Googleなどの検索結果に表示されやすくするため、WEBサイトを細かく調査したり修正したりあれこれ試している方は多いのではないでしょうか。
当サイト「コムデザ」でも記事を通じて印刷やマーケティングなどの情報や面白い話題をより多くの人に見てもらいたく、日々サイト運用をおこなっています。
今回は当社が導入しているSEOツールをもとに、SEOでの改善のポイントや実際の記事ページにおける問題点とその改善プロセスを説明いたします。
SEOの施策は本当に検索順位に影響を及ぼすのか?
よくSEOは重要だといわれますが、本当にSEOの対策を行ったWEBサイトが検索結果に出やすくなったのか気になりますよね。
そこで弊社が導入したSEOツールを使って、「東京 不動産」で検索して出たWEBサイトをいくつかピックアップして調べてみます。
このツールでは検索ワードと記事内容の関連性やアクセス時の快適性などから、WEBページのSEO達成度を分析できます。
検索順位で上に出るサイトほど、SEOの取り組みがなされていてSEO達成度も高い数値が出ることになりそうですが…。
検索順位 | SEO達成率 | |
---|---|---|
WEBサイトA | 6~10位 | 73% |
WEBサイトB | 26~30位 | 62% |
WEBサイトC | 56~60位 | 47% |
WEBサイトD | 86~90位 | 41% |
WEBサイトE | 116~120位 | 49% |
やはり検索上位に表示されるサイトほど、SEO達成率も高く検出される傾向にあります。
では競合サイトの少ない検索ワードの場合は、SEOを意識しなくても良いかというとそうではありません。
SEOの施策はWEBコンテンツの顧客満足度向上にもつながるため、WEBプロモーションやWEBマーケティングにも役立つ可能性が高いからです。
SEOの改善プロセス:問題点の洗い出し
今回はコムデザで過去に公開された20個の記事でSEO対策を行います。
SEOツールで記事を一つひとつ見ていったところ、以下の問題点が複数の記事で出てきました。
ディスクリプション
ディスクリプションとは、検索結果でページ名とともに表示される記事の要約です。
例えば下記の画像だと「見やすいフォントを…」から始まる文章がディスクリプションで、検索した人に短い文で内容を伝えてページへのアクセスを促す役割があります。
WordPressなどのCMSを使っている場合、記事の作成画面でディスクリプションを設定できますが、そうでない場合はHTMLファイルを開いてHead内にタグを入れて設定させる必要があります。
ディスクリプションが設定されていなかったり、文章が極端に短いものや長いものは、検索結果に表示されてもユーザーにページ内容が伝わりにくくなるので気を付けましょう。
ページタイトル・H1タグ
H1は一番大きいサイズの見出しを置くタグで、基本的には記事の一番上にタイトルを表示させるために使われます。
タイトルや見出しは、検索エンジンが記事ページの内容を素早く認識するためにかかせない要素です。
実際に何か検索したとき、その内容と全く関係のないタイトルのページが出てもまず見ないでスルーすると思いますよね。
一方で検索ワードに引っ掛かりやすくするため、タイトルに何度もそのワードを入れ込んでしまうと不自然なタイトルになるだけでなく、検索エンジンからスパムと疑われてしまうこともあるので注意しましょう。
H2タグ・H3タグ
記事内の段落であるH2・H3の見出しは、文字数のバランスと検索ワードの入れ方が重要といえます。
タイトルとともに見出しは、クローラがWEBページの内容をすばやく認知するのに欠かせない要素です。
記事のメインテーマと関係ない文面を入れたり一般的でない表現を用いたりすると、正しく内容が認知されず狙った検索結果に反映されにくくなるので注意が必要です。
各見出しの順序
記事の見出しはH1→H2というように番号にあわせて順番に設置するのが理想的です。
H1→H3のように番号を飛ばして見出しを設置してしまうと、ページの構造がクローラに誤って認識される危険性があります。
キーワード率
