以前、コムデザで広告としてDMを送るのに用いられる局印に関して記事を書きました。
局印以外にもDMには気を付けたいことがあります。そこで今回は広告としてのDMを送る時の料金を割引にできる制度についてまとめてみました。
宣伝ツールとしてDMを活用したい方は、ぜひともご覧ください。
広く大量に送るなら「広告郵便物」の割引が◎
広告郵便物、つまり新商品の発売や新規会員の募集など「広告として出すはがきや封筒などの郵便物」には郵送料金の割引制度があります。
以下の条件をクリアしていれば、広告郵便物として割引制度が利用できます。
郵便物の種類 | 定形郵便物、定形外郵便物、通常はがき、往復はがきのいずれか (郵便区内特別郵便物や官製はがきは対象外) |
差出通数 | 同時に2,000通以上送る |
形状・重量 | 全て同じ形状のもののみ |
料金支払の方法 | ・料金別納(料金を一括で支払う制度) ・料金後納(月々の料金を翌月にまとめて払う制度) ・料金計器別納(切手の代わりにスタンプを印字してもらい郵送する制度) のうちのいずれか |
事前の承認 | 承認請求書と印刷物の見本を郵便局に提出して承認をもらう必要がある |
区分仕分け作業 | 必要 |
オプションサービス | 書留や速達などのオプションは利用不可 |
また広告に関連するものであれば、アンケート用紙や試供品やクーポンチケットなどを郵便物に添付できるのも特徴です。
複数の郵便局の管轄区域にまたがるような広いエリアにたくさんDMを送りたい方は、広告郵便物の割引制度が適しています。
ただし挨拶状や会社広報などは広告郵便物としてみなされないため割引の対象にはなりません。
どのくらい郵便料金が割引になるかは、郵便物の種類や差し出す通数などで変わります。
配達猶予の種別 | 割引率(定形郵便物・定形外郵便物) | 割引率(はがき)※ |
2,000通 | 12% | 8% |
5,000通 | 18% | 14% |
1万通 | 21% | 17% |
10万通 | 27% | 23% |
50万通 | 33% | 29% |
※往復はがきの場合は割引率が半分になります。
多く送れば送るほどより割引されるため、なるべく一度にたくさん差し出すのがベターです。
郵便物を提出する前には、請求書の記入と後述する区分仕分けの作業を行う必要があります。また料金別納や料金後納で送る場合は、郵便物の表面に局印を乗せておきましょう。
DM割引のポイントは「区分仕分け」の作業
郵便物は提出する前に送り先の区分ごとに仕分けておく必要があります。
この区分仕分けは「バルク作業」とも呼ばれ、郵便番号の上半分を中心に仕分けます。
最初に郵便番号の上5ケタが同じ番号である郵便物を10通ごとに1つのまとまり(バルク)として束ねていきます。
同じ番号のものが10通ない場合は、上4ケタで見ていきます。それもない場合には上3ケタ、さらに上2ケタと見ていき、上1ケタしか合致しないものが残れば「雑」としてまとめます。
仕分けしたバルクはひもで十字で縛ったのち、「通数」「区分けした郵便番号あるいは『雑』」「配達猶予の種別(赤字で記入する)」を郵便局でもらえる用紙に記入したのち、上に乗せた状態で提出します。
配達猶予を設定すれば郵送の日数が増える代わりに割引率が加算されるため、スケジュールに余裕があれば設定しておきましょう。
配達猶予の種別 | 猶予の日数 | 割引率 |
「割引」 | なし | +0% |
「特割」 | 3日程度 | +2~5% |
「特特」 | 7日程度 | +4~7%※ |
※ 地域区分局等に5万通以上差し出す場合にのみ適用されます。
狭くちょっと送るなら「郵便区内特別郵便物」の割引も
DMを100通から1,000通ほど送るのであれば、郵便区内特別郵便物として送れば割引になります。
以下の条件をクリアしていれば割引対象となります。
郵便物の種類 | 定形郵便物、定形外郵便物のいずれか |
差出通数 | 同時に100通以上送る |
形状・重量 | 長さ34cm以内 × 幅25cm以内 × 重さ 250g以内で全て同じ形状に限られる |
料金支払の方法 | ・料金別納(料金を一括で支払う制度) ・料金後納(月々の料金を翌月にまとめて払う制度) ・料金計器別納(切手の代わりにスタンプを印字してもらい郵送する制度) のうちのいずれか |
配達地域 | 全て同一の郵便局の管轄区域内にあること |
例えばDMを全て飯田橋局の管轄区域内に送る場合は割引制度が使えますが、一部を四谷局の管轄区域にも届けたい場合は割引制度は使えません。
印刷物の表面に「郵便区内特別」と目立つように表記すれば、割引制度を利用できるようになります。
郵便区内特別郵便物の割引率は郵便物の種類やバーコードの有無など、条件によって細かく変わるため、一度日本郵政の公式サイトで確認してみましょう。
カスタマーバーコードで割引率アップ
郵便物にカスタマーバーコード(送り先を示すバーコード)を掲載することで、割引率が加算できます。
例えば、東京都千代田区飯田橋にハガキを送る場合には以下のカスタマーバーコードを記載します。
下記の条件を満たしている郵便物は、カスタマーバーコードによる割引制度が使えます。
郵便物の種類 | 定形郵便物、通常はがき、往復はがきのいずれか |
差出通数 | 同時に1,000通以上送る |
形状・重量 | 厚さ6mm以下で、封筒の材質やミシン目が規格に準じている |
料金支払の方法 | ・料金別納(料金を一括で支払う制度) ・料金後納(月々の料金を翌月にまとめて払う制度) ・料金計器別納(切手の代わりにスタンプを印字してもらい郵送する制度) のうちのいずれか |
事前の承認 | 不要 |
オプションサービス | 年賀特別郵便以外のオプションは利用不可 |
カスタマーバーコードによる割引率は、差し出す枚数に関わらず郵便料金の3%ですが、往復はがきの場合は割引率が半分になります。
広告郵便物割引と併用できるため、複数の割引制度を活用して郵便料金の大幅な節約が狙えます。
バーコードの掲載に関する規定は以下の通りです。
- 郵便物の宛名面、上下左右のふちから最低でも10mm以上離れた位置に入れましょう。
下部のふちからは15mm以上離れているのが望ましいです。 - カスタマーバーコードの上下左右にはそれぞれ2mmの余白を設けましょう。
カスタマーバーコード付きの郵便物を封筒に入れて送る場合は、封筒の窓枠のふちから2mm以上余白が出る状態にします。 - 宛名が横書きの場合は宛名の真下に、縦書きの場合には宛名の左右か下部にカスタマーバーコードを設置します。
- 宛名面の色は白か淡い色、カスタマーバーコード自体の色は黒か濃い青にします。
これらの規定が守られていないと機械が正しくカスタマーバーコードを読み取れなくなります。
きちんと読み取れるか郵便局で確認できるため、不安な方は一度調べるのもおすすめです。
DM郵送は割引制度を活用すればおトクになる!
DMを郵送で展開したい場合、様々な割引制度を利用することで郵送料金を安くおさえられます。
事前に配達先の郵便番号ごとに郵便物を小分けしたり、配達先のカスタマーバーコードを載せたりして郵便局員の作業負担を減らせば、その分大幅な料金割引が狙えます。
ただし割引制度にはそれぞれ利用条件があるため、送りたいものが条件をクリアできているか前もってしっかり確認しておきましょう。