マーケティングでも役立つ社会心理学のアレコレ

マーケティングでも役立つ社会心理学のアレコレプロモーション

マーケティングやプロモーションのことを勉強していると、「〇〇の法則」や「××効果」といった言葉が出てきた経験ありますよね。

なんとなく覚えたはいいもののやたらとカタカナが入ってくるし堅苦しそうで、普段の業務では使いづらい…と思っている人も少なくないでしょう。

しかし普段の私たちの行動パターンにあてはまるものも多いことから、こうした専門用語は実際のマーケティングでも普通に活用できるのです。

今回は数ある社会心理学の用語から、マーケティングに使いやすいものをいくつかピックアップして紹介いたします。

社会心理学の用語:「ハロー効果」

ある対象を評価するとき、そのものの一番目につく特徴の印象によって、他の部分の印象も引っ張られるという現象で「認知バイアス」の一種としても知られています。

ハロー効果といっても、語源はあいさつのハロー(Hello)ではなく絵画や彫刻でよく見られる聖人の頭上の光輪(Halo)です。

私たちは物事の第一印象を、まばゆい光輪のように思わず目につきやすい特徴から決めてしまいがちです。

最初に抱いた印象の良し悪しで、その後のイメージも良い方向にも悪い方向にも変化しやすいのです。

例えばテレビで見た俳優が真面目でさわやかな印象ならば、趣味や地元など彼に関する物事の印象も良くなります

マーケティングでも人気キャラクターなど好印象につながりやすいものでブランドイメージの向上を図るなど、ハロー効果は日常的に活用されています。

 

社会心理学の用語:「アンカリング効果」

アンカリング効果は、ある物事に対して事前に伝える情報によってその後の印象が大きく左右されるという現象です。

アンカリングとは錨(anchor)を下ろすという意味で、最初に示す情報を錨として下ろして受け手の意思を船のようにつなぎとめることからこの名がついたと言われています。

ある抽象的な絵が「現代アートの巨匠が描いた幻の作品」と紹介されれば、たとえ最初下手な絵だと感じても、より価値の高い芸術作品と印象が変わりやすくなります。

これはアンカリングの例といえます。

500円に割り引いてケーキを売るときに割引前の価格を値札に表示すれば、来店客がこれだけ安く買えるのかとお得に感じやすくなります。

このようにマーケティングやプロモーションでも、アンカリングは受け手に良い印象を持ってもらうために頻繁に活用されています。

 

社会心理学の用語:「バーダー・マインホフ現象」

バーダー・マインホフ現象は一度知覚したものを強く意識すると、それ以降も無意識のうちにそのものが認識されやすくなるという現象です。

バーダー・マインホフは1970年代にドイツにいた赤軍派の集団の名前で、数十年後にある人がたまたま話題にあげたところ、その友人がそれ以降バーダー・マインホフの名前をよく見るようになったと連絡したことが名前の由来です。

その友人がバーダー・マインホフのことを知る前から、ニュースなどで名前はよく取り上げられていたようですが、会話の中で出てきて存在を知ったことで、急に色んな場面で名前を聞くようになったと錯覚したのです。

よく実際に販売している商品の名前に触れず、企業名やブランド名だけを出すCMを見かけるかと思いますが、あれもバーダー・マインホフ現象の活用例です。

CMを流すことで、具体的な商品を知らなくても「高価な時計といえばこのブランド」「おしゃれなファミレスといえばこの店」という認識が生まれて、視聴者の購入パターンに影響が出やすくなります。

 

社会心理学の用語:「ザイアンスの法則」

ザイアンスの法則は「単純接触効果」とも呼ばれるもので、最初あまり興味のないものでも繰り返し接するうちに好きになりやすくなるという現象です。

私達はよく知らないものに対して警戒心を抱きますが、何度も接触していけば慣れや親しみが生まれていって警戒心も徐々に薄らいでいき好感が生まれるためにこのようなことが起こります。

街中で同じ曲を毎日のように聞いていると、最初は知らない曲でも徐々に好感が高まり歌手への関心も出てきたといったことが、ザイアンスの法則による効果といえます。

近年のデジタルマーケティングにはなくてはならないリードナーチャリングも、繰り返しリードと接することで購入意欲の促進を狙う点でザイアンスの法則を活用しています。

一方で一度否定的な印象を持たれてしまうと、かえって接触するたびに印象の悪化につながることも解明されています。

 

社会心理学の用語:「フレーミング効果」

フレーミング効果は同じ内容のものごとでも、どの利点や欠点を強調して伝えるかによって印象が大きく変わるという現象です。

例えば、500個の紙切れのうち200個が「当たり」で残りが「外れ」となっているスピードくじがあったとしましょう。

「5分の2の確率で当たる」と言った場合と「5分の3の確率で外れる」と言った場合では、くじをひく人は前者のほうが多くなりやすいです。

フレーミング効果は受け手のイメージを大きく左右させられることから、POPやチラシなどマーケティングのツールへと活用できます。

商品のデメリットや癖の強さも、フレーミング効果を意識してアピールできれば人によっては刺さるメリットとして紹介できるかもしれませんね。

 

無意識なうちに日常生活であてはまる法則は少なくない

ここまでいくつか社会心理学の法則や現象を見ていきましたが、どれも身近な事例が多く思ってたよりとっつきやすいと感じた人も多かったかもしれません。

社会心理学や行動心理学には他にも数多く法則や現象があります。

法則を正しく理解してマーケティングやプロモーションの戦略に活かすことができれば、顧客イメージの向上やリピート率の増加など良い結果にきっとつながるはずです。

実は今言ったことも「ポリアンナ効果」という社会心理学の法則に基づいたコメントです。

こんなように聞き慣れない名前の法則も、実は自然にすんなり使うことも難しくないのです。

 

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