一般社団法人ユニバーサルコミュニケーションデザイン協会(UCDA)が主催する、より多くの人にわかりやすく伝わるよう作られたコミュニケーションデザインを表彰するUCDAアワード。
UCDAアワード2023のコンセプトは「人も企業も幸せになりたい」。
情報を伝えるために必要な相手を思いやる気持ちで、情報の送り手も受け手も正しく情報を共有することで互いに幸せになれるという思いが込められています。
弊社、東洋美術印刷は「UCD制作優秀企業賞」のシルバー賞、協賛企業によるコンテストである「実行委員長賞」のポスター部門で受賞いたしました。
この記事ではUCDAアワードの会場の様子や、受賞作品であるポスターのデザイナーへのインタビューなどを紹介します。
4年ぶりになる「リアルな開催」
コロナ禍によりUCDAアワードはここしばらくオンライン配信での開催となりましたが、今回は4年ぶりにリアル会場・神田明神ホールでの実施となりました。
当日は、授賞式以外にも協賛企業による展示スペースや特別講師によるセミナーなどのプログラムが組まれ、多くの方が来場しました。
弊社も協賛企業の一員として、コミュニケーションデザインの改善事例などを展示いたしました。
UCDAアワードや各賞の概要
UCDAアワードは金融機関やメーカーなど情報を顧客に発信する「1者企業」を対象として、以下の4つのカテゴリーでエントリーされたものを評価して受賞対象を選定します。
コミュニケーションデザイン | 印刷物・デジタル・パッケージから内容的に関連性のある複数点 |
印刷物 | 印刷物から1点 |
デジタル | 映像やWEBサイトから1点 |
パッケージ | 紙器や軟包装(プラスチックフィルムなど)から1~2点 |
UCDAアワードの選定は、デザイナーや教員などからなる専門家と一般ユーザーからなる生活者により行われ、最終的にカテゴリーごとに以下の賞が決定されます。
UCDAアワード | 総合的に最も評価が高い制作物に贈られます |
アナザーボイス賞 | 生活者からの評価が特に高い制作物に贈られます |
情報のわかりやすさ賞 | 専門家からの評価が特に高い制作物に贈られます |
特別賞 | 独自性や特徴が高評価を受けた制作物に贈られます |
またUCDAアワードのエントリーとは別に、1者企業を表彰する以下の賞があります。
総合賞(企業表彰) | UCDに関する取り組みを積極的に行った企業を 「ゴールド」「シルバー」「ブロンズ」の3段階で表彰します |
実行委員会表彰 | UCDが提唱する「情報品質」への取り組みや姿勢が 評価された企業に贈られます |
好事例表彰(奨励賞) | UCDAが利用を奨励しているUDフォント「みんなの文字」や ピクトグラム「みんなのピクト」を活用した企業に贈られます |
他にも1者企業からの要望を受けて、コミュニケーションデザインを設計する情報の作り手である「2者企業」を対象とした以下の2部門の受賞も執り行われました。
UCD制作優秀企業賞 | UCDに関する取り組みを積極的に行った 2者企業を「ゴールド」「シルバー」「ブロンズ」の3段階で表彰します |
実行委員長賞 (協賛企業によるコンテスト) | UCDAアワード2023のポスターデザインならびに、UCDAが奨励する ピクトグラム「みんなのピクト」を活用したツールを評価して表彰します |
昨年度はUCDAアワードを獲得した対象物が3点だったのに対し、今年度は5点に増えたなど全体的にノミネートされた対象物や企業の数が増えたように見られます。
また例年に比べて今回は食品メーカーの受賞がとても多かったことも特徴的でした。
UCD制作優秀企業賞について
弊社が今回シルバー賞をいただいた、「UCD制作優秀企業賞」は情報の送り手(1者企業)の要望に、ユニバーサルコミュニケーションデザインを用いた改善提案で応えられる情報の作り手(2者企業)を表彰するもので、今回から新設されました。
2者企業である制作会社を「UCD推進部門」「アワードエントリー支援と成果」「UCDA認証代理申請実績」「UCDA資格認定取得実績」「UCD推進活動実績」の5つの項目で審査して、高い評価を受けた企業にゴールド、シルバー、ブロンズの各賞が与えられます。
弊社は以下の点が評価されたことで、今回シルバー賞をいただくことができました。
- ユニバーサルコミュニケーションデザインの実践によるデザイン改善事例が多い
- UCDA認定取得者の数とUCDA認証取得件数が多い
今後も弊社では情報デザインの改善を通じて、企業とお客様の良好なコミュニケーションの実現を支援していきます。
UCDAアワード2023ポスター 作者インタビュー
こちらが今回、弊社が作成したアワードのポスターです。
こちらの制作ポイントを、デザイン原案から手がけたデザイナーに聞きました。
制作ポイント
このポスターでは「顧客が不幸に感じる要因となる情報格差を埋める」というテーマのもと、ユニバーサルコミュニケーションデザイン(UCD)で格差を埋めることで企業も顧客も幸せになる様子をイラストで表しました。
右下に企業の情報がわかりにくいと感じている人のカットを配置して、UCDと書かれた足場を利用して左上にいる企業の人と同じ目線に立てるようにして、情報が伝わりやすくするという構図で、両者の段差を埋めるUCDの役割を表現しています。
社会は様々な人が作りあっていくもの、情報のやり取りも正しく伝わるためには送り手と受け手の間の思いやりが重要だという思いが込められています。
ポスターのデザインは弊社のクリエイティブグループの方々に40種類ほど原案を制作していただいた中から社内で選ばれたものを採用しています。
これまでのUCDAアワードの出展作品で用いられたイラスト中心の作風を踏襲しつつ、シンプルなだけでなくUCDという言葉が中央に来ていて認知しやすい点が採用の基準です。
昨年はポスターコンテストで受賞できなかったのですが、今回はリベンジを達成することができました。
今後もUCDAアワードを獲得しつづけられるよう、がんばっていきます。
「UCDAの窓口」として意義ある会となった
東洋美術印刷はユニバーサルコミュニケーションデザイン協会のパートナー企業「UCDAの窓口」として、分かりやすさの基準に基づいてコミュニケーションデザインの改善提案を行います。
今回のUCDAアワードは久々のリアルな場での開催となり、実物の導入例を披露したり来場客と対談したりと、かなり参加意義の大きな会となりました。
また金融業界以外にも食品業界などのUCDAアワードの受賞が目立ったことで、UCDの理念がこれまで以上に幅広い業種へ広まっていると実感しました。
東洋美術印刷は今回、UCD制作優秀企業賞とポスターコンテストで名誉ある賞をいただくことができました。
コムデザでもUCDやコミュニケーションデザインに関する記事を引き続き発信していけたらなと思います。
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