キーワード率は、検索画面に表示させたいワードや関連ワードが本文に入っている割合です。
検索させたいワードが記事内容にある程度入っていないと、せっかくまとまった内容で書かれていても検索結果には表示されにくいです。
またキーワードとともに検索されている語句や、サジェストに表示される共起語といった関連ワードも入っているかいないかで検索結果に表示される可能性は大きく変わります。
画像容量とalt属性
記事ページに掲載している画像ファイルの容量が大きすぎると、ページの読み込み速度が遅くなってアクセスの快適性が損なわれてしまいます。
また画像ファイルに代替テキストが設定されていないと、クローラに画像と記事内容の関連性を把握してもらいにくくなります。
SEOの改善プロセス:記事ページのテコ入れ
上記の問題点はすぐ修正できるもの、HTMLコードや画像を編集する手間がかかるもの、運用ルール上編集が禁じられているものに分かれています。
すぐに手を施せるところから一つひとつ試してみるのが、SEO改善の鉄則です。
① SEO対策用の検索ワードの分析調査
まずはSEOの要となる検索ワードを、記事ごとに改めて分析していきます。
検索ワードを考えるには、記事をどんな人に読んでもらいたいかペルソナを設定することが重要です。
ペルソナは具体的であればあるほど良く、検索ワードもできるだけターゲットを狭められるものが理想的です。
例えば書店の場合、一般的な書店以外にも古本屋や洋書専門店というように様々な種類があります。
なので店によっては「東京 書店」より「東京 古本 書店」「東京 洋書 書店」と検索した時にひっかかったほうが良いのです。
さらに言えば周辺ニーズも検索ワードから狙うことができますが、長くなるのでまた今度。
検索ワード自体の検索回数については、極端に少なくなければあまり気にする必要はありません。
むしろ検索回数が多い語句はすでに多くの競合サイトが表示され、SEOの対策もそれだけ難しくなるためです。
② 検索ワードを反映させるようタイトル文を修正
検索ワードをタイトルに入れる際は検索結果で省略されて表示されることのないよう、できるだけ前のほうに入れるのがベストです。
コムデザでもいくつかの記事でタイトルを修正しており、例えばCO2の発生原因に関する記事は当然CO2がどうして発生したのか知りたい人が来ますよね。
こうした人に検索した時点で内容がわかるよう、この記事ではタイトルの前の方に「CO2」や「原因」という語句を入れています。
③ ディスクリプションの文字数と内容を修正
記事のディスクリプションは、検索結果で表示される文字数である70~90字程度で設定するのが理想です。
もちろんディスクリプションも検索ワードを前のほうに入れることで、検索画面でそのワードが省略されずきちんと表示されやすくなります。
コムデザのある記事では、かつて記事の冒頭部分をそのまま引用したせいで200字近くの長いディスクリプションが設定されたことがあります。
そこでその記事の重要キーワードを中心に90字ほどの文章を新たに作り、ディスクリプションとして差し替えました。
④ H2タグ・H3タグの見出し文を修正
H2タグやH3タグの見出しは、短すぎず長すぎない文字数のバランスが重要です。
H2タグの見出しは15~40字、H3タグの見出しは10~30字の文字数になるように調整しましょう。
コムデザのある記事では、「1. 印刷分野」といった簡素で短いH2見出しが設定されていました。
そこで見出しの文を「印刷分野…種類が変われば印刷物も異なる」に変えて、クローラに「印刷分野」だけでなく「印刷物」「種類」といったワードが記事内容と関連していると認知させられるようにしました。
⑤ 画像ファイルの圧縮やaltタグの追加作業
SEOの改善には、画像の圧縮により読み込み時間の短縮を狙うのも手です。
画像ファイルのサイズは110KB以内に抑えるのがベストで、webpなど軽い形式の画像に差し替えたり画像の解像度や物理サイズを調整したりする方法が効果的です。
コムデザでも記事のサムネイル画像などで容量の重たいものは、物理サイズなどを修正して容量をおさえたものに差し替えています。
