地球にやさしい印刷会社の証「グリーンプリンティング認証」が改定されました!

地球にやさしい印刷会社の証「グリーンプリンティング認証」が改定されました!SDGs

今、この記事を見ている方の中には、自分の勤めている会社がESG投資やCSR経営に積極的に取り組んでいるという人も多いかと思います。

企業のサステナビリティ向上にとって、脱炭素化や廃棄物削減などといった環境配慮に関する取り組みはとても重要ですよね。

印刷業界では「グリーンプリンティング認証」という環境配慮に取り組んでいる印刷会社にあたえられる認定制度があって、多くの会社が取得しています。

今回はこのグリーンプリンティング認証について、制度ができる要因の一つである「グリーン購入」や、今年度の認証制度の改定内容を中心に解説いたします。

グリーン購入法についてまずはおさらい

グリーン購入法(正式名称:「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律」)は、消費者が環境への配慮を行っている企業の製品やサービスを優先的に購入する「グリーン購入」を促進させる目的で、2000年5月に環境庁(現在の環境省)により施行されました。

これにより政府が外部に物品を調達する際は、一定の基準を満たす「環境への配慮を行っている」ものを選ぶことが義務化され、地方自治体においても努力義務となりました。

どんな商品が環境に配慮しているか示す基準としてグリーン購入ネットワーク(GPN)が策定しているガイドラインがあり、電気製品や自動車など様々なジャンルの物品ごとに細かく基準項目が設定されています。

 

印刷業界でも2001年以降、日本印刷産業連合会による環境的なサステナビリティに関する独自の認定基準「グリーン基準」がオフセット印刷などの印刷サービスごとに制定されており、現在でも用いられています。

かつて印刷工場は資材調達のための伐採による森林減少や有害な廃液やガスの排出など、地球環境に悪い影響を与えていたイメージがあったかもしれませんが、現在では2050年のカーボンニュートラル実現も視野に入れるなど、業界全体で環境面でのサステナビリティ向上に力を入れているのです。

 

環境に配慮した印刷会社である証「グリーンプリンティング認証」

「グリーンプリンティング認証(GP認証)はグリーン基準に基づき印刷会社の環境的な取り組みの姿勢を評価する制度で、2006年9月に創設されて以来、環境への取り組みが評価された日本国中の印刷工場や印刷会社が認証を得ています。

年に4回、3か月ごとに認定委員会が開かれており、2024年1月時点で369社449の工場・事業所がGP制度の認証を受けています。

GP認証には印刷の種類ごとに以下の4つの部門があります。

オフセット印刷部門紙へのオフセット印刷(一度ブランケットとよばれる筒状の部品に
インキを乗せて間接的に転写する手法)が対象
シール印刷部門紙やフィルムなどへのシール印刷(内部に粘着剤のついたペーパーに
印刷した後、半分にカットしてシールとして巻き上げる手法)が対象
グラビア印刷部門フィルムへのグラビア印刷(写真技術を応用させてつくられた印刷部を
低くした版を使って転写する手法)が対象
スクリーン印刷部門金属や布などへのスクリーン印刷(印刷部にインキを通す細かい孔が
開けられた版を使って転写する方法)が対象

またさらにそれぞれの部門の下に「GP工場認定制度」「GP製品認定制度」「GP資機材認定制度(オフセット印刷部門のみ)」があり、評価や認定もバラバラにおこなわれます。

GP工場認定制度有害な廃液の削減、騒音や振動の抑制など工場で環境への配慮が行われているか
GP製品認定制度印刷に用いられる用紙やインキなどが環境への影響を極力おさえたものか
GP資機材認定制度印刷に使われる資材や機材が、リサイクル性や省エネ性などサステナビリティに十分配慮したものか

GP認証は印刷会社の本社と工場でそれぞれ取得されることが多く、弊社・東洋美術印刷でも2006年12月に埼玉工場が、2009年12月に飯田橋本社がそれぞれGP認証を取得しています。

 

GP認証を取得した印刷物の導入事例には、損害保険の契約書類や鉄道会社のフリーペーパー、アイスクリームのパッケージなど様々なものがあげられます。

 

グリーンプリンティング認証取得の証「GPマーク」

各部門におけるグリーン基準を満たしており、GP認証を得た工場で環境に配慮した資材を用いて作られたと認められた印刷製品には下記のGPマークを添付できるようになります。

GPマークでは青いスター(星)の数で、環境への配慮の度合いを3段階で示しています。

東京都などグリーン購入を推奨している地方自治体では、印刷の発注先を選ぶ際もGP認証を取得しているところがのぞましいとしています。

その際、GPマークが印刷物に添付されているかを選ぶ目安としているところも少なくありません。

また毎年、GP認証を取得した印刷会社の中でも特に環境への取り組みが評価された企業に対して「GP 環境大賞」「GP マーク普及大賞」「GP 資機材環境大賞」の3賞が送られています。

 

グリーン基準の改定でグリーンプリンティングはより身近なものに

2024年2月、GP認証を取得するためのグリーン基準が改定され、「環境に配慮した印刷物」としてよりあらゆる種類の製品がGP認証を得られやすくなりました。

今回は三つ星のGPマークを表示するために必要な、印刷資材に関する水準1に関して以下の改定がなされています。

改定前有害な廃液の削減、騒音や振動の抑制など工場で環境への配慮が行われているか
改定後印刷に用いられる用紙やインキなどが環境への影響を極力おさえたものか

改定前
原料の古紙パルプ配合率が40%以上で残りが森林認証パルプ、または総合評価値が70以上
改定後
原料の古紙パルプ・森林認証パルプ・間伐材等パルプ・管理木材パルプ・その他の原料の調達方針に基づいて使用するパルプの配合率が80%以上、または白色度か塗工量を評価した総合評価値が80以上

改定以前は、適切な方法で管理・伐採されていることを示す認証を得ていない木材によるパルプが含まれていれば条件に合致しませんでした。

しかし現在は間伐材などが由来のパルプを含んでいても基準を満たせるため、単純に認証を得られる用紙の種類が多くなったといえます。

また総合評価値を割り出す際に用いられる公式も、古紙などのパルプの利用がより数値に反映されやすく修正されました。

 

グリーンプリンティング認証の基準改定でより導入しやすくなった

グリーンプリンティング認証は政府がすすめるグリーン購入法をモデルにして制定された「グリーン基準」をもとに、地球環境に配慮した取り組みを実施する印刷工場や印刷会社を認定する制度です。

オフセット印刷などの種類ごとに基準が設けられており、認証を取得した工場や会社はGPマークを表示できるようになります。

2024年2月にはこのグリーン基準の項目が一部改定され、用紙が間伐材等パルプや管理木材パルプなどを利用してつくられていた場合も基準を満たせるようになりました。

それだけより印刷用紙に関して認証を得られやすくなったということなので、GP認証を得た印刷の発注先を選びやすくなったともいえます。

サスティナビリティを意識した経営が重視される昨今、印刷会社もエコフレンドリーな点も注目して見ていくとよいでしょう。

 

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