総務省の令和2年通信利用動向調査によると、17.6%の企業がなんらかの営業支援ツールを導入しています。[注1]
マーケティングの効率化につながるITツールには、MA、SFA・CRMの3種類があります。
それぞれの役割を知り、適材適所で活用することが大切です。
この記事では、MA・SFA・CRMの役割の違いや、マーケティングツールを連携させるメリットを解説します。
MA・SFA・CRMの役割の違いとは?
マーケティングに役立つITツールには、MA(Marketing Automation)、SFA(Sales Force Automation)、CRM(Customer Relationship Management)の3種類があります。
MA・SFA・CRMは、それぞれ異なるマーケティングプロセスに対応したツールです。
たとえば、MAはリードの獲得や育成を目指すマーケティングプロセスの初期段階で役立ちます。
また、商談案件の獲得後はSFAで営業活動を効率化し、CRMを活用して既存顧客との関係構築を目指すことが一般的です。
マーケティング プロセス | 対応した ツール | 役割 |
・リードの獲得 ・リードの育成 ・商談案件の獲得 | MA | 顧客へのコンテンツ配信や顧客情報の分析により、 見込み顧客の獲得や選別をおこなう |
・クロージング ・受注の獲得 | SFA | 商談ごとに進捗状況や受注確度などのデータをチーム全体で共有し、 新規顧客へのアプローチを最適化する |
・クロスセル ・アップセル | CRM | 既存顧客の購入履歴や問い合わせ履歴をデータベース化し、 顧客との関係構築をサポートする |
MA・SFA・CRMの活用方法を紹介
MA・SFA・CRMを導入する場合は、それぞれに対応したマーケティングプロセスに合わせて活用することが大切です。
MA・SFA・CRMの具体的な活用例を紹介します。
MAにできること
マーケティングプロセスのうち集客に課題がある場合は、MAを活用し顧客へのコンテンツ配信やターゲットの分析などを強化しましょう。
MAには広告やステップメールを配信したり、ターゲットの反応を分析してホットリード(受注の可能性が高い見込み顧客)かどうか分析したりする機能があります。
- 広告やメルマガなどのコンテンツを配信する
- ランディングページ(LP)を自動で作成する
- 顧客の反応を分析し、セグメント化する
- 顧客にパーソナライズされたDMを送信する
- 顧客の反応に合わせてステップメールを送信する
SFAにできること
SFAは営業活動に必要な情報を見える化し、営業部門の業務効率化を実現するためのツールです。
SFAを活用することで、顧客ごとの商談ステータスを可視化したり、商談のスケジュールや進捗状況を一元管理したりすることができます。
- 商談の進捗状況や履歴を管理する
- 顧客の名刺をデジタル化し、オンラインで閲覧可能にする
- 営業日報をオンラインで作成・チェックできるようにする
- 営業活動のスケジュールをチーム全体で共有する
CRMにできること
CRMは既存顧客との関係を維持し、顧客の解約や離脱を防止したり、顧客の属性にもとづいてアップセルやクロスセルを提案したりするためのツールです。
CRMには次のような機能があります。
- 顧客ごとの購買履歴を蓄積し、データベース化する
- 顧客の要望やクレームの履歴を収集し、問い合わせ対応に活かす
- 顧客とのコミュニケーション履歴をデータベース化し、フォローメールを送信する
MA・SFA・CRMを連携するメリット
MA・SFA・CRMを連携させれば、見込み顧客の獲得から既存顧客の維持までのマーケティングプロセスを一気通貫で効率化することができます。
たとえば、MAで獲得した見込み顧客のデータをシームレスにSFAへ受け渡し、より精度の高いデータにもとづいて新規顧客にアプローチすることが可能です。
また、マーケティングプロセス全体に渡って顧客一人ひとりのデータを追跡できるため、顧客のLTV(顧客生涯価値)を分析し、マーケティング施策を見直すことができるというメリットもあります。
MA・SFA・CRMを連携するデメリット
一方、MA・SFA・CRMの連携にはデメリットもあります。
MA・SFA・CRM一体型のツールを導入する場合、「単体でツールを導入する場合よりもコストがかかる」「機能が広範囲に渡っており、十分に使いこなせない」といったリスクがあります。
自社の営業課題が明確な場合は、弱点を補うためにMA・SFA・CRMいずれかのツールを導入することも検討しましょう。
たとえば、マーケティングプロセスの集客に課題がある場合、MAを導入することで課題を解決できます。
MA・SFA・CRMそれぞれの役割を知り、適材適所で活用しよう
MA・SFA・CRMは、それぞれ対応したマーケティングプロセスに合わせて活用すべきツールです。
見込み顧客の獲得や選別ならMA、営業活動の効率化ならSFAを導入しましょう。
既存顧客との関係維持やアップセル・クロスセルの増加を目指す場合は、CRMの導入がおすすめです。
MA・SFA・CRMを連携させれば、マーケティングプロセス全体を効率化し、見込み顧客の獲得から既存顧客の維持までの全工程で顧客情報を追跡できます。
・関連資料のリンク
[注1] 総務省:令和2年通信利用動向調査
・関連サービス:マーケティング・ソリューション