マーケティングを取り巻く環境の変化
近年、マーケティングとマーケターを取り巻く環境は目まぐるしく変化していますが、2025年もマーケティングの世界は変革期を迎えるでしょう。
テクノロジーの変化、消費者の行動変化、そして社会全体の価値観の変化がマーケティング戦略にかつてないほどの大きな影響を与えるはずです。
従来の知識やスキルだけでは対応できなくなっていく中で、新たなテクノロジーやトレンドを捉え、柔軟に学び、企業としての意識改革を求められる1年になりそうです。
本記事では、これらの変化を踏まえ、2025年のマーケティングトレンドを詳しく解説していきます。
2025年のマーケティングトレンド4選
AIの高度化によるマーケティング業務の自動化
AIの高度化が進む中で、すでに業務内でChatGPTやGeminiなどのAI技術を活用している方も多いと思います。
従来のマーケティング手法がAIの技術によって効率化され、代替されていくという流れは今後ますます進んでいくでしょう。
特に、データ分析やパーソナライズ、コンテンツ生成、広告運用など、さまざまな領域で自動化が進んでいきます。
マーケターは、AIが生成したり運用したコンテンツを評価し、戦略を担う役割へとシフトしていくことになります。
一部ではありますが、以下はAIによってマーケティング業務の自動化が進んでいる具体的な内容です。
データ分析と予測分析
AIは大量のデータを短時間で処理し、そこから有用な洞察を導き出すのに長けています。
顧客行動やトレンドの分析、顧客行動の分析はAIに任せられます。
コンテンツの自動生成
マーケターがかなりの時間を費やしているコンテンツの作成も、AIによってかなりの時間短縮を実現できます。
広告コピーやブログ記事、SNS投稿を、SEOに最適化したかたちで生成してくれるようになります。
これにより、ターゲティングや企画など上流の部分に時間をかけられるようになります。
広告運用の最適化
これはすでに多くの企業でもAIでの運用を実施しているかと思います。
Google広告でも、以前のようにキーワードひとつひとつに入札単価を設定していた頃よりも、大量のデータを学習したAIが広告を運用した方が高いパフォーマンスを出すことがわかっています。
顧客サポートの自動化
AIによるチャットボットは、人間とは違い24時間365日働いてくれます。
人手不足の中、なるべく有効に使いたいテクノロジーです。
顧客からの全ての質問に回答することはまだ難しいかもしれませんが、顧客の購買データなどのデータを短時間で処理し、最適な提案をするのはAIの方が向いています。
メタバースやVRにおける新たな顧客体験の創出
メタバースやVRは、仮想空間と現実世界が融合した新たなデジタル領域です。
新しい形の顧客体験を創出するチャンスとして注目が集まります。
顧客はWebから情報を得る機会が圧倒的に増えてきましたが、通常のWebサイトやSNSでは顧客体験価値を最大化することが難しくなってきています。
そんな中で、メタバースやVRの活用がビジネスシーンにおいても増えてきています。
没入型の新しい体験
仮想空間内でショッピングやイベントに参加し、実際に商品を手に取ったり試したりする体験をWeb上で行えるようになります。
物理的な制約を超えて、顧客に体験価値を提供することが可能になります。
新しい形の集客施策
オンライン上で施設をメタバース、VR化することで、顧客は事前に施設を訪問し、下見をすることが出来ます。
オンライン上で体験したら現地には来てくれないのでは?と思う方もいるかもしれせんが、むしろ逆です。
科学博物館では、VRを公開したことでコロナ禍にも関わらず入場者を増やした事例もあります。
Web上での体験が認知度を上げ、現地に行ってみたいという期待感を高める効果に繋がるのです。
教育とトレーニングの新しい方法
メタバースやVRは教育やトレーニングの分野でも革新的な影響をもたらします。
従業員だけではなく、製品を導入する顧客に対しても、製品やサービスの体験的な学習の機会を与え、インタラクティブなデモンストレーションによって商品理解を促進します。
パーソナライズマーケティングの進化
かつては顧客の基本情報によってのみパーソナライズされていたマーケティング活動が、AIや機械学習、ビッグデータなどの技術革新によって、より高度で緻密なパーソナライズ化を実現します。
以下は、2025年に進化していくパーソナライズマーケティングの内容です。
AI機械学習による「超」パーソナライズ化
AIは顧客行動と購買履歴をただ単に追跡するのではなく、より深く予測・分析することができるようになり、パーソナライズ化の精度が格段に上がります。
Netflixでも、ユーザーの行動履歴をAIが分析して作品をレコメンドしています。
作品の出し分けだけではなく、タイトルの選び方や作品の並び方、サムネイル画像に至るまでパーソナライズ化されています。
結果、Netflixでは再生される作品のおよそ80%が検索ではなくレコメンデーションを通じて選択されています。
5GとIoTによるリアルタイムパーソナライズ
5GネットワークとIoT技術の進化により、企業はリアルタイムで消費者の行動を追跡し、情報を即座に反映させたパーソナライズなマーケティング活動を展開することが可能になります。
スマートウォッチやスマート家電などのデータも統合し、生活のあらゆるところから情報を取得し、マーケティングへ活用していきます。
パーソナライズ化によってデジタルにとらわれないマーケティング手法を実践
顧客の行動分析が進むと、デジタルではリーチしない顧客層が浮き彫りになってきます。
この場合には、架電やDM、資料の郵送などのオフライン施策が有効になってきます。
今までセグメントするための情報が不足していた時には無駄だと思われていた郵送コストなども、顧客の行動履歴を分析し、無駄なくオフライン施策が打てるようになります。
サステナビリティへの意識の高まりとESG投資の拡大
サステナビリティへの意識の高まりとESG投資の拡大は、企業にとって重要なマーケティング戦略の一部であり、2025年以降も無視できない要素のひとつです。
サステナビリティマーケティングの観点から、2025年のトレンド予測を以下に紹介します。
消費者のサステナビリティ意識は高まっている
サステナビリティに配慮したサービスや商品を自ら選択する消費者は増えています。
近年の気候変動から、地球温暖化を自分事として捉える動きも高まっています。
特に、10代後半の環境意識は全体で底上げされており、購買行動にも影響します。
企業の社会的責任活動が重要なマーケティング要素に
2024年4月には改正障害者差別解消法が施行され、事業者に対し「合理的配慮」の提供が義務付けらたこともあり、企業のCSR活動も重要なマーケティング要素となっています。
企業が社会や環境に対してしっかりと貢献し広報することで、ブランド価値が高まり、消費者や投資家から選ばれる理由となります。
SDGsウォッシュに気を付ける
SDGsウォッシュとは、企業がSDGsを利用してブランドのイメージアップを図るマーケティング活動をしているにも関わらず、実際には取り組みが不十分な状態であることです。
消費者を騙す行為であり、企業価値の低下や信頼を損なうリスクとなります。
顧客は企業が真摯にSDGsに取り組むことを期待しています。
表面的な言動ではなく、実効性のある改善を広くアピールしていかなければなりません。
2025年はマーケティングの変革期
2025年は、テクノロジーの変化、消費者の行動変化、社会全体の価値観の変化がマーケティング戦略に大きな改革を必要とする1年となりそうです。
人を介して行うマーケティングの領域もどんどん狭く、尖っていくのではないでしょうか。
コムデザでは、2025年も企業のコミュニケーション担当者のために「わかりやすさ」をコンセプトに、課題解決のヒントをお届けしていきます。
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