Z世代マーケティングで知っておいた方がいい5つのこと

Z世代と呼ばれる若年層は今後の消費力の要となる世代であることから、多くの企業がZ世代へのマーケティングに力を注いでいます。

Z世代は他の世代とは異なる消費行動を取る傾向にあるため、Z世代マーケティングの特徴をよく理解し、適切な施策を行うことが大切です。

今回はZ世代マーケティングで知っておいた方がよいことや、Z世代マーケティングを成功させるポイントについて解説します。

Z世代マーケティングで知っておきたいこと5選

Z世代マーケティングを実施するにあたって事前に知っておきたいことを5つご紹介します。

Z世代の特徴1. トレンドに敏感

Z世代はインターネットやスマートフォン、SNSの普及など、めまぐるしい変化の中で生まれ、生活してきた世代です。

そのため、大きな変化への適応力が高く、次々に現れるトレンドを積極的に追いかける傾向にあります。

中にはZ世代に長く影響を与えるコンテンツもありますが、基本的にトレンドの寿命は短いため、いかに旬のトレンドを押さえ、それに関連する情報やサービスを届けられるかが重要なポイントになります。

Z世代の特徴2. SNSの使い分け

現代にはさまざまなSNSが流通していますが、総務省が発表した調査資料によると、Z世代を含む10代～20代の主なSNSの利用率は以下のようになっています。[注1]

Z世代の上記5つのSNS利用率は、いずれも他の世代よりも高い傾向にあり、Z世代が多彩なSNSを使い分けている実情がうかがえます。

なぜSNSを使い分けるのかというと、SNSの種類によって用途や特徴が異なるためです。

実際、年代別にSNSの利用目的を調査した結果によると、Z世代の上位5つは以下のようになっています。[注2]

• 従来からの知人とコミュニケーションのため
• 知りたいことについて情報を探すため
• ひまつぶしのため
• 新たな交流関係を広げるため
• 災害発生時の情報収集・発信のため

Z世代はこれらの目的に合わせてより適切なSNSを選んで使用していることから、マーケティングでは複数のSNSによるアプローチを検討する必要があります。

Z世代の特徴3. トキ消費・エモ消費・ヒト消費

消費行動にはさまざまな種類があり、それぞれ特徴や流行した年代に違いがあります。

かつては希少なブランド品を所有するモノ消費や、商品やサービスを通じて得られる体験を重視するコト消費が重視されてきました。

しかし、現代のZ世代はその瞬間でのみ得られる体験を重視するトキ消費や、感情を満たすことを重視するエモ消費、好きなタレントやキャラクターなどのヒトを消費することを重視したヒト消費などに注目しています。

そのため、Z世代マーケティングではトキ消費、エモ消費、ヒト消費に重きを置いた施策を講じるのがポイントとされています。

Z世代の特徴4. 情報拡散力がある

Z世代は子どもの頃からインターネットやスマートフォンなどのデジタル端末、SNSに慣れ親しんできたデジタルネイティブです。

そのため、他の世代に比べてオンライン上での情報発信に対するハードルが低く、日常的に自分の意見や身の周りで起こった出来事を発信したり、自分が興味を持った情報をシェアしたりしています。

特にSNSは情報の拡散に長けているため、Z世代自身がトレンドを作ることも珍しくありません。

Z世代の特徴5. 情報の信頼性を重視

Z世代はインターネットを利用した情報収集に慣れており、膨大な情報の中から信用度の高いものを見極める能力に長けています。

そのため、根拠の曖昧な情報を提示するとたちまち信用を失い、企業にネガティブなイメージを持つ原因となるので注意が必要です。

Z世代マーケティングを成功させるコツ

ここまで紹介した内容を踏まえ、Z世代マーケティングを成功させるためのコツを5つご紹介します。

1. 常にトレンドを把握しておく

トレンドに敏感なZ世代のマーケティングでは、常にトレンドを意識した情報発信や商品開発を意識する必要があります。

情報発信のためのトレンド調査なら、リアルタイムなトレンドをチェックできるSNSで情報収集するのがおすすめです。

一方、インターネット上でアンケート調査を実施したり、コミュニティサービスを立ち上げて反応を窺ったりして、潜在的なニーズの把握に努めるのもよいでしょう。

2. モノやサービスを使うことに意味を持たせる

Z世代はトキ消費やエモ消費などに代表されるように、モノやサービスを購入・使用した後に得られる体験を重視する傾向にあります。

そのため、商品やサービスを開発する際は、利用した後にどのような体験ができるかを第一に考えることが大切です。

例えば、そのサービスを利用することで自分の意見やスタンスを表現できたり、商品の購入を通じた寄付によって社会貢献できたりすると、他にはない特別な体験を得られる商品・サービスとしてZ世代から注目を集めることができます。

3. プラットフォームを使い分ける

Z世代は用途や目的に応じてさまざまなSNSを使い分けているため、企業側も複数のプラットフォームを活用してマーケティングを行った方が効率的にアプローチできます。

例えば、ブランドの認知力を高めたいのなら情報拡散力の高いXやTikTokを、見栄えする商品やサービスをアプローチするならInstagramをそれぞれ利用すると、より効果的な宣伝を行えます。

また、詳しい商品・サービスを紹介したいときはYouTubeなどで動画を配信するのがおすすめ。

Z世代は費やした時間と、それによって得られた満足度を対比するタイムパフォーマンス（いわゆるタイパ）を重視する傾向にあるため、コーポレートサイトで長々としたテキストを掲載するよりも、短時間で情報を得られる動画で説明した方が最後まで閲覧してもらいやすいでしょう。

4. 情報の信頼性を高めておく

Z世代への訴求力を高めるには、情報の信頼性を担保することが大切です。

例えば、第三者機関によるエビデンスを提示したり、実証実験の結果をデータとして報告したりすると情報の信ぴょう性が増し、Z世代からの信頼を獲得しやすくなります。

5. インフルエンサーを起用する

インフルエンサーは、特にインターネット上で人々に大きな影響を与える人物です。

インフルエンサーはZ世代を中心に多くのファンやフォロワーを抱えているため、に社の商品やサービスを宣伝してもらえば、SNSを通じてZ世代へ効率的にアプローチできます。

ただし、インフルエンサーによるマーケティング戦略はすでに多くの前例があるため、あからさまな宣伝を行うとかえって逆効果になるおそれがあります。

そのため、インフルエンサーを起用する際は、自社の商品・サービスの詳細や魅力などをきちんと理解してもらった上で、インフルエンサー自身の言葉で表現してもらった方が自然なアプローチになるでしょう。

Z世代マーケティングを行う際は彼らのことをよく理解しておくことが大切

Z世代はそれ以前の世代とは異なる時代や生活環境で育っているため、考え方や価値観などに大きな違いがあります。

他の世代と同じ方法でマーケティングを行ってもZ世代には響かない可能性があるので、ターゲットであるZ世代の特徴をよく理解した上で、効果的な施策を講じるようにしましょう。

・関連資料のリンク

[注1] 総務省「令和４年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」
[注2] 総務省「令和４年通信利用動向調査報告書（世帯編）」