ビジネスシーンでは、さまざまなカタカナ言葉がビジネス用語として用いられます。
ビジネス用語が分からないとコミュニケーションに悪影響を及ぼす恐れもあるため、気をつけましょう。
本記事では、ビジネス用語でよく使われるカタカナ言葉について解説します。
【使用頻度×分からない率】カタカナ言葉ランキング20選
使用頻度が高い一方で、意味がなかなか理解されていない傾向にあるビジネス用語を、独自の視点で以下にピックアップしました。
- コミット
- ローンチ
- ブレスト
- ペルソナ
- バッファ
- イニシアチブ
- フィジビリティ
- アセット
- アライアンス
- アジャイル
- KGI
- ステークホルダー
- ナレッジ
- バジェット
- コアコンピタンス
- キャズム
- コストリダクション
- NR
- アサイン
- メンター
それぞれの意味について解説します。
コミット
コミットは使用頻度が高いうえに、ぼんやりとしか意味を認識していない人が多いカタカナ言葉です。
英語でコミット(commit)は、約束する、任せるといった意味を持ちます。
ビジネスシーンでは、積極性を持って関わる、責任を持つ、約束するといった意味で用いられます。
コミットを使った例文は次のとおりです。
- 来年度までに前年比売り上げ〇%増加をコミット(約束)します
- 事業拡大に向けて全力でプロジェクトにコミット(参加)します
ローンチ
英語でローンチ(launch)は、立ち上げ、打ち上げといった意味を持ちます。
ビジネスシーンでローンチを使う際は、売り出す、公開する、発表するといった意味で用いられます。
具体な使用例は次のとおりです。
- 〇月〇日から新商品をローンチ(発売)します
- 〇月〇日から新サイトをローンチ(公開)します
ブレスト
ブレストとはブレインストーミング(brainstorming)の略で、複数の参加者が自由に意見を交換して新しいアイディアを生み出す取り組みです。
例えば次のような方法で用いられます。
- 来週の会議はブレストで実施します
- 次回のブレストの司会を務めてください
ペルソナ
ペルソナ(persona)はもともと心理学用語として用いられていました。
ビジネス用語におけるペルソナは商品やサービスを利用している典型的なユーザー像を意味します。
具体的には次のように用いられます。
- マーケティングにあたってペルソナを明確にしてください
- 商品のペルソナについて教えてください
ペルソナに似た用語として挙げられるのがターゲットです。
両者を比較した場合、より詳細にユーザー像を設定するのがペルソナです。
バッファ
英語でバッファ(buffer)は、緩衝材や緩衝装置を意味します。
ビジネスシーンでは、余裕やゆとりという意味で使われるのが一般的です。
例えば次のように用いられます。
- 作業工程が多いためスケジュールにバッファをもたせてください
- バッファを含んだ予算を組んでください
なお、バッファを在庫に対して用いる場合、予備とも訳されます。
イニシアチブ
ビジネスシーンで、イニシアチブ(initiative)は先導もしくは主導権を握るという意味で使われます。
例えば、次のように用いられます。
- リーダーとしてイニシアチブを持ってください
- 市場のイニシアチブを取ることで売り上げ拡大を目指します
ビジネスシーンにおけるイニシアチブの類語として、リーダーシップや積極性が用いられるケースもあります。
フィジビリティ
フィジビリティ(feasibility)は、実現可能性と訳されます。
ビジネスシーンではフィジビリティにスタディを加えた、フィジビリティスタディ(実現可能性調査)として用いられることがあります。
フィジビリティを使った例文は次のとおりです。
- 次回の会議は新規事業のフィジビリティについて話します
- フィジビリティに課題が残ります
アセット
アセット(asset)は、資産や財産を意味する言葉です。
ビジネスの場面では、経営資源のようにビジネスにおける強みという意味でも用いられます。
アセットを使った例文を以下で紹介します。
- 自社のアセットを洗い出しました
- 新たなアセットになる技術です
アライアンス
アライアンス(alliance)は、同盟や組合といった意味を持ちます。
ビジネスシーンでは、業務提携や戦略的同盟とも訳され、企業同士が互いの強みを持ち合う経営手法を指す際に用いられます。
アライアンスを使った例文は次のとおりです。
- 〇社とアライアンスを結びました
- アライアンス先の拡大を目指します
アジャイル
