採用マーケティング3つのポイント

採用マーケティング3つのポイントプロモーション

少子高齢化によって労働生産人口の減少が予想されている現代日本では、優秀な人材を確保するための採用マーケティングに注目が集まっています。

適切な採用マーケティングを実施すれば、募集の増加やミスマッチの減少など複数のメリットを期待できるので、基礎やコツを押さえて積極的に取り組むことが重要です。

今回は採用マーケティングで知っておきたい基礎知識や、採用マーケティングの進め方、成功するためのポイントについて解説します。

採用マーケティングで知っておきたい基礎知識3つ

採用マーケティングに取り組むにあたって知っておきたい基礎知識を3つご紹介します。

採用マーケティングの目的

採用マーケティングの目的は、求職者からの応募数を増やすことと、入社後のミスマッチを減らすことです。

人材採用では、ただ応募数を増やせばよいというわけではなく、自社のニーズにマッチした人材を確保しなければなりません。

そのためには、自社の求める人材像を明らかにするとともに、自社の魅力や強みのアピール、目的に応じた手法の選定といった採用マーケティングを実施する必要があります。

ただやみくもに応募数を増やすことが目的ではないので、従来の質より量を求める採用手法とは根本的な違いがあることには注意しましょう。

 

採用マーケティングの対象者

従来の人材採用では、アプローチ対象となるのは就職や転職を考えているターゲット層のみに限定されていました。

しかし、採用マーケティングでは就職・転職活動を実際に行っている層だけでなく、就職・転職の意欲はあるものの具体的な活動に至っていない潜在層や、過去に採用しなかった候補者、内定辞退者、退職者など幅広い層がアプローチ対象です。

対象が広くなったぶん、それぞれの層に適したアプローチ方法や採用チャネルを利用する必要があるため、より計画的な進め方が重要となります。

 

採用ブランディングとの違い

採用マーケティングと混同されやすい言葉に、採用ブランディングがあります。

採用ブランディングとは、労働環境や理念、文化などを構築し、ブランドとしての魅力を発信することで自社のファンの増加を目指すことです。

発信先のターゲットには求職者だけでなく、自社に興味や関心を抱いている人も含まれており、採用の土台づくりの意味を持ちます。

一方の採用マーケティングは求職活動を行っている人や、その意欲がある人がメインターゲットとなっており、特定の層に対して積極的なアプローチを行うものです。

採用ブランディングとはターゲット層や手法が異なるため、混同しないよう注意しましょう。

 

採用マーケティングの進め方 5つのステップ

採用マーケティングは目的やニーズに合わせて計画的に進めていく必要があります。ここでは採用マーケティングの基本的な進め方を5つのステップでご紹介します。

自社の分析を行う

採用マーケティングでは、まず自社の分析が必要です。

分析方法は複数ありますが、顧客・市場や競合、自社を明確化して事業の成功要因を見つけ出す3C分析や、自社の強み・弱みや自社にとってプラス・マイナスになる要因を可視化するSWOT分析、自社の立ち位置や理想のポジションを明確にするSTP分析などが多用されます。

分析結果をチェックすれば、どのような人材が必要なのか、ターゲット層にはどういったアプローチを行えばよいのかなどを把握しやすくなります。

 

採用ペルソナを設定する

採用ペルソナとは、自社が求める理想の人材像を表すモデルのことです。

自社分析から導き出された結果を基に、人材の年齢や性別、家族構成、趣味・特技、価値観、ライフスタイル、職歴などを設定し、採用ペルソナを創り上げます。

ペルソナを設定すれば、どのようなアプローチを行うのが効果的なのか判断しやすくなる他、人材のミスマッチ防止に役立ちます。

また、ペルソナを採用にかかわる社員全員で共有しておけば、経営陣と人事の考えに齟齬が生じるなどの問題も減らすことが可能です。

 

採用のチャネルを決定する

かつては採用チャネルといえばハローワークや求人誌などが主流でしたが、現在はインターネットの普及により、SNSやコーポレートサイト、動画配信サイトなど、チャネルが多様化しています。

複数のチャネルを併用するのも一つの方法ですが、管理やコストの問題があるため、ターゲットに合わせてチャネルを絞った方が効率的です。

例えば、新卒者など若い世代をターゲットにするならSNSの活用が有効で、内定辞退者や退職者をターゲットにする場合は本人に直接アプローチするダイレクトスカウトが効果的です。

 

ターゲットへのアプローチ方法を決める

ターゲットとチャネルが決まったら、具体的なアプローチ方法を企画します。

例えばSNSを利用するのなら、発信するコンテンツの内容や、発信頻度、運用担当者の選定などを決めます。

利用するチャネルによってアプローチ方法が大きく異なるので、それぞれのチャネルの特徴を理解した上で企画を練りましょう。

 

企画の実施および結果の分析

企画に沿って採用マーケティングを実施したら、必ずその結果を分析するようにしましょう。

具体的には、当初の予定どおりの結果を得られているか、目標に届いているか、企画の実施にあたって問題やトラブルが発生していないか、などをチェックします。

課題や問題が見つかった場合はその原因を追求し、必要に応じて改善を行います。

 

採用マーケティングを成功させる3つのコツ

採用マーケティングを成功させるために押さえておきたいコツを3つご紹介します。

その1:採用ターゲットの理解に努める

自社が求める人材へ効果的にアプローチするためには、採用ターゲットがどのような志向を持っているか、どういったニーズを抱えているかなどをよく理解しておく必要があります。

採用ターゲットへの理解を深める方法はいくつかあり、代表的なものは採用市場のリサーチやターゲットへのWebアンケートなどです。

また、採用マーケティングの一環としてインターンシップを実施し、参加した学生にヒアリングを行うという手法も広く導入されています。

 

その2:小規模からスタートする

採用マーケティングはすぐに結果が出るものではなく、かつPDCAを何度も回してブラッシュアップしていく必要がある取り組みです。

そのため、最初から多額の予算や多くの人員を投入すると、費用対効果が低くなってしまうおそれがあります。

取り組みの初期は予算も人員も小規模に抑え、結果が伴ってきたら徐々に規模を大きくしていくとよいでしょう。

 

その3:PDCAサイクルを回す環境を整える

前述のとおり、採用マーケティングではPDCAを効率良く回すことが欠かせません。そのためには、計画(Plan)→実行(Done)→評価(Check)→改善(Action)をシステム化することが大切です。

具体的には、計画の目標や期間を明確にする、進捗状況を記録・管理する、実施内容を確認・評価するペースを決める、などです。

採用マーケティングの企画段階でPDCAサイクルの仕組みを整えておけば、実行に移した後、スムーズにブラッシュアップし続けることができます。

 

採用マーケティングは基礎をしっかり押さえて計画的に進めよう

採用マーケティングは従来の方法とは異なり、量よりも質を重視する採用手法です。

やみくもに応募数を増やすのではなく、自社を分析して求める人材像を明確にした上で、ターゲットに対して効率的にアプローチすることを目的としています。

そのためには、自社分析を徹底することはもちろん、採用ペルソナの設定やターゲットに適したチャネルの選定、企画の実施および結果の分析などを行うことが大切です。

ただ、採用マーケティングの結果が出るまでには時間を要するので、最初はスモールスタートし、徐々に規模を拡大していくことをおすすめします。

 

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