生命保険のマーケティングとは?手法や注意点を詳しく解説

生命保険のマーケティングとは?手法や注意点を詳しく解説プロモーション

日本人の生命保険加入率は世界的に見ても高く、およそ8割 の人が何らかの生命保険に加入しています。[注1]

年齢別で見ると、30代~60歳代の、いわゆる働き盛りと呼ばれる世代の加入率が高い傾向にありますが、少子高齢化が加速化する現代日本では、今後生命保険の新規加入率が減少する可能性が高いといわれています。

限りあるシェアを獲得するためには、より効果的なマーケティングを模索することが大切です。

今回は、生命保険に用いられるマーケティング手法や、マーケティング効果を高めるコツ、プロモーションに関する注意点について解説します。

 

生命保険のマーケティング 7つの手法

生命保険の新規契約に役立つマーケティング手法を7つ紹介します。

手法その1:「リスティング広告」

リスティング広告とは、GoogleやYahoo!といった検索エンジンの検索結果に掲載される広告のことです。

自社の商品・サービスと関連性の高いキーワードを検索すると、検索結果の上部に広告が掲載される仕組みになっています。

自社の商品やサービスに関連するもの、ことに興味や関心を持っているユーザーに対して効率的にアプローチできるところが特徴です。

ただ、広告を表示するキーワードを適切に設定しないと、本来ターゲットにならないユーザーにアプローチすることになり、ミスマッチや広告費の無駄遣いなどにつながるおそれがあります。

リスティング広告を利用する際は、適切なキーワードの選定を行うことが大切です。

 

手法その2:「SEO対策の実施」

SEO対策とは、検索エンジンの検索結果で上位に表示されるために行う対策のことです。

検索結果の上位に表示されるサイト、ページほどユーザーからのアクセス率が高くなるため、SEO対策で上位表示を達成すれば見込み客の獲得率アップに繋がります。

 

手法その3:「SNSでの発信」

TwitterやInstagramなどで自社やブランド、商品、サービスなどの情報を発信する方法です。

SNSは拡散力が高いため、一度の投稿で不特定多数の人にアプローチできるところが特徴です。

そのぶん情報が埋もれやすいので、有益な情報を定期的に発信し、フォロワーを増やすことが重要なポイントになります。

 

手法その4:「生命保険のポータルサイト掲載」

生命保険のポータルサイトとは、生命保険会社のホームページのリンク集が設置されているWebサイトのことです。

生命保険への加入を検討しているユーザーは、生命保険の情報をまとめてチェックしたいと考えます。

そんなときはポータルサイトにアクセスしてから各生命保険会社のホームページにアクセスする流れが多いです。

ポータルサイトに自社ホームページへのリンクを掲載すれば、新規ユーザーを自社サイトに誘導しやすくなります。

なお、生命保険のポータルサイトへの掲載は有料で、月々一定の料金を支払う月額制のところもあれば、完全成果報酬制のところもあります。

集客力の高いポータルサイトを利用すれば、効率よく新規見込み客を集めることができますが、掲載している間は維持費がかかるため、費用対効果を考えて見当する必要があります。

 

手法その5:「口コミの掲載」

新規契約者やリピーターの体験談や口コミを自社ホームページなどに掲載する方法です。

何を基準にその保険を選んだのか、保障は充実しているか、保険請求を行ったときの対応はどうかなど、実際に保険を契約した人でなければわからない口コミ・体験談を掲載すれば、加入後のサービスをイメージしやすくなり、契約や加入に繋がる可能性が高くなります。

口コミを掲載するためには、既存の顧客にアンケートなどをお願いし、十分な意見を収集する必要があります。

 

手法その6:「キャンペーンの実施」

生命保険会社の多くは、他社との差別化を図るために、随時キャンペーンを実施しています。

キャンペーンの内容は保険会社によってさまざまですが、たとえば入会金の割引・免除(保険料の割引・免除ではない)や、成約者向けの食べ物のプレゼントが挙げられます。

ただ、キャンペーンには費用がかかりますので、予算などを踏まえた上で、実施する期間や対象となる人数などを決定することが大切です。

 