アジャイル(agile)には、素早い、機敏といった意味が備わっています。
一方、ビジネスシーンでは、変化する状況に臨機応変に対応するという意味で用いられています。
ソフトウェア開発の分野では、短期間で開発工程を繰り返すアジャイル開発として用いられるのが一般的です。
アジャイルを使った例文は次のとおりです。
- アジャイル開発に取り組みます
- アジャイルな組織を目指します
KGI
KGIはKey Goal Indicatorの略で、経営目標達成指標を意味します。
KGIは組織のビジョンなどを数値で具体化する重要な指標です。
KGIを使った例文は次のとおりです。
- 次の会議ではプロジェクトのKGIについて話します
- KGI達成のために必要な要素です
ステークホルダー
企業は事業を進めるうえでさまざまな利害関係者と関わります。
このような利害関係者を指す言葉がステークホルダー(stakeholder)です。
クライアントや株主、従業員、地域社会などステークホルダーは多岐にわたります。
ステークホルダーの例文は次のとおりです。
- 株主総会でステークホルダーの理解を得ます
- ステークホルダーを意識した経営をします
ナレッジ
ナレッジ(knowledge)は知識や知見を意味する言葉であり、ビジネスにおいては、企業や組織に有益な知識・知見を指します。
ナレッジに似た言葉としてスキルが挙げられます。
ナレッジに対してスキルは実践的な能力を指す傾向にあります。
ナレッジの例文は次のとおりです。
- チーム内でナレッジを共有します
- ナレッジを次回の業務に活かします
バジェット
バジェット(budget)は、予算や経費、運営費などを指す言葉です。
ビジネスシーンでは、経費を意味するのが一般的です。
しかし、旅行業界やアパレル業界では、格安を意味するケースがあります。
バジェットを使った例文は次のとおりです。
- 来年度のバジェットを決めます
- イベント成功のためにはある程度のバジェットが必要です
コアコンピタンス
コアコンピタンス(core competence)は、直訳すると中核能力です。
他社には真似できない自社のノウハウや強み、顧客に利益をもたらす能力などがコアコンピタンスに当てはまります。
コアコンピタンスを用いた例文は次のとおりです。
- 自社のコアコンピタンスを明確にします
- コアコンピタンスを見直します
キャズム
キャズム(chasm)とは、大きな溝という意味です。
ビジネスにおいては、新商品やサービスを顧客に浸透させる際の障害を指します。
キャズムを使った例文は次のとおりです。
- キャズムを乗り越えて顧客に商品を届けます
- 新商品発売にあたって発生するキャズムを分析します
コストリダクション
コストリダクションはcost(費用)とreduction(削減)を合わせた言葉で、コストの縮小・削減を意味します。
コストリダクションと似たカタカナ言葉として、コストコントロールが挙げられます。
コストコントロールは、原価に着目してコストを削減する方法です。
コストリダクションを用いた例文は次のとおりです。
- コストリダクションに取り組みます
- 次回の打ち合わせの議題はコストリダクションについてです
NR
NRはNo Returnの略で直帰を意味します。
オフィスに設置されたホワイトボードにNRと記載されている場合、その従業員は出先からそのまま帰宅するという意味です。
NRは口頭ではなく、次のようにホワイトボードなどに記載するのが一般的です。
- 〇月〇日はNRです
- 〇月〇日NR
アサイン
アサイン(assign)は任命、割り当てなどを意味する言葉です。
ビジネスの場面においては役職に任命する、業務を従業員に割り当てる際に用いられます。
アサインを用いた例文は次のとおりです。
- 新入社員研修に〇〇さんをアサインします
- 新規プロジェクトのリーダーに〇〇さんをアサインします
メンター
メンター(mentor)は指導者や助言者などと訳されます。
ビジネスシーンでは若手従業員の相談役となる従業員がメンターです。
このようにメンターを設ける制度はメンター制度と呼ばれています。
メンターを用いた例文は次のとおりです。
- 弊社はメンター制度を導入しています
- 若手従業員のメンターに〇〇さんを任命します
ビジネス用語を理解して業務を円滑に進めよう
ビジネスシーンではさまざまなカタカナ言葉が用いられます。
中には意味を正確に理解していないカタカナ言葉もあるかもしれません。
意味を正確に理解していないとビジネスに支障が生まれる恐れがあります。
ビジネス用語を正しく理解して、業務を円滑に進めましょう。