ペルソナが変われば販促の効果も大きく変わる

ペルソナが変われば販促の効果も大きく変わるプロモーション

マーケティングにとって必要不可欠なものである「ペルソナ」。

多くの人が一度は聞いたことのある言葉だと思いますが、何で必要か考えたことはあるでしょうか。

今回はペルソナをつくる目的や作り方などを中心に解説していきます。

ペルソナは顧客のニーズを正確に把握するための必須ツール

ペルソナをつくる一番の目的は、自社製品のターゲットとなる顧客がどんなニーズや欲求を持っているか明確にして、顧客の製品に対する関心や購買意欲を促進させる方法を考える上で活かすことです。

顧客がお金を使うときには、ほぼ全てといっていいほど悩みや欲求があるといわれています。

「肌のかゆみ」という悩みを解消するためにかゆみ止めを買ったり、「家でお酒を飲みたい」という欲求を満たすために缶ビールを買ったり。

私たちの普段の生活で、ごく当たり前にみられることです。

一方で顧客の悩みや欲求を誤って把握すれば、製品自体の品質・機能がどんなに優れていても、どんなにお金や時間をかけて大々的にプロモーションをしても、必ずその顧客に刺さる製品になるとは限りません。

顧客の心を自社に振り向いてもらうために、ペルソナをつくってニーズを分析することは欠かせないのです。

 

ペルソナの見直しが売上回復につながることも

一度業績が落ち込んだ会社が、ペルソナを見直すことで結果業績の大幅な回復に成功したことがあります。

九州のあるローカル鉄道会社では、2011年に開業した九州新幹線に多くの利用客が奪われてしまう事態が起こりました。

しかしペルソナを「素早く都市間を移動したい人」ではなく「ゆっくりと乗車を楽しみたい人」として、当時としてはまだ珍しかった食事付きの観光列車の運行を開始したところ、利益の大幅なV字回復を実現しました。[注1]

こうした事例からも、ペルソナをもとにターゲットを決める重要性が見えてきますね。

 

ペルソナは具体的かつ詳細に設定すべし

ペルソナのプロフィール情報は、なるべく具体的に細かく設定するのが大事です。

一人の人物として細かく設定することで、社内にペルソナのイメージをきちんと共有できるようになります。

① 基本情報(名前・性別・年齢等)

基本的な設定だけでなく家族構成や勤務形態などまでまとめられれば、ペルソナの生活シーンを想起しながら「普段はこんな悩みや欲求を持っていそう」と考えやすくなります。

BtoBでのマーケティングの場合、ペルソナは会社自身やその会社の担当者となり、プロフィール設定も規模や経営方針など会社の基本情報が中心になります。

 

② ペルソナが悩みや欲求を感じる理由

ペルソナの悩みや欲求を設定する際、「〇〇だから××したい」というように悩みや欲求を感じた理由も考えられればベストです。

例えば「観光地に新店舗を出すから、内装は周囲の情景に合ったものを選びたい」といった感じです。

余裕があれば悩みを解決するためにこれまでしたこと、欲求を実現させたい期日など周辺設定も立ててあげられると、さらに顧客の心情に合わせたアプローチがしやすくなります。

 

ペルソナを設定するために必要なこと

まずはペルソナの設定のもととなる顧客データを集めます。

アンケートや申し込みフォームなどで直接、顧客から悩みや欲求を聞くのが一番手っ取り早いです。

他にもGoogle Analayticsなどの分析ツールを使って、顧客のアクセスデータを集めていくのも効果的です。

十分な顧客データが集まったら属性や悩み・欲求で顧客をグルーピングしていき、その中からどれをもとにペルソナを設定するべきか決めます。

あとはまとめたデータをもとに、ペルソナを一通り設定させていくだけです。

 

ペルソナの人物像を試しに考えてみた

目的や作り方などをふまえて、ペルソナの例を一つつくってみました。

夏休みの時期ということで、売り出したいものは国内の人気リゾート地へのパック旅行の商品とします。

過去のデータを分析すると、この商品は家族での利用が多く購入者の内訳を見ると首都圏や京阪神圏に住む40・50代の男性の方が多いようです。

これだけでペルソナのおおまかな枠組みが作れそうですね。

さらに調べてみると、商品の紹介ページのうち観光案内の部分は朝早くや夕方遅くにアクセスが多く、ホテルや飛行機の予約ページへのリンクは夜中にアクセスが集中しています。

おそらく通勤や帰宅の途中に情報を調べて、帰宅後に家族と話し合ったのち予約にいたるというパターンの顧客が多いのでしょう。

そこから、今回はこのようなペルソナを作ってみました。

  • 名前:飯田橋 一郎
  • 年齢:40代
  • 性別:男性
  • 職業:ITエンジニア(インフラ運用)
  • 勤務先:大手銀行のIT事業部
  • 役職:中間管理職兼インフラエンジニア
  • 勤務形態:基本は都心の本社ビルに通勤しているが、月の半分ほど千葉県のサーバーセンターに日帰りで出向している。トラブル対応やビッグデータの更新作業などで残業や休日出勤も多い。
  • 年収:年収は800万円
  • 家族構成:妻と二人の娘の四人暮らし。
  • 悩み:業務時間が不安定なため、家にいる時間も少なく家族付き合いがかなり疎かになり気になっている。母や娘の友人は夏休みに帰省や旅行へ出かける人も多く、夏休みに家族をどこか連れてきたいと考えているが、旅行の計画を立てる時間的余裕が持てられない…。

このペルソナ設定をもとに「家族旅行におすすめの観光地をまとめて紹介」というようなコンテンツを用意してあげれば、新規の顧客へのアプローチもしやすくなります。

 

ペルソナの持つ悩み・欲求を巧みにいかそう

ペルソナを立てる目的はターゲットとなる顧客がどんな悩みや欲求を持っているか明確にすること。

顧客の悩みや欲求に自社の製品やサービスがどう役立つのか理解してもらえるようマーケティングできれば、顧客の意欲関心もきっと高まります。

まずはアクセス分析などで顧客データを集め、まとめた情報をもとにペルソナの人物像をできるだけ具体的に設定していきます。

実際の顧客の声を集めてペルソナの設定として活かすため、アンケートやSNSでの問いかけなどの方法も効果的ですよ。

 

・関連資料のリンク

[注1] 肥薩おれんじ鉄道 | おれんじ食堂

 

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