手法その7:「契約者向けコンテンツの配信」

近年は生命保険のインターネット契約が普及しており、保険の見直しや乗り換えを簡単に行うことができます。

新規契約にばかり注力し、既存顧客へのフォローを疎かにすると、顧客離れが起こる原因となります。

既存顧客をしっかりホールドするためには、契約者向けのフォローを充実させ、手厚いサポートを行っていくことが重要なポイントです。

具体的には、メールマガジンやLINEなどでユーザーにとって有益なコンテンツを配信する、保障内容の見直しを促すDMを送るなどの手法が効果的です。

 

生命保険のマーケティング効果を高めるコツ

生命保険のマーケティング効果を高めるために押さえておきたいコツを3つ紹介します。

1. ターゲットとなるユーザーを明確化する

Webマーケティングは不特定多数の人にアプローチできる手法ですが、万人に向けてアプローチしようとすると、かえってどの層にも響かなくなるおそれがあります。

Webマーケティングはキーワードを選定することで、アプローチしたいターゲット層を絞り込めるところが特徴ですので、まずはターゲットを明確にするところからスタートしましょう。

そのためには、ターゲットのペルソナを作成し、どのような手法でアプローチすれば良いか、じっくり検討することが大切です。

 

2. 自社の強みやメリットを洗い出す

生命保険は保障内容が複雑なものが多いため「A商品とB商品の違いがわからない」と悩むユーザーがたくさんいます。

そうしたユーザーに自社ならではの強みやメリットを提示してアプローチするためには、自社やブランド、商品、サービスの強みや特徴をよく理解しておく必要があります。

同時に、他社商品の内容もリサーチして、自社とどのような違いがあるのか、自社商品が持っている魅力は何かなどを一つひとつ洗い出していくと、効果的なアプローチ方法を見出しやすくなります。

 

3. 画像や動画などのわかりやすい媒体を活用する

ユーザーの中には保険=難しい、面倒というイメージを抱いている方も少なくありません。

検討の段階で加入を諦めてしまわないように、できるだけ画像や動画など視角に訴える媒体を活用し、わかりやすいアプローチを心がけましょう。

 

生命保険のプロモーションに関する注意点

生命保険のプロモーション活動を行う際は、景品表示法と保険業法の2つを遵守する必要があります。

景品表示法とは、不当景品と不当表示を規制する法律のことです。

このうち、生命保険のプロモーションで留意しなければならないのが不当表示です。

保険商品の品質や規格、商品の価格等の内容に関して、ユーザーに実際より著しく優良あるいは有利であると誤認させるような広告は避けなければなりません。[注2]

免責条件などを記載せず、「どんな場合でもしっかり保障!」といった広告を出すと、景品表示法違反になります。

保険業法第三百条においても、他の保険内容と比較したときに誤解を招く恐れのある表示は禁じられています。[注3]

 

たとえば、客観的事実に基づかない広告(保険業界No.1など)を打ち出すと、保険業法違反とみなされます。

法令違反を犯すと、行政から措置命令が下り、場合によっては懲役刑や罰金刑に処される可能性があります。

知らない間に法に違反することのないよう、景品表示法や保険業法について基本的な知識を抑えてからマーケティング活動を始めることをおすすめします。

 

生命保険のマーケティングは法を遵守しながら実施しよう

生命保険のマーケティング手法には、リスティング広告やSEO対策、SNS発信、生命保険ポータルサイトへの掲載など、Webを主軸にした手法のほか、口コミの掲載、キャンペーンの実施などさまざまなパターンがあります。

ターゲットを明確にし、自社の強みや特徴を洗い出した上で、これらのマーケティング活動を実施すれば、効率よく新規顧客の獲得および既存顧客の囲い込みを行うことが可能です。

ただ、Web広告を展開するにあたって、景品表示法や保険業法を遵守しないと、違法行為とみなされて処分の対象になることがあります。

必要な法律はしっかり遵守し、適正な方法でマーケティング活動を行うようにしましょう。

 

・関連資料のリンク

[注1] 生命保険文化センター│2022(令和4)年度生活保障に関する調査
[注2] 消費者庁│表示規制の概要
[注3] e-Gov法令検索│「保険業法」

 

・関連資料のダウンロード

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