近年、新たなショールームの形としてバーチャルショールームを取り入れている企業が増えてきています。
バーチャルショールームには複数の種類とメリットがあるため、これからバーチャルショールームの導入を検討する場合、基礎知識と特徴をよく理解しておく必要があります。
今回は、バーチャルショールームの基礎知識とメリット、種類、導入した事例について解説します。
バーチャルショールームは「仮想空間につくられた展示場」
バーチャルショールームとは、オンライン上で展開される展示空間のことです。
バーチャルとは、コンピューター上で作られた仮想空間のことで、専用のツールやアプリケーションなどを利用すれば、その場を疑似体験することができます。
バーチャルショールームを利用する人は、コンピューター上に作り出された空間を自由に歩き回ることが可能で、現地に行かなくても展示物の外観や雰囲気を確認できる仕組みになっています。
バーチャルショールームでできること
バーチャルショールームでは、主に以下のようなことを体験できます。
- 3Dモデリングされた展示空間の閲覧
- 展示物のカラー、仕様のカスタマイズ
- 製品の予約・購入
- バーチャル上での試着や試乗
- オンライン接客
- 問い合わせの受付
- ウェビナー配信
バーチャルショールームはコンピューター上に形成された空間ですが、ECサイトのように商品購入ページにリンクさせれば、展示物や製品の販売につなげることも可能です。
また、バーチャルショールームは基本的に出入り自由で、ユーザーは好きなときに好きなように展示物を閲覧できます。
チャット機能などを設置しておけば、その場で問い合わせに応じたり、オンライン接客を行ったりすることもできます。
仮想空間でありながら、なるべくリアルな空間と同じサービスを提供できるように工夫されているのがバーチャルショールームの特徴です。
バーチャルショールームの3つのメリット
バーチャルショールームを利用すると、以下のようなメリットを期待できます。
いつでも好きなときにアクセスできる
リアルなショールームでは、現地まで直接足を運ばなければならないため、手間と時間がかかります。
また、興味を持っていても、開催地が遠かったり、時間が合わなかったりすると、足を運ぶのは難しいでしょう。
バーチャルショールームなら、インターネットに接続されたパソコンやスマートフォン、タブレットがあれば好きな場所からアクセスできるため、来場者増加が期待できます。
陳列が難しい商品も展示できる
ショールームは展示スペースが限られているため、大型の物を陳列するのは困難です。
その点、コンピュータ上に作られたバーチャルショールームは物理的な面積を気にする必要がありません。
3Dモデリングされた展示物データなら、いくらでも仮想空間上に展示することができます。
また、3Dモデルは自由に回転、拡大、縮小できるので、展示物の細部まで確認してもらえます。
設営や運用にかかるコストを節約できる
実際のスペースを用意してショールームを展開するには、借地料や建設費、固定資産税、水道光熱費、受付スタッフの人件費など、さまざまなコストが発生します。
一方、バーチャルショールームはオンライン上で展開するものなので、こうした物理的なコストはほとんど発生しません。
サーバーの維持費などはかかりますが、リアルなショールームの維持費に比べれば微々たるものなので、運用コストを大幅に節約できます。
バーチャルショールームの3つの種類
バーチャルショールームは、製作方法によって大きく3つの種類に区分されます。
全3DCG型のバーチャルショールーム
バーチャルショールームのすべてを3DCGで制作したものです。
3DCGで作られたバーチャルショールームの特徴は、ショールームの規模やレイアウト、展示物などを自由に制作・設定できるところです。
例えば、展示物のカラーやテクスチャを自在に変更したり、現実では難しい広々としたショールームを展開して大型展示物を陳列したりすることも可能です。
展示物のテイストに合わせてショールームのデザインも自由に変えられるので、個性豊かなショールームを作れるところも魅力です。
ただ、後述する実写VR型に比べるとリアリティに欠ける点と、一から3DCGで制作すると手間と費用がかかるところがネックです。
実写VR型のバーチャルショールーム
リアルなショールームを3Dカメラで撮影し、そのデータをもとにバーチャルショールームを構築する方法です。
3Dカメラで撮影したデータをVRサービスでWebコンテンツ化することで、簡単にバーチャルショールームを展開することができます。
実写VR型のメリットは、リアリティの高いバーチャルショールームを制作できるところです。
前述した全3DCG型とは異なり、リアルなショールームをベースに制作されるため、「実物とイメージが違う」といった問題が起こりにくいところが利点です。
なお、バーチャルショールーム上には動画やテキストなどを埋め込むことも可能です。
製品の説明書きを加えたり、動画で実際の使用方法を説明したりすることも可能となっています。
VR保存型のバーチャルショールーム
展示会場をVR化し、保存したものをオンライン上で展開するタイプです。
期間限定のイベント型展示会は、イベントが終了すると撤収しなければなりません。
開催期間中に展示会場をVRカメラで撮影し、Webコンテンツ化した上で保存しておけば、イベントが終了した後も、オンライン上で好きな時に展示物を閲覧することができます。
バーチャルショールームを導入した成功事例
実際にバーチャルショールームを導入した事例を2つ紹介します。
インテリア家具メーカーでの事例
ソファやテーブル、ベッドなどのインテリア家具を販売している会社が店内をVR化した事例です。
ウインドウショッピングをするように、店内を見て回ったり、目当ての商品があらかじめ決まっている場合は「ダイニングセット」「ベッド」などのカテゴリから、展示スペースに直接アクセスすることもできます。
気になった商品があれば、オンライン上でクリックorタップすることで、公式オンラインショップにリンクされる仕様になっているため、その場でネットショッピングをすることも可能です。
不動産会社のモデルルームでの事例
不動産会社が所有するモデルルームをVR化した事例です。
VRカメラを使用した実写VR型なら、実際のモデルルームの雰囲気やレイアウト、デザインなどをリアルに近い形で体験することができます。
チャットやzoomなどのWeb会議ツールを設置しておけば、ユーザーは必要に応じてスタッフに質問したり、案内を頼んだりすることもできます。
モデルルームはユーザーにとって気軽に見学できないというイメージがありますが、バーチャルショールームなら見学のハードルが下がるため、リード客の呼び込みに役立つでしょう。
バーチャルショールームを活用して効率的なマーケティングを図ろう
バーチャルショールームを導入すれば、リード客の呼び込みやコストの削減、陳列が難しい商品の展示など、さまざまなメリットを期待できます。
リアルな店舗やショールーム、モデルルームと並行して運用する企業も増えており、新たな販路獲得に繋がっているケースも少なくありません。
バーチャルショールームにはさまざまな種類があるため、自社のニーズや目的に応じて適切なタイプのバーチャルショールームを導入してみましょう。
臨場感とコストパフォーマンスに優れた実写VR型を制作したい場合は、リアルな空間を簡単にVR化できる「VR360」がおすすめです。
空間の3D撮影の業界標準である「Matterport」の技術を駆使することで、3Dカメラで撮影した空間をWebコンテンツ化することができます。
コンテンツ化した空間に動画や画像、テキストを埋め込んだり、カスタマイズ機能を活用したりすれば、顧客体験価値を高めるオリジナル空間を制作することも可能です。
バーチャルショールームの制作・導入を検討している場合は、ぜひ「VR360」のご利用をご検討ください。