インターネットの発展、そしてスマートフォンやタブレットの普及に伴い、私たちの身の回りではWEB媒体が当たり前のように溢れています。
TwitterやInstagramを代表とするSNSもその一つですね。
コマーシャルを一本打つよりも、インフルエンサーに紹介してもらうほうが確実に売れると言われる時代で、リアル媒体の存在意義はどこにあるのでしょうか。もう、必要ないのでしょうか。
紙というリアルな媒体を扱う印刷会社の一員だからこそ、熱い想いを持ってお答えします。「必要です!」と。
この記事では私の独断に基づき、リアル媒体を用いたプロモーション事例をご紹介します。
いまどき、折り込みチラシ?
フリマアプリのメルカリが北海道と愛知県を限定に朝刊へと折り込みチラシを打ち出しました。[注1]
折り込みチラシと言えば紙媒体、つまりはリアル媒体の定番ですよね。
前提として、そもそもの新聞発行部数が年々減少しており、折り込みチラシも伴っています。[注2]
当社でも仕事のご依頼が少なくなった印象です。
そんな状況下での折り込みチラシ。
いまどき、どうして?この疑問が浮かんだ方が多いのではないでしょうか。私もです。
新聞の購読者層とメルカリユーザー層を比較してみても、一見このプロモーションは見当違いのようにも思えます。
ですが今回の狙いは主婦(夫)層、シニア層、地方に住まいがある層なのです。
特にシニア層にとってはスマホアプリのメルカリに出会う場がなかったでしょうし、チラシを見て驚いたのではないでしょうか。
私の母親も立派なシニア層ですが、「なんてお得なの!」とチラシを赤ペンで囲む姿が思い浮かびます。効果的にリアル媒体を用いていますね。
表面はスーパーや家電量販店を思わせる王道のチラシデザイン、裏面はアプリの操作手順となっています。
最終的な着地であるインストールまでの誘導も完璧でした。
山手線がまるごと、一冊の本に。
みなさんはエミリンというYouTuberをご存知でしょうか。
登録者数160万人越えの人気YouTuberです。と言っても彼女の視聴層は10代~20代の女性が殆どを占めており、まだ多くの方が認知していないかと思います。
そんな彼女が初の書籍を出版した際、プロモーションの一つとして山手線をジャックしました。
それは車体ラッピングだけに限らず、なんと車内132パターンの中吊りで本文を丸ごと掲載。
先頭から後ろまで追っていけば一冊読み切ってしまう仕掛けだったのです。[注3]
ああ、この電車に乗りたかった!職業柄、中吊り広告はよくチェックしてしまうのですが、このような使い方は見たことがありませんでした。
彼女のことを知る由もなかったサラリーマンも、仕事帰りの電車で思わず眺めてしまうのではないでしょうか。
こういう子がいるのか、動画を見てみようかな、面白い、じゃあチャンネル登録でもしてみようかな。
ブログ内でも記事がありますが、カスタマージャーニーマップでいう認知からの興味の部分ですね。
リアル媒体がしっかりとその役割を担っています。
プロモーションは媒体を組み合わせるのが効果的!
スマホアプリもYouTubeもWEB媒体の一つです。
だからといってプロモーションの全てがその範囲内で完結するわけではありません。
リアル媒体も同じですね。効果的に組み合わせることがポイントです。
いかがでしたでしょうか。これからも印刷会社ならではの視点で、リアル媒体を駆使したプロモーションをご紹介…いや、熱く語っていきたいと思います!
・関連資料のリンク
[注1] WWDJAPAN:メルカリが朝刊に折り込みチラシ 北海道と名古屋限定で
[注2] 日本新聞協会:「新聞の発行部数と世帯数の推移」
[注3] PRTIMES:チャンネル登録者数160万人のYouTuberエミリン初の著書、山手線ジャック!
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