インクルーシブなデザインって何?

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多様性への対応が求められる現代では、誰しもが利用しやすいデザインを採用するのがポイントです。

このように、多様性に対応するデザインを手がける上で有効なのが、「インクルーシブデザイン」です。

インクルーシブデザインに取り組むことで、さまざまな人が使いやすい製品の開発につながります。

この記事ではインクルーシブデザインについて、ユニバーサルデザインやダイバーシティなどとの違い、実例を解説します。

インクルーシブデザインってどんなデザイン?

インクルーシブデザインとは、従来の製品デザインプロセスでは除外されていた人たちを巻き込んでいく手法です。

具体的には高齢者や外国人、障がいを抱える人をデザインの上流から巻き込んでいきます。

インクルーシブデザインで対象となるのは高齢者や外国人、障がい者といった、これまではデザインにおいて排除されてきた人たちです。

このような人たちはリードユーザーと呼ばれます。従来のデザインで対象とされてきた人たちだけの意見を反映していては、平均的な意見しか抽出できず、競合と差別化するのは困難でしょう。

一方、リードユーザーであればこれまでは気付かなかったような意見を提案してくれる可能性があります。

インクルーシブデザインに取り組むことで、新たなデザインの提案も可能になるでしょう。

インクルーシブデザインが活用されるのは製品のデザインだけではありません。

施設やWebなど幅広いシーンでの活用が期待されています。

 

インクルーシブデザインとユニバーサルデザインの違い

インクルーシブデザインと似た言葉として、ユニバーサルデザインが挙げられます。

ユニバーサルデザインで用いられるユニバーサルとは普遍といった意味があります。

そのため、ユニバーサルデザインは「普遍的なデザイン」「全ての人に共通のデザイン」といったように訳すことが可能です。

一見するとインクルーシブデザインとユニバーサルデザインは似た意味に思えます。

しかし、両者は以下の点で異なります。

  • デザインのアプローチ方法
  • メインターゲット

 

インクルーシブデザインのアプローチ方法

インクルーシブデザインとユニバーサルデザインではデザインのアプローチ方法が異なります。

ユニバーサルデザインも障がい者でも使いやすいデザインを目指しますが、アプローチするのはデザイナーです。

一方、インクルーシブデザインでは、リードユーザーが参加するワークショップやアンケート調査の結果に基づいてデザインします。

つまり、インクルーシブデザインでは、リードユーザーをデザインの上流の段階から巻き込んでアプローチしていきます。

 

インクルーシブデザインのメインターゲット

インクルーシブデザイン、ユニバーサルデザインではメインとなるターゲットが異なります。

ユニバーサルデザインは障がいを持った人に対応するデザインを手がけるものの、ターゲットの中心にいるのは健常者です。

一方、インクルーシブデザインはリードユーザーがターゲットの中心です。

リードユーザーがターゲットであるため、万人に向けたデザインにならない可能性があります。

しかし、インクルーシブデザインであれば健常者が気付かなかったニーズを見出せる可能性もあります。

 

インクルーシブデザインとバリアフリー、ダイバーシティの違い

インクルーシブデザインと似た言葉はユニバーサルデザインだけではありません。

バリアフリー、ダイバーシティもインクルーシブデザインに似た言葉として挙げられます。

インクルーシブデザインとバリアフリーの違い

バリアフリーは生まれついての特徴に関係なく、誰しもが暮らしやすい環境にするため、障壁(バリア)を省くことを目指しています。

もともとは建築業界で用いられていた言葉ですが、心理的、社会的な障壁を省くことにも用いられています。

バリアフリーは既にある物の障壁を取り除くのに対して、インクルーシブデザインはこれから作る物に障壁が生まれないようにする取り組みです。

 

インクルーシブデザインとダイバーシティの違い

ダイバーシティとは性別や年齢、国籍、宗教などの多様性が受け容れられている社会です。

一方、インクルーシブデザインに用いられているインクルーシブとは多様性が受容されているのはもちろん、それぞれの個性が尊重されている社会を指します。

 

インクルーシブデザインの主な4つの実例

インクルーシブデザインはさまざまな企業で採用されています。

ここでは次の事例について解説します。

  • 肌の色に関わらないばんそうこう
  • 視覚障がい者の意見を採用した腕時計
  • 手を使わずに履けるスニーカー
  • 子どもが飲みやすい薬

 

肌の色に関わらないばんそうこう

傷口や患部を手当てする際に用いられるのがばんそうこうです。

ばんそうこうはサイズや形などさまざまな種類が発表されていました。

しかし、多様な肌の色になじむばんそうこうは発売されていませんでした。

そこで、さまざまな人種の人に向けた多様な種類のばんそうこうを発売しました。

さまざまな人種の人に向けたばんそうこうを発売したことで、新たなユーザー獲得につながっています。

 

視覚障がい者の意見を採用した腕時計

視覚障がいを抱えている人の意見を採用した腕時計もインクルーシブデザインのひとつです。

同社ではSDGsをはじめとした社会課題を解決するさまざまな取り組みをしています。

視覚障がいを抱えている人から意見を聞き、専用の腕時計を開発しました。

 

手を使わずに履けるスニーカー

手を使わずに履けるスニーカーもインクルーシブデザインの一種です。

脳性まひによって一般的なスニーカーを履くのが難しくなったリードユーザーに意見をヒアリングし、手を使わなくても着脱しやすい一着を開発しました。

手を使わずに履けるスニーカーが登場したことで、妊婦や高齢者もスニーカーを楽しめるようになりました。

 

子どもでも飲みやすくした飲み薬

インクルーシブデザインとして子どもが飲みやすい薬を手がけた会社もあります。

子どもが飲みやすい薬を手がけることで、本人はもちろん、保護者の身体的・精神的な負担を軽減可能です。

その結果、子育てしやすい環境作りに寄与しています。

 

インクルーシブデザインを取り入れるときに気を付けるべきこと

インクルーシブデザインはこれまで気付かなかったようなアイデアの実現が期待できます。

一方でインクルーシブデザインを採用する際は注意も必要です。

例えば、インクルーシブデザインに取り組む際はリードユーザーの意見を適切なバランスで採用することが大切です。

開発しているサービス、製品の目的に合わせてリードユーザーの意見をバランスよく採用することで、多様性に適応したデザインを実現できます。

 

インクルーシブデザインを把握した新たなデザインの提案につなげよう

インクルーシブデザインとは高齢者や外国人、障がい者といった従来のデザインではメインに据えられていなかったリードユーザーを、デザインの上流に巻き込むことを指します。

インクルーシブデザインであればリードユーザーの意見を採用することで、これまでは気付かなかったようなアイデアに出会い、新たなデザイン提案につなげられます。

インクルーシブデザインに取り組む際はリードユーザーの意見をバランスよく採用しましょう。

インクルーシブデザインについて理解を深め、これまではなかったようなデザインの提案につなげましょう。

 

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情報を提供する会社側と高齢者や色弱者など様々なユーザー側との間で生まれる情報認識のズレにより損失が出ないよう、一般社団法人ユニバーサルコミュニケーションデザイン協会の「見やすいデザイン」認証の基準に基づき情報デザインを科学的に判断いたします。
 

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