事例の概要
導入前の課題 | 言語聴覚士の知名度向上と資格受験者の数を増やしていくことが課題だった | |
導入後の効果 | 1. | 特定の期間を比較するとサイトへのユーザー数が約二倍に増加した |
2. | サイトを運営・分析していく中で、当初の想定以外の新たなターゲット層に気づくことができた |
Q 日本言語聴覚士協会について
日本言語聴覚士協会は平成12年に国家資格を有する言語聴覚士の職能団体として発足しました。令和6年3月31日時点で正会員は21,603名になります。 ことばによるコミュニケーションに問題のある方々へと良質な専門的サービスを提供し、生活の質の向上と社会参加を支援していくことを目的の1つとしています。 この目的を実現するために言語聴覚士が自由に情報交換をし、ともに研鑚する場面の提供や学術集会・研修会・講演会などの開催、コミュニケーション障害に関する調査・研究、協会ニュースなどの刊行物の発行、関連のある諸団体や障害がある方々との連携や交流など幅広い活動を行っています。 |
Q 抱えていた課題
2011年頃の課題として言語聴覚士の資格受験者が少なく、また資格そのものの知名度も低いことがありました。言語聴覚士のことを知らない方が多いということは言語聴覚障害のある方が支援を受けられることすらわからない、また病院施設では誰が支援をしていくのかもあやふやで支援を受けられない方が多いということです。そのため知名度を上げて数を増やしていくことが課題であったと思います。 例えばスポーツの障害で自分自身が理学療法士や作業療法士にお世話になったという数はかなり多いです。ですが言語聴覚士に支援を受けたという方は多くないので、そういう部分も知名度の低さに繋がっているのではと思います。 |
日本言語聴覚士協会 松尾 康弘様
(職場:鹿児島医療技術専門学校 言語聴覚療法学科)
Q マイクロサイト「めざせST」を制作した理由
2012年の冬頃に「めざせST」というマイクロサイト制作の提案を東洋美術印刷さんからいただきました。 言語聴覚士協会の公式サイトでは基本的に協会の会員向けに発信される情報が多いです。言語聴覚士の知名度がまだ低く資格受験者が少ない中では、会員向けではなく目指す方々に向けた情報を発信していくことが言語聴覚士及び言語聴覚療法が広まることになるのではと、そういうご提案もいただきつつマイクロサイトを導入することになりました。 協会が抱えている課題と東洋美術印刷さんからご提案いただいたアイディアが一致したことが大きかったのではと思います。 |
Q 「めざせST」を始めて気づいたこと
当初「めざせST」のターゲットは学生だと想定していました。しかし東洋美術印刷さんの分析によって働きながらの世代、主婦やOLのユーザーが多いとわかり社会人向けのコンテンツに入れ替えました。 ユーザー数の理由として言語聴覚士が女性にとって目指しやすいことがあるかと思います。実際に約7割が女性の職種となります。リハビリテーションでいえば個室での一対一のトレーニングになるため、あまり力仕事というイメージはありません。また医療職に就きたいと考えた時に夜勤が浮かぶと思いますが、言語聴覚士は患者さんが活動している時間に働くので基本的には夜勤がないという点も目指しやすいのかと思います。 もう一点、言語聴覚士の養成課程において一般の大学卒業後2年の専攻科を履修するという課程があります。ここも目指しやすい理由の一つかと思います。 |
Q 導入後の効果
分析によるコンテンツの更新などにより特定の期間で比較をすると、マイクロサイトにアクセスした人の数は約2倍にまで増加しました。(2021年と2023年で8月~11月の4ヵ月間の比較) ターゲットを絞ったことによる効果が大きいと思います。 |
Q 今後の展望とパートナーに期待すること
「めざせST」にインタビューを載せてもらっているのですが、すごくいいコンテンツだなと思っています。言語聴覚士の生の声とか目指すきっかけとかそういう内容がたくさん掲載されています。 やはり仕事等をしていく中で対象者の喜び…例えば話ができるようになったということやご飯が食べられるようになったという喜びが言語聴覚士にとっても同じ喜びとして共有されます。 自分の話になるのですが、過去に幼稚園の年長さんぐらいの女の子を受け持ったことがありました。その子は「カ行」や「サ行」が「タ行」になってしまい、一緒に病院にきていたお母さんのことも「おたあたん」と呼んでいました。それから発音の練習を一緒に行い、初めて「お母さん」と言うことができました。「今、お母さんって言えましたよ」と伝えるとそこで泣いてらっしゃって…初めて自分の娘から「お母さん」って言われたと聞いた時に一生続けられる仕事だなと感じました。大なり小なり、全ての言語聴覚士がこういう経験をしていると思います。 実際に働いている言語聴覚士の声というのはすごく身近なものかと思うので、インタビューのコンテンツは続けていきたいなと思っています。 また養成校で学生たちの様子をみていると動画をよく見ているなと感じます。長い動画ではなく一瞬一瞬の短い動画を見ているので、そういうキャッチーでぱっと目に留まる動画があるといいのかなと。数年前、言語聴覚士のイベント告知の時には漫画風に作ってくださいとお願いしたことがありましたよね。医療・福祉・教育に関わる職能団体としての真面目さを保ちながらも遊び心といったスパイス的な要素があると見てくれる方が増えるかなと思いました。 東洋美術印刷さんでは動画の事例も多くあるようですので、今後もお力になっていただければと思います。 |
日本言語聴覚士協会 松尾 康弘様
(職場:鹿児島医療技術専門学校 言語聴覚療法学科)
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