ヒゲモン
こんにちは。文様研究室、シニア研究員のヒゲモンです。
今日は吉祥文様と呼ばれる縁起の良い文様の中でも、良い事の兆しを示す「瑞兆文様」と呼ばれているものをご紹介いたします。
瑞兆文様とは幸運を願って入れる日本古来の伝統文化
瑞兆とは「良い事のきざし」という意味です。
瑞兆文様は「これを見つけたら、良い事がおきるのではないか。良いことが起きて欲しい」という願いと祈りで伝えられてきた文様です。
モチーフは大きく分けると「花(木)」と「鳥(獣)」です。
瑞兆の花といえば、冬に咲く「水仙」や神木といわれる「桜」も瑞兆といえるでしょう。
水仙は冬にさくその凛とした姿に瑞兆を感じ、まだ来ぬ春を待ちわびる原動力となっていたと思います。
五穀豊穣の神木といわれる「桜」は、春に美しく多く咲けば秋に良い収穫が得られると人々に希望を膨らませてきました。
樹木を覆う桜の花の量と美しさの迫力は、今の時代でもこの世のものとは思えない美しさに溢れています。
また昔の人々に、幾何学模様がどこまで見えていたは分かりませんが、雪の結晶も「雪の花」として瑞花(ずいか)と呼ばれていたようです。
雪の結晶を文様化した「雪輪」は季節を問わず吉を願う瑞兆文様として親しまれてきました。
瑞兆の鳥として中国や日本で古くから呼ばれているのが鳳凰、白雉(はくち:白いキジ)、朱雀、三足鳥(日本サッカー協会のマークにも使われています)です。
有名な鳳凰は桐の枝にしかとまりません。めったに咲かない桐の花も瑞兆花として尊ばれていました。
戦争やコロナなどなかなか良い兆しが見えてはいませんこの頃ですが、日常生活の中で何か良い事の兆しを見逃さないようにしたいものですね。
記者名:ヒゲモン
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