「ユニバーサルコミュニケーションデザイン」という言葉を聞いたことはありますか?
「ユニバーサルデザイン」なら聞いたことはあるかもしれませんが、「コミュニケーション」が入ると明確にはよく分からないですよね。
ここではユニバーサルコミュニケーションデザインについて、言葉の意味とその目的を紹介していきたいと思います。
「バリアフリー」「ユニバーサルデザイン」との違い
似たような言葉に「バリアフリー」、「ユニバーサルデザイン」があります。
そこに「ユニバーサルコミュニケーションデザイン」を加えて、3つの言葉の意味を比較したものが以下の表です。
名称 | 誰のための何のデザイン | 提唱者 |
---|---|---|
バリアフリー | 障害者にとって 使いやすいデザイン | 国連障害者 生活環境専門家会議 |
ユニバーサルデザイン | より多くの人にとって 使いやすい プロダクトデザイン | ロナルド・メイス |
ユニバーサル コミュニケーション デザイン | より多くの人にとって わかりやすい 情報のデザイン | 一般社団法人ユニバーサル コミュニケーション デザイン協会(UCDA) |
バリアフリーの目的は障害のある方にとって利用しづらさを感じていた物から「障害(バリア)を取り除く」ことにあります。
建築物や日用品などの工業デザインが該当します。
ユニバーサルデザインは特定の人だけではなく、より多くの人にとって使いやすさを求めた「人に優しいデザイン」を目指しています。
アメリカのロナルド・メイス氏が1980年代に提唱した考え方です。
ユニバーサルコミュニケーションデザインはユニバーサルデザインから派生し、「情報」を対象にして「より多くの人にとってわかりやすい情報のデザイン」を目的としています。
2007年に発足した一般社団法人ユニバーサルコミュニケーションデザイン協会が提唱している考え方です。
UCDで「伝わりにくい情報」を「伝わる情報」に改善する
企業や行政が発信する情報というのは分かりにくいと感じることがよくありますよね。
パンフレットを見て「これは安い!」と喜んで契約しようとしたら、追加で思いもよらなかった追加費用が掛かってしまったり。
何かしら契約を交わすことになり、申込書に必要事項を記載して送ったのに、記載ミスが見つかって書き直すことになってしまったり。
高齢者のための制度の説明書が、高齢者にとってはとても読みづらいような小さな文字で書かれていたり。
ユニバーサルコミュニケーションデザインは、これらの「伝わらない情報」を「伝わる情報」に変えるために、デザインの観点で情報を改善するための考え方なのです。
UCDで「わかりやすさの基準」を定義する重要さ
より多くの人にとって情報が伝わるようにするためには、より多くの人にとっての「わかりやすさの基準」が必要となります。
ユニバーサルコミュニケーションデザインは国際規格化された人間中心設計というプロセスに従い、ユニバーサルコミュニケーションデザイン協会のもと、多くの階層による第三者が参画し、科学的なアプローチにより測量・定量化した結果、「わかりやすさの基準」を定義したのです。
例えば情報を受け取る側にとって、許容できる「情報の量」はどれくらいの量なのか。また、誌面の「色彩設計」について、色弱者にも判別がつく色づかいになっているかどうか。
「わかりやすさの基準」に沿ってパンフレットやホームページ、動画まで情報を媒介するメディアのデザインを分析して、洗い出された問題点をデザイン改善することによって、より多くの人にとって伝わる情報にデザイン改善をすることができるようになるのです。
UCDで情報デザインはより広く伝わるものになる
ユニバーサルコミュニケーションデザインは、ユニバーサルデザインから派生した「より多くの人に伝わる」ように情報デザインを改善する考え方です。
科学的で客観的に設計された「わかりやすさの基準」に基づいて、情報を伝えるためのメディアのデザインを分析し、デザインを改善することができます。
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