また記事内の画像の情報をクローラに伝えるため、画像ファイルには忘れずalt属性で代替テキストを入れましょう。
⑥ 文字数が足りない場合は適宜文章を加筆
記事のボリュームの大きさはSEOに一番影響がありそうですが、必ずしもそうとはいえません。
実際にGoogleである町の英会話教室について検索したところ、最初に表示されたページはそれよりも下位に表示されたページよりも文字数がかなり少なかったのです。
検索順位 | 文字数 |
---|---|
1位に表示されたページ | 3,835字 |
10位に表示されたページ | 6,591字 |
50位に表示されたページ | 5,427字 |
SEOにとっては記事の文字数の多さ以上に大事なのが、文章の情報量の豊かさ。
極端な話ただ文字数や検索ワードの使用率だけで検索順位が上がるなら、「飯田橋レストランおすすめ飯田橋レストラン…」と検索ワードをコピペしまくってWEBページに掲載すればよいのです。
もちろん実際にはこのようなページは検索エンジンによりかなり低い評価をつけられてしまいます。
3,000字以上の十分な文字数がある記事なら、内容を水増ししてまで足す必要はないでしょう。
ただし1,000~2,000字程度の短い記事は、余裕があれば加筆して情報量を増やしてあげるのもおすすめです。
SEOの改善プロセス:改善後の効果を分析
コムデザでは上記のものなどのSEO対策を今年の5月に10記事、翌6月にも別の10記事でそれぞれ行いました。
改善する前とした後で実際のSEO達成率は、下記のように変化しました。
平均SEO達成率 | 5月に対策した10記事 | 6月に対策した10記事 |
---|---|---|
改善前のSEO達成率 | 58% | 73% |
現在のSEO達成率 | 79% | 85% |
5月に施策を行った記事は平均で20%もSEO達成率が上がっていて、すでに5月分の施策の効果がある程度出ている6月に施策を行った記事でもSEO達成率は10%以上伸びています。
次に実際にSEOを改善して、ページのアクセス数がどれぐらい変化したのか見ていきます。
SEO対策を行った20記事に関して、GA4を使って改善前の2024年3月と2024年7月の月間データを調べてみました。
改善前(3月) | 改善後(7月) | |
---|---|---|
20記事の合計表示回数 | 599回 | 889回(48.4%増加) |
20記事の合計閲覧ユーザー数 | 516名 | 795名(54.1%増加) |
施策を行った範囲が記事ごとにバラバラだったこともあり、記事によって表示回数やユーザー数の増え方はかなりばらつきが見えました。
しかし全体を通して見ると、表示回数もユーザー数もともにほぼ改善前の.1.5倍ほどに増えているのがわかります。
SEOの問題点はすべて潰せばいいわけでもない
SEOの分析結果をやみくもに信じすぎて、何も考えず全て問題点を修正しようとするのはNGです。
キーワードを無理やり入れたりしたことでかえって文章が不自然になったり、何度も話題が脱線したりしてしまい記事としてのまとまりがなくなるおそれがあるためです。
そのためSEOは「100%改善させる」ものではなくあくまで「100%に近づけるよう改善する」意識で取り組むのが重要です。
SEOを改善した効果は確実に数字で現れる
SEOがきちんと改善されているWEBサイトは、実際に検索結果にもより優先して表示されやすくなることが実際に調べてみてわかりました。
ただタイトル、ディスクリプション、見出し、画像ファイルとどこを修正したらSEO改善につながるかは記事によって異なるので、1ページずつしっかり分析することが重要です。
分析結果をもとにあらゆる問題点の細かい修正をコツコツ行うことで、少しずつSEO達成率が上がっていき、気が付いたときには全体的に改善前より2割以上も上がっていました。
SEO対策をおこなったことで実際に記事へのアクセスにも効果が出て、自分が予想していたよりも多くのユーザーにコムデザの記事を読んでもらえるようになったのはうれしい限りです。
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