでは、子供向けに生き物としてのウマの特徴をわかりやすく説明したマンガや、今年デビューした新人騎手も含めた騎手名鑑をデジタルブックで公開しています。
デジタルブックとして表示することで、実際のレースや競走馬の写真がより色鮮やかで明るい印象に映っています。
事例その10:Punini(プニーニ)
Puniniは観光地やイベント向けにOEM商品として菓子を製造する昭宝製菓が、金沢の繁華街にオープンしたスイーツショップです。
2024年7月には開店1周年を記念して、Puniniの公式サイトでは店頭で売られているチョコレートを擬人化したユニークな内容のブランドブックをデジタルブックで公開しました。
チョコレートの種類にちなんだ4色のドレスを着たモデルの女性の写真とともに商品のコンセプトがまとめられたスタイリッシュなデザインが印象的です。
機能性の高いデジタルブック、導入事例も多い
本をめくるようなアニメーションを入れられるだけでなく、中のテキストを自由にコピーしたり、外部リンクにより特定のページを誰かに共有したりと様々な機能が加わったデジタルブック。
機能性やデザイン性の高さから、デジタルブックは地方自治体、大手企業、個人店舗など様々なところで導入されています。
もしデジタルブックのことをもっと知りたいという方はぜひ、本社の無料資料などもご覧ください。
・関連サービス
デジタルブック制作 大容量のファイルでも、ストレスなくサクサク閲覧できるデジタルブック。 当社ではお客様の要望に合わせてデジタルブックを制作し、サイト公開までお手伝いいたします。 | |