ニュースや雑誌などで「メタバース」という単語を耳にしたことがある方は多いと思います。
メタバースはもはやオンラインゲームのみならず色々な用途で開発が進められている新世代のコンテンツといえるでしょう。
そんなメタバースと同じようで異なるものとして「バーチャルショールーム」があります。
今回はバーチャルショールームとは何か、メリットや具体事例も交えて説明いたします
バーチャルショールームはコロナ禍以降注目されるように
バーチャルショールームとはその名の通り、バーチャル上に生成された展示空間です。
3DCGをモデリングして完全にオリジナルの仮想空間を運用するメタバースとは違い、バーチャルショールームは専用のカメラでパノラマ写真を撮影してスキャンすることで、実際の風景のデジタルツインとなる3Dモデルを生成してできています。
コロナ禍により実際の展示会や見学ツアーなどが開催しづらくなった今、オンラインで開催できるバーチャルショールームは国内外のあらゆる業界から注目されています。
バーチャルショールームでもとくに有名なものが「Matterport」です。
Matterportの提供するサービスを使って、世界では現在数千ものバーチャルショールームが展開されています。
「Matterport」には複数の部屋の3Dモデルを組み合わせて1つの建物としてつなぎ合わせて鳥観図を生成する「ドールハウスビュー」、見学用のルートを設定できる「ガイドツアー」、部屋の高さや広さなどの距離を計測できる機能、個人情報などが移りこんだ場合に画像処理する機能など、様々な機能が掲載されています。[注1]
バーチャルショールームを導入するメリット
① リード顧客を自由に呼び込める
バーチャルショールームはパソコンやスマホなどのデバイスがあれば、どこからでも気軽に建物の中を見学できます。
リード顧客にとっては気軽に参加しやすくなるため、リード顧客を育成できる機会もより多くなります。
特に子供連れや高齢者など遠方に足を運びづらい方へのマーケティングには最適でしょう。
また一度公開しておけば、会社や店舗が休みのタイミングでも見学できるので時間的にもリード顧客が増えやすくなります。
② 準備の手間が大幅に減らせる
バーチャルショールームはカメラで撮影するだけで自動で3Dモデルを生成してくれるので、簡単に準備できます。
さらに実際の模型とは違い、バーチャルショールームは準備や片付けなどをおこなう必要もないため、同じ見学ツアーでもリアルに比べて全体的な作業の負担はかなり減らせます。
ARゴーグルなどの特殊な機器がなくてもバーチャルショールームは利用できるので、参加者側にとっても準備の負担がないのも大きなメリットです。
③ アーカイブとして保存できる
バーチャルショールームには建造物の内部の様子を記録するアーカイブとしての使い方もあります。
万が一災害などで建造物が破損した場合も、過去に生成されたバーチャルショールームの3Dモデルがあれば、修復作業などで重要な資料として活用できます。
実際に国内外で歴史遺産や自然遺産などのバーチャルショールームを生成している例も多いです。
④ あらゆるコンテンツを挿入できる
バーチャルショールームではパノラマ写真の中にタグとしてあらゆるコンテンツを埋め込められます。
テキストや画像・音声ファイルのほかにも、動画コンテンツ、Google Map、PDFファイルと様々なタイプのコンテンツを挿入できるため、パノラマ写真だけじゃ伝えられない具体的な情報を提供するのに役立ちます。
もちろん、外部リンクから会社の公式サイトやECサイトなどへとつなげるよう設定できるため、ユーザーを特定のアクションに誘導しやすいのも特徴です。
バーチャルショールームの導入事例
① 不動産でのバーチャルショールーム導入事例
不動産が売出中の物件の内観をリード顧客にお見せするチャネルとしてバーチャルショールームを活用している事例は少なくありません。
今までの3Dでの模型に比べてより物件の様子を忠実に再現できるため、バーチャルで物件を見て回ったときと実際の物件を見学したときの印象が違うという事態が起こりにくくなります。
またユーザーがどの部屋をどれだけの時間見ていたか分析すれば、顧客側から見た物件の長所や短所を把握するヒントとなります。
② 工場でのバーチャルショールーム導入事例
工場の見学ツアーがコロナ禍で気軽に開催できなくなった現在、多くのメーカーではバーチャルショールームによる工場見学を開催しています。
実際の工場見学のように機械が作動している様子の動画を挿入して製造ラインを見ているような体験を提供しているところや、通常公開していないエリアのパノラマ写真を掲載して実際の工場見学より広い範囲を見られるようにしているところもあります。
③ 店舗でのバーチャルショールーム導入事例
郊外の大型量販店から街中の小さな専門店まであらゆるお店でバーチャルショールームが導入されています。
ECサイトへのリンクを挿入することで商品をワンストップで購入できる導線を設定することで売上率の向上を狙えるほか、ある店では有名モデルとタイアップしたコンテンツをバーチャルショールーム内で展開するなどプロモーションのための施策もおこなわれています。
④ 観光地でのバーチャルショールーム導入事例
観光地として有名なお寺やお城の中にも、バーチャルショールームを導入しているところは多いです。
保存のために普段は関係者以外は入れないところでもバーチャル上で見学できることもあるため、実際に旅行で訪れる場合とはまた違った体験ができるのがユーザーにとっては大きなメリットといえます。
反対に実際に現地へと観光してもらうため、観光地の宣伝用にバーチャルショールームを活用するのも効果的です。
主催者にも参加者にもメリットは大きい!
短時間で実際の光景を3Dモデルとして生成できるバーチャルショールームには、従来の見学会などに比べて、主催者側には準備の手間が減る点など、参加者側にはわざわざ現地に移動する手間が減る点などのメリットがあげられます。
コロナ禍でバーチャルショールームを活用している会社や団体はここ数年でかなり増えました。
弊社でもMatterportの技術を生かした「VR360」のサービスを活用し、埼玉にある印刷工場のバーチャルショールームを展開しています。
詳しくは関連サービスをご覧ください。
・関連資料のリンク
[注1] Matterport公式サイト
・関連資料のダウンロード
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