経済産業省の「電子商取引に関する市場調査」によると、令和元年(2019年)のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場の規模は、前年比7.65%増の19.4兆円でした。[注1]
急成長を続けるEC市場で、高い流通総額(取扱高)を占めるのが大手ECサイトです。
この記事では、楽天やAmazonなどの大手ECサイトの2021年5月時点での国内売上順位や、今後のEC市場の展望や成長要因を解説します。
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ECサイトの国内売上順位TOP4
ECサイトのなかでも、楽天やAmazonのように加盟店舗が商品を販売できる仕組みを持つプラットフォームがEC市場の主力プレイヤーです。
各社の投資家向け広報などを参考に、大手ECサイトの流通総額(取扱高)順位を発表します。
売上順位1位 楽天:約4.5兆円
楽天の2020年度通期の国内向けEC流通総額は約4.5兆円で、国内のECサイトではトップでした。
とくに新型コロナウイルス感染症の流行を受け、オンラインショッピングの需要が拡大した第4四半期(10~12月)の流通総額が大幅に増加し、前年同期比45.2%増を達成しました。[注2]
なお、この数字には楽天トラベル、ラクマ、楽天24(ダイレクト)、楽天西友ネットスーパーといった関連サービスの取扱高もふくまれますが、主要プラットフォームの「楽天市場」だけでも、流通総額が3兆円を超えています。
売上順位2位 Amazon:約3.2兆円
Amazonの日本事業(アマゾンジャパン)は、国内向けEC流通総額の数字を公開していません。
通販新聞の試算によると、2019年の国内向けEC流通総額は約3兆円。[注3]
また、インプレスの運営する「ネットショップ担当者フォーラム」の試算では、Amazonマーケットプレイスなどの手数料が販売額の約10%と仮定し、Amazonの国内売上高の数字から逆算した場合、2018年の国内向けEC流通総額は3.2兆円を超えると見られています。[注4]
売上順位3位 Yahoo!ショッピング:約1.03兆円
「Yahoo!ショッピング」を運営するZホールディングス株式会社の発表によると、2019年のショッピング事業(ECモール)の取扱高は約1.03兆円で、前年度比34.5%の増加でした。[注5]
とくに「巣ごもり消費」の増加を受けた第1四半期(4~6月)の伸びが大きく、前年同期比85.9%増の3,793億円を記録しています。[注6]
売上順位4位 メルカリ:約0.62兆円
フリマアプリ「メルカリ」の2020年の国内向けEC流通総額は、前年度比27.7%増の約0.62兆円でした。[注7]
「レディーズ」「コスメ 美容」のカテゴリの構成比が減少した一方で、「エンタメ ホビー」「家電」の構成比が伸びています。
EC業界の動向は?今後の伸びしろや市場環境の変化を解説
これから、国内のEC市場はどのように変化していくのでしょうか。
EC業界の今後の伸びしろや、市場環境に変化を与えるポイントを解説します。
まだまだEC化率が低く、とくにBtoCは伸びしろあり
日本での国内EC市場は急速に拡大していますが、商取引全体に対する電子商取引の割合である「EC化率」はそれほど高くありません。
経済産業省の調べによると、BtoC-EC(消費者向け電子商取引)の2019年のEC化率は約6.76%、BtoB-EC(企業間電子商取引)のEC化率は約31.7%です。[注1]
特に一般消費者を対象としたBtoCのEC化率が低く、まだまだ伸びしろを残していることがわかります。
コロナ禍での消費行動の変化がEC業界の後押しに
コロナ禍の行動制限や外出自粛によって、消費者の行動は大きく変化しました。
家に居ながら買い物をする巣ごもり消費のトレンドが拡大し結果、国内ECサイトも取扱高を伸ばしています。
コロナ禍の収束が見えないニューノーマルな状況下で、今後もオンラインショッピング利用の増加が予想されます。
コロナ禍の消費行動の変化で、大手ECサイトは軒並み流通総額が増加
この記事では、投資家向け広報などを参考にしたところ、大手ECサイトの売上順位は以下のとおりの結果でした。
- 1位:楽天(約4.5兆円)
- 2位:Amazon(約3.2兆円)
- 3位:Yahoo!ショッピング(約1.03兆円)
- 4位:メルカリ(約0.62兆円)
大手ECサイトに共通しているのが、コロナ禍の消費行動の変化によって、取扱高が増加している点です。
日本国内の商取引のEC化率はまだまだ低く、今後も大きな伸びしろが残されています。
・関連資料のリンク
[注1] 経済産業省:電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました
[注2] 楽天株式会社:2020年度通期及び当第4四半期ハイライトに関するお知らせ
[注3] 通販新聞社:アマゾンの2019年の日本の売上高、1.7兆円に
[注4] 株式会社インプレス:アマゾン日本事業の売上高は約2.2兆円【Amazonの2020年実績まとめ】
[注5] Zホールディングス株式会社:コマース事業の概況
[注6] 日本ネット経済新聞:Zホールディングス、第1四半期の「ヤフーショピング」などECモール取扱高は85%増の3793億円
[注7] 株式会社インプレス:メルカリの国内流通総額は27%増の6259億円。新型コロナで「エンタメ・ホビー」の需要が増加【2020年6月期】
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