リアル媒体、特に印刷物ですと一度印字したものは変えることが出来ませんよね。
その点についてはweb媒体の方が柔軟性は高いように思います。
しかし今回ご紹介する事例では、とある手法を用いて文字が変化する広告をリアル媒体で作成していました。どのような仕掛けなのでしょうか。
早速ご紹介したいと思います。
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受験生の心に寄り添い、変化するメッセージ広告
株式会社明治は明治プロビオヨーグルトR-1のプロモーションの一つとして、大学入学共通テストの初日である1月15日から試験会場の最寄り駅・路線に「受験生応援広告」を展開しました。[注1]
このプロモーションは2021年より展開した“受験生あるある”を始めとする応援企画の続編です。
渋谷駅前の屋外看板「墾田永年私財法」がSNSで話題になったのは記憶に新しいですよね。
(非常に懐かしい単語……。私も当時必死に覚えました。)
またTwitter上で「悩める受験生 親の会」というコミュニティを発足。
今回掲示された広告の内容は、実際にTwitter上で集まった受験生を持つ親たちからのメッセージでした。
「母のパワーを全部送ります!」
「とにかく全部埋めるように」
「事前にトイレ行っとくんだよ!」
悩める受験生 親の会
デザインはシンプルにメッセージのみ。
このメッセージが、会場へと向かう多くの受験生を勇気づけたことでしょう。
そして試験終了後、駅へと戻る受験生の目に映った広告は行きとは異なるメッセージでした。
「お風呂沸いてるから入りや」
「お父さんも今晩は飲みます」
「あなたを誇りに思うよ」
悩める受験生 親の会
そこには、試験を終えた受験生を労うあたたかな言葉が溢れていました。
行きと帰りで変化する広告の仕掛けは、見る角度(上下左右)により異なるデザインへと切り替わるチェンジング効果を再現したベローズプリントという手法です。
シート上のレンズを用いたレンチキュラーという手法でも同様の仕掛けが可能です。
下敷きやカードなどのグッズで、皆さんも一度はこの仕掛けを目にしたことがあるのではないでしょうか。私自身、初めて目にしたのはグッズの下敷きでした。
「不思議だなぁ」と何度も頭を左右に揺らした記憶があります。
変化するという特性上、「派手なビジュアルの方が面白いのでは?」と考えてしまいがちですが、今回のように、シンプルな内容でも受け取り手の心情に沿えば効果的な見せ方ができるとわかりました。
受験生にとって忘れられない広告の一つになったのではないでしょうか。
レンチキュラーにベローズプリント…印刷はまだまだ奥深い
実はレンチキュラーは知っていたのですが、今回のブログを書くにあたりベローズプリントという手法を初めて知りました。
印刷会社に勤めて丸8年経ちますが、まだまだ知らないこともあるようです。
次回は第六弾です。
面白い事例がご紹介できるよう、日々アンテナを張って過ごしたいと思います!
・関連資料のリンク
[注1] 株式会社明治:悩める受験生の親の会 Presented by R-1