マーケティングの手法は、大きく「インバウンドマーケティング」と「アウトバウンドマーケティング」の2つに分類されます。
それぞれ特徴やメリット・デメリットに違いがあるため、両者の性質をよく理解し、自社に合ったマーケティングを選ぶことが大切です。
今回は、マーケティングにおけるインバウンドとアウトバウンドの違いと、それぞれの手法・特徴をご紹介します。
マーケティングにおけるインバウンド、アウトバウンドの違い
マーケティングにおけるインバウンドとアウトバウンドの違いは、顧客やターゲットに対するアプローチの仕方にあります。
「インバウンドマーケティング」とは？
インバウンドマーケティングとは、潜在顧客が興味・関心を持つ情報を発信することで、ターゲット自らが企業に辿り着くよう誘導する手法のことです。
自社の商品・サービスとニーズが合致するターゲットに対して、有益な情報・コンテンツを発信することで、自社を見つけてもらうことを目的としています。
顧客やターゲットを自社に引き込む手法であることから、別名「プル型」とも呼ばれています。
「アウトバウンドマーケティング」とは？
一方のアウトバウンドマーケティングは、企業が顧客やターゲットに対し、自発的にアプローチを行う手法のことです。
アプローチの方法は多岐にわたりますが、いずれも企業側が特定のターゲットに対してコンテンツや情報を提供することで、自社のブランドやサービスをアピールしていきます。
企業側から積極的に押していく手法なので、「プッシュ型」とも呼ばれています。
以前はアウトバウンドマーケティングが主流でしたが、近年はインターネットの普及にともない、インバウンドマーケティングに注力している企業が増えてきています。
インバウンドマーケティングの手法・特徴
インバウンドマーケティングの特徴は、ターゲット側から自発的に企業に興味・関心を持ってもらえるところです。
消費者の心理として、企業から直接的にアプローチされると「買わされる」という意識が働いてしまい、抵抗を感じやすくなります。
その点、インバウンドマーケティングはターゲット自ら企業や商品、サービスに関心を持つよう誘導する手法なので、購入や契約への抵抗が少なくなります。
また、アウトバウンドマーケティングと比べて、低コストで始められるところもメリットのひとつです。
インバウンドマーケティングの主な手法は、自社サイトの運用やSNSの活用、メールマガジンの配信などです。
いずれもターゲットに合わせて情報・コンテンツを作成する必要がありますが、潜在顧客一人ひとりに対して個別に情報を発信するわけではないので、手間やコストを削減することができます。
また、インバウンドマーケティングを介して問い合わせや資料請求を行ってくる顧客は、自社の商品やサービスをある程度知った上でコンタクトを取っています。
自社の商品・サービスと顧客のニーズの間でミスマッチが起こりにくいところも、インバウンドマーケティングならではの特徴です。
一方で、特定のターゲット層にしかアプローチできないこと、コンテンツや情報の配信から、ターゲット側のアクションが発生するまで時間がかかりやすいところがネックです。
アウトバウンドマーケティングの手法・特徴
アウトバウンドマーケティングの主な手法は、見込み客リストをもとに電話をかけるテレマーケティング、自社の商品やサービスを紹介したメールを配信するダイレクトメール、テレビCMをはじめとする広告などがあります。
アウトバウンドマーケティングの利点は、自社のブランドや商品、サービスを知らない人にも直接アプローチできるところです。
自分の内にある潜在的なニーズに気づいていない消費者は、そもそも情報を検索したり、企業のHPを見に行ったりしないため、インバウンドマーケティングではターゲットから漏れてしまう可能性があります。
不特定多数の人にコンテンツや情報を積極的に提供するアウトバウンドマーケティングなら、潜在的な見込み客にもまんべんなくアプローチすることが可能です。
また、テレビCMやWeb広告などは人目に触れる機会が多いため、ひとつの手法でより多数の人にアプローチできるというメリットもあります。
さらにテレマーケティングの場合、ニーズとタイミングが合致すればそのまま商談や成立に持ち込めるなど、即効性を見込めるところもアウトバウンドマーケティングの利点と言えるでしょう。
一方、ターゲットの幅が広いぶん、見込み客や潜在顧客にピンポイントで情報を届けにくいという欠点があります。
また、制作費や放映料金、掲載料金が発生するテレビCMやWeb広告、人手が必要なテレマーケティングはコストがかさみやすいところもネックです。
インバウンドとアウトバウンドを正しく理解して使い分けよう
マーケティングにおけるインバウンドとアウトバウンドは、それぞれターゲットへのアプローチ方法や手法に違いがあります。
インバウンドマーケティングは低コストで始められ、かつターゲットをピンポイントで引き込めるところが特徴です。
対するアウトバウンドマーケティングは、ニーズの自覚がない潜在的な顧客を含む不特定多数の人にアプローチできるところが利点です。
それぞれにメリット・デメリットがありますので、インバウンドマーケティングでターゲットの興味・関心を引き、アウトバウンドマーケティングでピンポイントにアプローチするなど、2つのマーケティング手法を上手に使い分けることをおすすめします。
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