「印刷」と聞いたら、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。
おそらくほぼ全ての人が本や紙に印刷する様子をイメージするでしょう。
しかし印刷の対象物はそれだけでなく、非常に多岐にわたっています。
毎日使っているものの中には、実は製作工程の中に「印刷」が入っているものも少なくありません。
そこで幅広い「印刷」の種類について、二回に分けて説明していこうと思います。
今回は「印刷の分野」編です!
印刷の分野は大きく分けて7種類ある
印刷は、目的や用途にあわせておおよそ7つの種類に分けられます。
それぞれ、どれも私たちの生活や社会に密着しているもので無くてはならないもの。
日本全国に星の数ほどある印刷会社がそれぞれの得意とする印刷分野にて、日々印刷物を生産しています。
①:書籍や新聞などの「出版印刷」
書籍や新聞など有料の読み物に関する印刷です。
出版印刷は「定期出版印刷物」と「不定期出版印刷物」に分けられます。
定期出版印刷物 | 毎日、毎月のように定期的に販売される出版物。 新聞や雑誌など |
不定期出版印刷物 | 不定期で販売される出版物。 文庫本などの単行本、写真集、辞書、地図、教科書、楽譜、電話帳など |
②:広告や社内書類などの「商業印刷」
広告や社内で共有する書類など企業活動に利用されるものの印刷です。
商業印刷は「宣伝用印刷」と「業務用印刷」に分けられます。
宣伝用印刷 | 社外向けに広告として制作される印刷物。 ポスターや折込チラシやパンフレットなど |
業務用印刷 | 社内向けに制作される印刷物。 マニュアル、議事録、社内報、料金表、社史など |
③:パッケージなどの「包装印刷」
商品の梱包に利用されるものの印刷です。
包装印刷は印刷されるものによって「紙器包装用印刷」と「軟包装用印刷」と「その他の包装用印刷」に分けられます。
紙器包装用印刷 | 紙袋や紙コップ、段ボールなど厚みのあるパッケージに施される印刷。 |
軟包装用印刷 | プラスチックやアルミなど薄いパッケージに施される印刷。 |
その他の包装用印刷 | 缶詰やペットボトル、マスキングテープなどに施される印刷。 |
④:名刺や伝票などの「事務用印刷」
企業や役所などの事務作業で使われる紙製品の印刷です。
事務用印刷は「事務用品」と「ビジネスフォーム」に分けられます。
事務用品 | 企業や役所で一般的に使われる紙製品。ノート、手帳、封筒、はがきなど |
ビジネスフォーム | 帳票や伝票。 |
⑤:有価証券やチケットなどの「証券印刷」
金品やサービスと交換できる紙片やチケットなどの印刷です。
代表的なものには株券や商品券、入場券や預金通帳などがあります。
⑥:壁紙や化粧材などの「建装材印刷」
家具や建材などを装飾するために施される印刷です。
代表的なものに壁紙や床材、自動車や家具の化粧材などがあります。
⑦:基盤プリントなどの「その他の印刷」
紙材や木材、包装材以外に施される印刷です。
磁気ICカードやCD-ROM、基板や布地などあらゆる素材への印刷が含まれます。
「印刷」は一言で表せないほど様々なジャンルがある
今回は、印刷の分野についてどんな種類があるかお伝えしました。
本やチラシ以外にも、ビニール袋だったり、建物の壁だったり、家電製品の側面だったりと普段使っているありとあらゆるものが実は「印刷物」だったなんて、面白いですね。
もちろん何にどう印刷するかによって、使用する印刷機も変わってきますので、「うちは全ての分野の印刷をやってるよ!」という会社はまずないかもしれません。
だからこそ、それぞれの印刷会社が一番得意とする分野の印刷を担っているんですね。
次回は、「印刷の種類」編です!